第27回:はじめてのコミケ出展の苦難と確信
何事もはじめてのものに挑戦することは大事なことなのだが、挑戦の過程ではさまざまな困難と向き合うことになる。
コミケに参加したことやほかのイベントへの出展経験はあったものの、コミケの企業ブースを出展する運営的な手配は、過去の事例などを参照に探り探り行なっていく。コスプレ衣装の制作もはじめての経験だったのだが、衣装スタジオのおしゃれなベテランデザイナーの方と打ち合わせを経て形作られていく。
それはそれで新鮮な楽しさはあるのだが、会期が近づくにつれてグッズのデザイン作業や入稿作業といった実作業が重なり始める。PhotoshopやIllustratorとにらめっこをしながら、ブースに必要な備品の手配などを平子さんと分担して進めていく。そういうときはトラブルやスケジュールの遅れも当然のように発生する。
アテにしていたCDプレス業者のスケジュールに合わせて進行していたが、HPに掲載されている制作期間からコロナ禍で変わっているということを入稿直前に知って慌てて別の会社を探すなど、ピーク時はshiroANの撮影時にも対応作業をしていた。
ギリギリのスケジュールで対応可能な業者を平子さんツテで紹介してもらったり、必要なデータを別のスタッフに手配してもらったりなど協力体制を築いて乗り越えいったのだが、改めて仕事は抱え込みすぎない方がいいという実感を得た。
shiroANのグッズやポストカード、ブースに貼り付ける横断幕などのデザイン・入稿をなんとか終えて、飲むあんことともに平子さんの車で前日搬入を済ませる。その前日にはお品書きのデザインを行い、前日搬入の帰りに印刷をしてやっと準備は終了した。
コミケの準備期間とかさなった2023年6月から8月中旬までの間は、YouTubeチャンネルの視聴数や登録者数も伸び悩む。そんな中で、夏コミに出展してどのような結果になるのか。不安がなかったといえば嘘にはなるが、飲むあんこという商品のポテンシャルと冬コミで自分が直感したニーズは間違いなくあるという確信を持っていた。
あとはshiroANちゃんという存在がどこまで受け入れられるのか。多くはないリソースの中で、できる限りの準備はした。あとは当日になってみないとわからない。
期待と不安が入り混じった気持ちはありながら、当時は早朝から稼働することになるため早めに床についたのだった。