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今日の1冊 その8

今台風10号が九州に上陸し、日本の大きな地域に影響を与えている。竜巻も発生しており、九州は特に甚大な被害も出ているところだ。できるだけ人的被害がないことを願っている


関係ないような書き出しだが、今回の1冊を選んだ理由のひとつがこの超巨大台風(気圧だけなら伊勢湾台風に匹敵する)の九州襲来だったから。これから紹介する本は漫画だが、九州とは浅からぬ縁がある。とはいえこの内容自体は九州そのものではないのだが……………


さて、それでは今回紹介する作品はこちら!




たかぎ七彦
アンゴルモア 元寇合戦記
第一巻 第一話〜第5巻 第十七話
蒙古襲来 一日目〜三日目

最近この時代の物語が多い気がする
なかなか面白い時代だと思う
世界史的にも大切だ


こちら、最初の元寇、文永の役を題材にしている作品だ。作品名を聞いて、なんだろう?と思ったのを覚えている。かなり早い段階で読み出した一作だ。つまりキリスト教で、というかノストラダムスの言うところの「恐怖の大王」……ワールシュタットの戦いでヨーロッパ連合軍を完膚なきまでに叩き潰したのは、バトゥ率いるモンゴル帝国軍だった

まさにアンゴルモア、だ
世界史的に見ても大変重要なモンゴル帝国
ヨーロッパや中東、アジアなどに与えた影響は
あまりに絶大
…………のわりに日本人は知らない


九州は昔から台風の被害を受けている。天災も含め、九州には様々な災害が襲いかかってきた。その中で最も最初の人災と言えるのがこの蒙古来襲、元寇だろう。とはいえその実態は………ほとんどの日本人が知らないんじゃないだろうか。そりゃ教科書のあんな日本史でわかるわけがない


この辺は「キングダム」などとも似てるところだ(と言いつつもあれはほとんど創作なのだが)。この漫画では日本側との最初の衝突地、対馬での戦いを書いている。細かなところはもちろん創作なのだが、それでもかなり歴史を大切にはしている。残っている文書には即してある(この辺りもキングダムと同じだ)


と…………なんとここまであらすじ書いてなかった^^;
という訳でネタバレなしなあらすじ
文永十一年十月(1274年11月)、対馬に蒙古の大船団が出現。上陸した元の軍は殺戮と略奪を始める。そこに立ち向かう対馬地頭代宗介国や輝日姫。そこに送られてきた元鎌倉御家人朽井迅三郎らの囚人達………彼らと対馬、圧倒的大軍の蒙古軍を前にどう戦うのか


というもの。この最初の「対馬編」(というタイトルはないが)は史実通りの展開………ということはあまりハッピーな感じになることはない。が、暗いばかりでもない。何より主人公朽井迅三郎が魅力的だ


そんな本作の出だしの部分が今日の紹介だが、ここまで見て漫画的な描写もあるものの、と同時にリアルにも通じるところに私は注目する。それは

指導者の大切さ

だ。少なくとも、ここでは朽井がリーダーとなっているのだが、彼が指揮し始めてから行動が合理的になっていくし、士気も確実に上がっていく。状況は悪化していくのに、だ。これはひとえに彼の指揮能力やカリスマによるところだろう

いわゆる窪み(わざと退却すること)に対して
迅三郎はあえて追撃する
本来は愚策だが、ケースによっては必要だ
彼は現実をよく分かっている


たかが漫画されど漫画。有事の際には特にこうした人物がいるいないが大きく事態を左右する。そんな教訓も得られる………し、また歴史を知る、という意味でも価値ある作品だと思う。当然娯楽作としてもよく出来ている(まあ戦争なんで楽しめるかは人によるが)一作だ。よければ是非読んで見てほしい

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