岡林勇希選手の内野転向における疑問点と気になる点
こんにちは。
突然ですが、自分は普段noteは滅多に書かないのです。なぜなら個人的に文字にして伝えることが苦手だと感じているのもありますが、口で話した方が全然早いなと思いますし、noteや課題もなども一気に書ききりたい、一気に終わらせたいという思いもあります。ですがなかなか時間もなかったりすることが多く、途中で頓挫したり、最初から書かなかったりすることがほとんどでした。今回はちょうど夏休みに入るタイミングで時間もあったため書いてみようと思います。
今回のテーマは「岡林勇希選手の内野転向」についてです。
7月29日の中日スポーツの記事(https://www.chunichi.co.jp/article/516757)において、立浪監督が岡林勇希選手についてこのようなコメントをしました。
岡林選手の今オフからの内野挑戦について明言しましたが、岡林選手が内野に挑戦するにあたっての疑問点が複数浮かんだため、ここに記しておきたいと思います。
余談ですが、「疑問点」というと最初から否定する前提のように見えてしまいがちですね。何から何まで否定するつもりはさらさらないですが、単純に気になったので「疑問点」ということにしておきました。
1. そもそもどこを守るのか?
これに関しては「今年の春季キャンプで練習したこと」、「今でも二塁の練習を試合前などに行っていること」などから、内野手として起用する際は二塁を守ることと思われます。
↑7月23日の全体練習より
ここから先は岡林選手が内野に転向した際は二塁を守るという前提で進めていきます。
2. 転向は一時的なのか?
先ほどのコメントに、「良い内野手になれる可能性を秘めている。」とありました。
大島選手が引退するまでの期間、内野で起用するのであればこれ以降に浮かぶ疑問もいくつか解消される部分もありますが、「良い内野手」という言葉が少し引っかかってしまう部分もありました。(思い込みかもしれませんが) 二塁の若手有望株が現在いないことを考慮すると、完全に転向という可能性もあるのでしょうか。完全に転向するとなると、編成など多くの面で心配事が生まれますが、それらについてもこの先で触れていくつもりで
す。
3. "大島洋平の後継者"問題
今回の件では主にこのことが一番フィーチャーされているような気がしますが、ドラゴンズの安打製造機こと大島洋平選手の後継についてです。
大島選手は2010年にドラゴンズに入団し、2012年から10年連続規定打席到達、2度の最多安打など、不動のレギュラーとしてドラゴンズを引っ張ってきましたが、大島選手も11月で37歳を迎えます。既に中堅の守備では衰えが顕著に出ており、年齢を感じる部分はありますが、巧みなバットコントロールと走塁は今も高いレベルにあることは試合を観ていれば分かると思います。
大島選手の後継についてはなかなか台頭する若手外野手もおらず、不安の声も多くありましたがそれを払拭したのが岡林選手でした。
昨年終盤1軍に昇格した際、少ない試合数ながら2度の猛打賞を記録するなど、翌年のレギュラー定着への期待が高まりましたが、岡林選手は見事その期待に応えここまで89試合のうち88試合(チーム最多)に出場、うち79試合はフル出場(チーム最多)で、打率 .280、93安打(チーム最多)を放つ活躍を見せています。また主に右翼での起用が多いですが、大島選手が死球で離脱した際には中堅も無難にこなし、守備力の高さも見せています。
岡林選手の2022年ここまでの活躍についてはもっと書けますがみなさんご存知だと思うので、本題に入ります。
「岡林勇希こそ大島洋平の後継者」と思っていたファンの方も多いと思います。
先ほども述べたように、この転向が仮に永久的に続くものであった場合、果たして大島選手が引退した後、誰が中堅を守るのでしょうか。
まず名前が挙がるのはドラフト1位ルーキーのブライト健太選手です。
ドラフト1位ということで実際に期待値も高いですが、1年目はここまで負傷がちでなかなか試合に出場することができていません。言ってしまえば"不確定要素"の状態で、数年後大島選手が引退した後すぐに中堅で結果を出せるかと言われたらまだ確証は持てません。同様に三好選手や滝野要も中堅を守ることはありますが、数年後すぐに岡林選手以上の成績を出せるかと言われたら疑問符はつきます。
個人的に不確定要素を戦力と見なして計算するのはリスキーだと考えているので、すでに岡林選手の後ろから有望株がすぐ後ろまで迫っている状態でない限りは岡林選手に代わる"大島洋平の後継者"の第一候補はいないのかなと思います。
続いて、なぜ立浪監督は岡林選手を内野で起用しようとするのか。それについてはコメントの中で
とのことです。
そこで生まれる疑問としては、
4. 岡林勇希に長打はないのか
です。
長打について、2022年のドラゴンズの長打率を例に見ると、
となっています。
たしかに岡林選手の長打率は高いわけではないですが、同じホットコーナーのポジションで多く出場していた高橋周平選手よりは高い数字が出ています。
岡林選手はまだ高卒3年目ですし、前半戦では強い打球を飛ばして三塁打にできるケースもありました。岡林選手には強い打球を飛ばし、脚を活かして長打を稼ぐセンスもあると思っているのですが…
続いて先ほどのコメントから浮かぶ疑問点は、
5. 転向先のポジション被り
です。
今シーズン多く二塁を守っているのは主に阿部選手ですが、今回は阿部選手だけでなく高橋周平選手も関わってくる事案になります。
高橋周平選手は、三塁を石川昂弥選手に譲り、二塁で出場する予定でしたが開幕直前に負傷。代わりに二塁に入った阿部選手が大活躍を見せたことにより、遊撃に入ることもありました。結果的には石川昂弥選手の負傷により三塁に入り、自分も負傷しましたが、主に二塁と三塁が出場ポジションです。石川昂弥選手も来年夏には復帰するとのことですが、三塁が出場ポジションになります。となると岡林選手が二塁に来た場合、阿部,石川昂,高橋周,岡林の4人が2つのポジションに集まることになります。阿部選手が左翼のオプションを持っていることなどを考えると、柔軟な起用を行えばまだこの件についてはカバーできますが、この転向後のポジションについてどのように監督が考えているかは気になります。
6. ドラフト会議での指名
続いては二塁の若手有望株が現状いないということについてです。
少なくとも岡林選手の二塁挑戦に関しては、「二塁の若手有望株、将来のレギュラー候補がいない」ことも少なからず影響していると感じました。
そもそも根本的に二遊間の選手がドラゴンズは不足気味なため、わざわざ外野,中堅を守れるレギュラー格の選手を二遊間に動かすよりも、ドラフトで新たに二遊間の選手を獲得する方が良いのではないかと感じました。
ドラフトでの獲得であれば阿部選手が一線で戦えている間はファームで育成し、阿部選手が衰えたタイミングで高橋周平選手との併用からでも1軍での出場も見込めますし、なんならレギュラーを奪取することも考えられます。
自分はアマ野球やドラフトについて深く追っているわけではないのでもし今年の二遊間の選手がいわゆる"不作"の状態ならば仕方ない部分は多少あると思いますが、ぜひ有望な二遊間の選手がいれば獲得するのも一つありなのではないでしょうか。
7. 岡林勇希の野球センス
一方で、監督が岡林選手の可能性をどれだけ信じているのか、疑問というよりある意味気になります。実際荒木内野守備走塁コーチは岡林選手の二塁守備についても評価している部分はあるので、これまで見せてきた岡林選手の野球センスの部分に賭けているようなところは感じます。外野手・岡林勇希と内野手・岡林勇希、どちらが成功するのか、良い選手になるのか、きっと長い時間をかけて考えた結果あのようなコメントを出したのでしょう。
さいごに
今回は岡林選手の内野転向について考えましたが、個人的には今回ファンの中で意見が割れているのは、チームを「長期的に見ている」か「短期的に見ている」かによって分かれているように感じました。自分は今回の件は岡林選手の外野手としての将来を長期的に見ていたので自然と反対の考えになっているのではないかなと思います。
さて、これまで立浪政権になってからはいわゆる「その場しのぎ」であったり、「思いつきで行動してるんじゃないの?」と思われても仕方ない動きが目立つところがありましたが、今回のこの転向は思いつきどころでは済まされない、選手の将来、またチームの将来にとっても非常に重要な一件だと思います。監督、選手、コーチが"しっかり"、"話し合って"、編成も考えながら時間をかけて答えを出してくれることを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。