
個人的な科学読み物の方針
ビールを理解する上で、化学や生物に関する知見は絶対に必要です。理系で元々科学的な素養ある方は全く問題ないと思うのですが、私のような文系出身の人間には結構難しかったりします。論文や書籍も含めていろんな読み物を読んだり、セミナーを受けたりして、「ちんぷんかんで困った!」という経験は一度や二度ではありません。
そんな経緯から、専門書や論文の手前で一般の人と専門家の架け橋的な読み物があったらいいなあと個人的に思っていて、それが私の書くビールの科学読み物の方針になっています。
参考にしたのはCOTEN RADIOなどのよく聞くPodcastです。この投稿の最後にまとめて紹介します。
方針
専門用語はむしろなるべく使う
「専門用語のオンパレードだから専門書は分かりにくい」というのはある意味真実ですが、例え話ばかりで専門用語が出てこないと正確な知識が伝わらず、そこから先に進めなくなってしまいます。私の科学読み物はむしろ専門用語を積極的に登場させて、読者の皆さんが深掘りしたいと思ったらその用語を取っ掛かりにして、もっと正確で深い知識を手に入れてもらえるようにしてます。用語が分かればググったりなんだりで、いくらでも調べられますから。
数式はなるべく使わない
専門用語は必要なんですが、数式は少なくしたいと思っています。数式が多いと読み物として成立しづらいかなと思いますし、最初の一歩として俯瞰してざっくりと理解したりする際には数式は必要最小限が望ましいのではないかと思っています。
とはいえ全く数式なしだと説明できないので、必要なものは載せていますが。
表や図解を工夫する、表や図解をなるべく使う
数式や例え話が少ないと理解しづらいというデメリットはあると思います。それを補う意味で多用しているのが図解です。これはPodcastではできない工夫ではありますが。
「ざっくり」でいいじゃん
正確に書こうとすると細部を盛り込みすぎて、分かりづらい文章になってしまいます。科学読み物としてはキュレーション的な位置づけで、読者が興味を持つきっかけになれば良いので、ざっくりで良いんだと思っています。このあたりの塩梅は「生物をざっくり紹介するラジオ(ぶつざく)」から学びました。自分が分からないことは読者に委ねてしまえば良いじゃないかと。
背景知識となるものを幅広く紹介する
「COTEN RADIO」や「ラジオただいま発酵中」では、1テーマで数話〜10話以上を費やして説明しますが、本題に入る前に相当量を背景情報に費やしています。鎌倉幕府のテーマなのに、頼朝が出てくるのはシリーズの後半からとか。この背景知識というのが、本題に入る時に違いを生み出してきます。
1話を短く、連載シリーズ風にして書く
「ビールと水」などの一つのテーマを1投稿にまとめるのは無理だし、長い文章は読む方もうんざりしますよね。人気のPodcastも1話の分量を20-40分程度としていることが多いようです。ブログ形式だと2,000-3,000字が適切なのかなと考え、それを目安にしています。
出典については、必要なときだけ
私は文系ですが一応大学院を出ているので論文の作法を習っていまして、その癖で文章を書く時はやたらと出典を明示する傾向がありました。ただ科学読み物としてはいちいち出典があるとサクサクと読み進める感覚が阻害されるので、最小限にしています。教科書に載っているような確立された科学知識に関しては出典はつけてません。
人気Podcast紹介
どれもすごく面白いです。ブログと違ってPodcastの場合は、対話形式で進められることが多く、それが分かりやすさを増幅しているように思います。
お知らせ
定番ラベル刷新のお知らせです。Democratizing Beerという弊社のミッションをラベルに入れ込んでみました。そしてIPAをビビットなピンクにしたのも大きな変更点です。
