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今日の1本 映画編 その8
これから大阪へ………の前に映画を1本。本当はそろそろ洋画をと思っていたのだが………せっかく関西へ向かうのだ。それが無縁じゃない、そんな作品にしたいと思う
まず題材が斬新、というか、元々はあまりに有名だし、日本人ならほとんどが知っているネタ…………というのは一昔前なのか?以前は年末には必ずどこかのテレビで、ドラマだの映画だのの放送があって、あー年末だねぇ………とかいってたものだが。今は知らないという若者もいるらしい
とはいえ古典、ということでもあり、またノンフィクションでも有ることから、様々な解釈がされてきた話だ。まあ手垢がつきまくったこちらを、こんなとこから?と思わせられた作品だった
そんな今日の映画はこちら!
決算!忠臣蔵
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なんだけど、あらゆる意味で想像を超えてきた!
さあ、今まで全く触れられることもなかった忠臣蔵だ。若い方のために忠臣蔵について、改めて紹介しよう
赤穂浪士47名が、主君浅野内匠頭の仇を討つため吉良上野介宅に押し入り、見事主君の仇を討ったというお話。基本的にはこれがベースだ。もちろんこの仇討ち自体に様々な解釈があり、どれが真実なのかはわからない。ただ、日本三大仇討ち(三大○○は日本の十八番だ)と言われてるのもあるし、また一番有名な話でもある
さて、何度もドラマ、映画その他で取り上げられた忠臣蔵、今回はかなりの変化球での目線だ。そう、金銭の流れの話である。そりゃ人間なにするにも金がかかる。弥生時代以降は貨幣ないしそれに類するものを使っていたのが日本だ。江戸時代ならもちろん貨幣経済が発達している
なんといっても赤穂藩はお取り潰し、そりゃまあ金銭に余裕があるわけがない。しかも金の使い方が侍の多くにはわからない………算盤方(経理)の侍が考えるのと番方(戦担当)の侍とでは、金のありがたみも何もかも共有できないのだ
そんな中で同い年の筆頭家老 大石内蔵助と算盤方 矢頭長助の関係をメインに据え、どんなやり繰りからあの仇討ちをしたのか、という話になる。だからこそ………普通の忠臣蔵とは全く別物だ。浅野内匠頭の松之廊下はダイジェストだし、何よりも絶対的名場面たる仇討ちは○○カット、というか瑤泉院(石原さとみ)の独白でおしまい………こんな忠臣蔵というのを私は初めて見た
とはいえ、それはこの映画の面白さのひとつだ。むしろ、だからこそ金銭の問題、予算の大切さを改めて感じるのだ。コメディ仕立てだからこそ、愛人の話その他も明るく捉えられる。なにより愕然とする大石こと堤真一と、毒づく矢頭こと岡村隆史の掛け合いなどもすごくよくできていた
ともかく、まずは笑いながら見て貰えたらと思う。きっと大石の気持ちになっていくことだろう。その上で、改めて金銭感覚を持つことの大切さを学べると思う
私の評価は8点かな。今まで見た忠臣蔵ではナンバーワンだったし、こういう捉え方ができると、他の古典も新たな目線で見直すこともできるかなと感じた。見られる方は是非!