TC-1と、G-Rokkorと、色かぶり
何となく時代の潮流に乗り、私もたまにフイルムカメラを使う。
特に「お気に」なのがMINOLTA TC-1である。
本当はNikon 35Tiが欲しかったのだが、状態の良いのが見つけられずTC-1を購入した。
ファミコンのF1レースが売り切れで、デビルワールドを買った小学生の頃とスタンスは変わらない。
ただ、今思えばTC-1で満足しているし、こちらを選んで良かったと思う。
決して負け惜しみではない。
TC-1
とにかくコントラストが高い。これに尽きる。
搭載されているMINOLTA G-Rokkor 28mm f3.5が素晴らしい。
気を良くした私は、このレンズをミラーレスで使いたいと思った。
実はこのカメラに装着されたレンズは、L39マウントとしてレンズのみ発売されていたのだ。
欲しいと思っていたら、なんとキタムラで「AA品」として売っているのを見つけてしまった。
「ねぇ。僕、オジサンの家の子になりたいよ」
まさに運命。この子を養子にもらうこととなった。
後玉が出っぱっているがアダプター経由で現行ミラーレスに装着可能だった。
ただリアキャップに当たりそうなので、深さのある透明キャップを装着した。
キャップを付けていても美しい後玉を拝めることができる。
まさにキャップ界のMM号である。
美しい後玉。
逆にこれがネックとなった。とにかく四隅の色かぶりが酷いのだ。
ある意味、これが味なのかもしれないし、モノクロで使えば気にならない。
とは言え、やはりカラーで使いたいのでR。
佇まいは美しく、このレンズと添い遂げたいと思っていた。
しかし性能を生かせる自信がなく手放した。
甲斐性なしの私の元では幸せになれない。
これ以上の状態の良いG-Rokkorはもう手に入らないだろう。
良いレンズだったし、主役をグッと引き立たせる描写力は健在だった。
しかし、売った。
ていうか、LUMIX S9の購入資金に化けた。
今思うと、SIGMA S9とMINOLTA G-Rokkor28の組み合わせを見たかったなぁと悔やむ。