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やっぱり僕は、特別だったのかもしれない。

自分が特別な能力を持っているとか、特別なものを持っているという話ではない。無方庵 綿貫広介先生に特別にしてもらったんだと思う。
だから前回noteに「やっぱり僕は、変なのかもしれない」と書いたように変になったんだと思う。

慶物無方(おうぶつむほう)
物に応じで方 無し 形にとらわれない 水は方円に従う 水は入れ物によって形を変える。 融通無碍 行動や考え方がとらわれないで自由・・・

先生はそのような考え方だ。だから慶物無方から無方庵を号にされている。

1周忌を迎えて先生を慕う人たちは色々な形で先生を偲んでいると思う。
定期的に花を供える人。節目節目に訪れる人。先生は無宗教だったけど満中陰や1周忌だと集う人・・・・

僕にはいつも傍にいるように思う。車をちょっと走らせたら先生に会える。親父に会えると思っている。用事があれば先生から連絡が来るし、親父からも連絡が入る・・・そんな感じでいる。
そして「僕の心の中にいつもいるのだと思っている。」という話を昨日した。

多くの人も心の中にいるのだろうけど、形や行動に移さないと自分自身が納得しないのかもしれない。困った人はそれを押し付ける人もいる。まあそういう人もいると思えば別にどうでもよい。

しかし困った時に親はいないし、先生はいない。
そして今、先生が生きていたら名称を考えてもらおうという事が起こった。
一般的に通じる名称を探すのは簡単だが、今まで先生が付けていた流れに沿った名称を付けたい。

具体的にいうと、特別な貸切風呂「偲豊庵」に温泉の露天風呂を併設した。
貸切性なので、今まで18時から24時までで、1日6組のお客様しか利用できなかった。夕刻からの景色が良かったのだ。
でもチェックインの15時からにすれば実質8組ぐらいは利用できるのではないかと考えた。でもすべてのお客様が利用できるわけではない。

そこでホテルのクラブフロアーの様に通常よりも高い宿泊代金で特別なサービスを提供しようと考えた。いわゆる「エグゼクティブプラン」だ。

先生が今までつけてくれていた御所坊風の名称はどうしたらよいのだろうか?
色々ネットで検索してみた。貴賓、接待、等々

貴賓や特別という言葉から行き着いたのが、やっぱり“御所”だ。

先生が良く“御所”をつけるので、僕は何となく自分所の屋号をなんでもかんでもに“御所”とつけるのはもう一つだったが、改めて調べて意味を考えると、やっぱり御所をつけざるを得ない。

御所=エグゼクティブとするならば、プランをどういうかなとさらに調べていった。そして“接遇”にたどり着いた。要するにおもてなし、プランだと思う。実際先生に頼めば、先生の語意力は豊富なので、もっと違う言い方をするかな?

あ!これを書いていて浮かんだ“饗応”という言葉がある。
「日本においては原義から①の意味が生じ、また、「相手を喜ばせる」という部分に重点が移った結果、②の意味が派生し、それに伴って「響」が「饗」と書かれるようになった。「」は現代表記における代用字。」

御所接遇 御所饗応・・・・後者だな

ここまで先生に考えていうと、御所は50点満点。接遇だと25点。饗応だと35点。合わせて85点の点数はもらえるのではないかと思う。

先生は色々な人に対して一様ではない対応をしていたと思う。

僕は先生のモノの作り方を教えてもらったのではないかな?

拓本の作り方、油絵の描き方、線画の書き方、陶器、ガラス、漢詩などの作り方を教えてもらった。といっても僕が作れるわけではないが、前述のように名称を考える思考や辞書の使い方を教えてもらったんだと思う。

それはたぶん、僕だけに特別だったんだと思う。

だから困った時があるたびに先生を思い出すだろうと思う。そしておかげで少し無方庵流のものが作れるかもしれない。(笑)


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