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第14回:オーディションとスタッフ集め

3DCGモデル制作と並行して、VTuberキャストのオーディションも進行していったのが2022年の5月から6月ごろ。公表しているとおり、shiroANプロジェクトではVSingerとしての歌唱キャストとVTuberとしてのアクターキャストをそれぞれ起用している。

内輪では「マクロスF」方式と言っていたのだが、いわゆる中の人論争についてはここでは触れない。とはいえ、VTuberに関する考え方は多様ではあるものの、公表して活動することの是非については業界の方にそれとなく聞いてみたりもした。

全員からまったく問題はないだろうという返答が返ってきたのは少々意外だったが、視聴者側の認識と運営側の認識の違いではあるのだろう。

あくまでshiroANプロジェクトとしては、キャストを公表する形で運営をすることは早期から決まっており、VTuber活動を本格的にするならそのキャストを選ぼうという運びだ。VTuberキャストを選定する上で、声優事務所に平子さんと自分たちで手分けして当たっていき、オーディションテープを集めていく。

こういうとき、迷いに迷うこともあれば直感的にこの人だと自分の中でほぼほぼ決まることもあるのだが、shiroANプロジェクトに関しては後者だった。テープを聞いた段階で、西山さんの声質はイメージ通り。映画好きという個性も活かせる。この連載のはじめの方にも書いたのだが、直感というものだ。

白々しく「西山さんがいいと思うんですがどうですかね?」というような探りは入れつつも、最終的には何人かの候補の中から平子さん、ときちさん、chocckさんと自分の総意で西山さんを起用することになった。

モーションキャプチャースタジオでの収録を定期的におこなっていくにあたり、ほかの案件でも使っていたスタジオに打診して3DCGモデルの組み込みチェックにかける。モーションキャプチャー撮影に使えるようにデータをセットアップしてもらい、動きに問題がないか確認をする作業だ。

実際にスタジオに組み込んでモーションキャプチャーテストをしてみると、思ってもいない貫通や不都合が多少は起きるものだが、shiroANのモデルは大きな調整の必要がなく9月には組み込みも完了。

同時にモーションキャプチャー収録に必要なスタッフも集めていくことになる。はじめのうちは自分とchocckさんで全部やってしまおうと思っていたのだが、chocckさんが体調を崩してしまい1からスタッフィングを見直すことに。

ほかの案件で一緒に仕事をしていたメンバーがタイミング良くスライドできる状況だったので、そのまま起用する方向で予算組みなどを調整。10月から本格的なモーションキャプチャー撮影がスタートしてくのだった。

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