当事者だから考えてしまった
「越境ワーキング」、こんな言葉があるのか。
アメリカを拠点に集めた情報を日本へ送っている私の事ではないか。
zoomが普及してからは日本のオンラインクラスも取っていて、
ますます越境度が上がっているのだ。
世界中から人が集まるシリコンバレーは
エンジニアの6割が外国人と言われており、元々ローカルな人は少ない
”越境ワーカーの宝庫”である。
私の様に情報収集が目的で滞在する人や
優秀な人材を集めるのが目的な人がいる。
自国に企業を立ち上げていたり、出身国の重役を務めていたり、
学校経営や不動産管理をしているという話も耳にする。
日本人も例外でなく、周囲には日米を往復する人たちが沢山いる。
毎月1〜2回、数ヶ月に1回、日米半々などとペースは様々だが
家族持ちのお父さんも多い。
これが羨ましくも聞こえるが、年を重ねると体力的に結構キツイらしい。
国際間の移動が難しい現在は
越境で働かざるを得ない人たちも増えているのだろうな。
時差がある中、オンライン授業をしている学生も多い。
私の働く気象業界は24時間業務である。
現場ではナイトシフトのできる人材が不足するが、
こちらからなら昼間に片付けられる。
テレホンセンターやモニターを見るガードマンの仕事なども
海外からできる。
アメリカではカスタマーセンターに電話すると
インドにかかったりメキシコに繋がったりするのはよくある話だ。
常日頃からこちらで生活する人間、
特に仕事をしていない主婦の知識を生かせないものかと感じている。
彼女達は当然バイリンガル以上。
英会話は1〜2年生と10年生以上では大きな差がある。
何よりもの強みは、文化背景を理解している事だ。
例えばIOCがオリンピックで選手達にWaiverを求めるニュースを聞いた時、アメリカなら誕生日パーティーで子供をすべり台で遊ばせる時ですら
サインする書類だからあまり驚かない。
でも日本にいたら訴訟を放棄させるとは何事だという感情が湧く、
どちらの反応も理解できる。
日本では洗面所に「紙一枚で手が拭けます」
「あとの人のために使った後は水をぬぐいましょう」などと書いてある。
これをアメリカ人が見たらどう思うか、彼女達なら想像がつく。
もちろん、テレビ会議なら通訳だってできるだろうし
こちらのビジネスアタイアは
”チェックの長袖シャツとTシャツだ”などの意見もできる事であろう。
少し、日経COMEMOの質問に答えなくてはならないのかな?
今後越境ワークは増えると思っています。希望です。
制度やキャリア形成に関して自分はあまり語れる立場ではないのだが
非常時の対応をよく話し合っておく必要があるだろう。
カリフォルニアは最低賃金が15ドル、都市によっては更に高い。
賃金格差をどう埋めていくかなど課題は山積みだろうけど
越境ワークは他国でも実現されている。
これから業務の国境も低くなるといいと思う。
きのうまではA国でマネージャーをしていた人が
B国で働くようになっても
キャリアを考慮してくれるように企業は努力するべきだし、
当人も成し遂げてきた事を強く主張するべきだと思う。
これから越境ワーキングというスタイルに注目が集まって、
もっと国境を超えたやり取りが増えるといい。
多くの人が始めたら、それだけ多くの解決法も見つかるはず。