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#6 白石暮らしで感じた好き
都市部と地方の暮らし方
白石市に移住して5年。
移住する前は、神奈川県に住んでいた筆者。
私の家族は転勤族で私は子どもの頃に2回、大人になってからは白石を除き2回移住を経験し、その全てが政令指定都市だった。
私にとって白石市は初めての地方移住。
そんな都市生活の長かった私が、白石暮らしの好きを考えてみた。
移住前後で朝の起床時間はあまり変わらない。
6時前後に目覚め、朝の支度をする。
白石に移住してまず好きだと感じたのは朝のゴミ捨ての時間だった。
外に出ると澄んだ空気に思わず深呼吸をしたくなる。空は広く、鳥のさえずりを聴きながらゴミ捨て場まで向かう。ただの家事がこんな贅沢時間に変わるとは思ってもみなかった。住むエリアにもよるとは思うけど、白石の人はこれが当たり前なのかと思ったら、本当に贅沢だなと感じる。
都市部の窮屈で無機質な街中、空気は重く、朝早くから通勤のための渋滞が始まり、多くの人がバタバタと忙しなく横切っていく。
あの頃は何を感じていたのか…きっと何も感じてはいなかった。ただ時間が過ぎていた。
通勤通学時間帯はというと。
都市部でサザエさんに描かれているようなギュウギュウ詰めの息苦しい満員電車も経験済みの私にとって、地方での電車移動は何の問題もなかった。たとえそれが1時間に2本しか走っていない電車でも、あの息苦しい満員電車に比べたら大したことは無い。電車に乗っているとき、窓から外を眺めても特に心が落ち着くことは無いし、窓の景色にテンションを上げる瞬間があったとしてもそれらはディズニーの世界が見えてきたとかそういう観光・娯楽スポットに向かった時くらい。
白石に移住した今、車窓から見える桜並木に田舎らしい田園風景や緑豊かな木々、そんな自然から得られる何とも言えない落ち着く景色に自然と大きく息を吸い込む。
以前の私は仕事終わりによく寄り道をして、買い物や外食を楽しんでいた。
今は家までの帰り道、聞こえてくる虫の音や開放的な空を楽しんでいる。
以前は新しいキラキラした魅力的なモノが、意識しなくても目に入りワクワクしていた。
今はキラキラ・ワクワクするモノを時間をかけて自分から探しに行く。
以前は誰かが作り上げた人工的な世界の中にいた。
今は自然が作る変わらない景色が存在する世界の中にいる。
白石に暮らす人たちは、自分たちの意思で伝統や文化を守るために行動して、自分たちの力で街を作っている。
そんな今の環境が私はなぜかたまらなく好き。
筆者:sari-