【UCA南西部、ギャング組織のアジト:アズール、アウェアネス】ア・モーメント・オブ・ニンジャ・ライフ

『ア・モーメント・オブ・ニンジャ・ライフ』。ニンジャの生活のワンシーンを切り取った短編です。

BLAMN !!!

「アバーッ!」

 銃声と断末魔。スモトリめいた屈強な構成員の額が割れ砕け、鮮血と脳漿が迸る。崩れ落ちる死体と発砲者たる少女とを交互に見やり、アウェアネスは嘆息した。

「ワザマエ。しかしまぁ、そのナリでよくやるもんだ。そんな物騒なモノを軽々と……」

 小柄な少女の手に握られた40口径のリボルバーに視線を移す。少女が持つには不釣り合いで冗談めいているが、間違いなく実銃だ。その細腕でマグナム弾の反動に耐えられるのだろうか?……問題ない。なぜなら彼女はニンジャであるからだ。

 彼女の……少女ニンジャ、アズールの空色の瞳がアウェアネスに向けられる。やや間を空けて、彼女は口を開いた。

「……軽いよ」

 静かに言葉が紡がれる。

「ン?あぁ……まぁニンジャだからな、そりゃ軽いだろうよ」

 アウェアネスはそう返答してから前へ進もうと足を踏み出し……ふとアズールの表情を見た。彼女は手に握る40マグナムリボルバー を見ていながら、しかしその眼はどこか遠くを見るようであった。アウェアネスは少女の方へ振り返って言った。

「待て、ゼン・モンドーだったか?スマン、つまらん返しをしてしまった」

 アウェアネスの言葉にアズールはかぶりを振り、返事をする。

「気にしないで。こっちの話だから」

「そうかい。ま、生きてりゃ色々あるか」

 それ以上踏み込むような言葉をかけることはなく、アウェアネスはサイバネアイ・スキャニングと感知能力とを用いて索敵を行いながら歩き出した。アズールもそれに続いた。

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