「ずっと独身でいるつもり?」
「ずっと独身でいるつもり?」
これに似たような言葉を、まるで矢でも刺すように未婚の方に言い放つ人は少なくない。
矢を刺した本人はまるで悪気はない。矢を刺した事にも気づかない。何故なら、本人は間違ったことを言っているとは全く思っていないからだ。人々は、当然の事のように。決まりごとのように。独身である人には、この決まり文句を投げ掛けている。
独身でいることが、そんなにも悪いこと?
これじゃあ、独身でいることは道を外れていることみたいでは?
この有り難くもありながら余計なお世話でもある言葉たちに、そう感じながら生きる人はきっとたくさんいる。
“普通”という固定概念
最も怖いのは、“普通”と言われる誰が決めたのかも分からない基準から生まれる固定概念だと思う。
恋人と付き合い、結婚し、子供を産まなければならない。
正社員でなければならない。
一生懸命でなければならない。
車の免許は持っていなければならない。
スタイルが良くなければならない。
この世の中は、“固定概念”で溢れていると思う。正直、溢れ過ぎている。
殆どの人が、その、誰に引かれたのかも分からない“普通”というレールの上を歩くことが当然だと思い込んでしまっている。
こうやって話している私だって、時々、「そろそろ結婚しなければ」と思うことがある。その度に、固定概念に囚われている自分にはっとした。
一体、誰のために生きてるの。
自分のための人生じゃないの?
皆と同じレールの上とは逸れた場所に幸せがある私は脱落者?
そう考えることが最近多々あります。
そんな中で鑑賞した、田中みな実さん主演の映画「ずっと独身でいるつもり?」
大好きな田中みな実さん主演ということもあり足を運びましたが、正直、期待以上でした。
未婚の方はもちろん、既婚の女性、“普通” に悩まされている方にも刺さる作品だと思います。
もう一度、自分と向き合い、自分にとっての幸せについて考えさせられました。
結婚はするものだ。
一定の年齢を越えて結婚していない人は難ありだ。
なんて、そんな誰のためかも分からない固定概念に揺さぶられて自分のための幸せを見失うところでした。
結婚が幸せとは限らない
結婚は、ゴールでも勝利でもない。
結婚は、愛する人とパートナーとして共に生きようと決めた時に、ようやく選択肢として出てくるもの。
目的ではないし、必ず選択しなければならないアンサーでもない。
いつの間にか “結婚をする” ということにばかり気をとられてしまって一番大事なことを忘れてしまいそうになっている人もきっと沢山いるはず。
結婚はただの選択肢に過ぎないのだから、素敵な人に出会えた時に向き合えば良い課題。
いつか、素敵なパートナーと出会って選択するのかもしれない。
ひょっとしたら、選択せずに愛する人と過ごすのかもしれない。
それとも、ひとりで楽しく気楽に生きるのがベストかもしれない。
それは、いまは分からなくても。どうか “普通” という誰のものかも正しいのかも分からない物差しに惑わされないでください。
よりたくさんの人が、自分らしく。
自分のために、思う存分、たった一度きりの人生を楽しむことができますように。
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