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恋愛弱者な私へ向けた備忘録①本当のやさしさとは何か

「やさしいね」ってすぐに言ってしまう。

物を持ってくれたり、体調を心配してくれたりすると、「やさしい!いい人!」となるのが私のくせだ。

先日、カウンセリングで以前付き合っていた人の話をした。

「こんなにやさしい人と上手くいかなかったら、私は誰とも上手くいかないと思った」と言ったら、「あなたは何を見て”やさしい”と感じたのですか?」と問われた。

私は、彼の何を見て、やさしいと思ったのか。

その問いに「なんでも『いいよ』と言ってくれるところ」と答えたら、「それはやさしさじゃない」と言われた。


やさしいって、怖い言葉だと思う。

私は、なんでも「いいよ」と言ってくれるところをやさしさだと思っていた半面、その言葉にとても違和感を感じていた。

彼は、本当に「いいよ」と思っているのだろうか?

気になって彼に聞いてみても、「本当に大丈夫だからいいよと言ってるんだよ」と返ってくるだけだった。

その時は、本当にそうだったのかもしれない。

だから、私も「やさしいね、ありがとう」と答えていた。


でも、その違和感は現実だった。

いろいろあって別れ話をしたときに「あの時、本当は嫌だと思っていた」と言われた。

私が「やさしいね」って言うから、嫌われたくなくて「いいよ」と言っていた、ということだった。

私が「やさしいね」って言うことで、彼は思ったことが言えなかったのかもしれない、と思った。


やさしい、は怖い。

「やさしい」という言葉で包むことによって、事の本質が見えなくなってしまう。

なんでも「いいよ」と言うことなんて、本当はやさしさなんかじゃない。

「嫌われたくないから」というのだって、自分本位の考えだ。私を想ってのやさしさじゃない。

でも、「やさしい」という言葉によって、本当の部分がかき消されてしまった。

私が思った違和感も、「やさしい」と思うことで押しつぶしてしまった。

そして、彼にも嫌と言わないことが「やさしさ」なんだと思わせてしまった。


カウンセリングでは、”やさしい人”とは相手を思いやりつつも、自分も大事する人のことだと言われた。

彼は私のことは想ってくれていたかもしれないが、自分を大事にはしていなかった。

片方だけの思いやりでは、いつか暴発してしまう。

私も彼も、暴発してしまった。



私はすぐに「やさしい!ありがとう!」と言ってしまうけれど、本当のやさしさってどういうことか、考えてから発言しようと思った。

やさしい、は怖い。

言葉って、怖い。

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