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令和にして「たま」にはまる

 令和にして、46歳にして、「たま」にはまりました。

 あの「さよなら人類」で一世を風靡した、たまです。

■「さよなら人類」の再発見

 きっかけは、どこかの店で飲んでいるときに、さよなら人類が流れてきたことでした。懐かしいなぁと思って意識的に聴いていると、こんなに良い曲だったっけ?    と心を奪われる有様。

 その後、YouTubeでたまを聴いていると、さよなら人類だけでなく、好みの曲が次々と見つかり、すっかり魅了された次第です。

 取り急ぎベストアルバムの「まちあわせ」を購入。iPod(今時)に入れて聴いています。

■アンサンブル、コーラス

 何がすごいって、まず演奏の技術が凄い。

 私は音楽の素人で、楽器は何もできません。それでも、たまの演奏技術の高さはわかります。一人ひとりは当然上手いんだけど、なんですかあのアンサンブルの素敵さは。

 次に、コーラスやセリフが凄い。セリフ(というか叫び声)では、パーカッションの石川さんの「ついたー!」があまりにも有名ですね。コーラスについては知久さんが大好き。あの独特の高い声で乗せてくるのが快感です。

 不穏な歌詞と、それにそぐわない明るい曲調が好き。歌詞については、いくつか例示します。

■歌詞の例示

「ギロチンにかけられた  人魚の首から上だけが
人間だか人魚だかわからなくなっちゃって
知床の海に身を投げた月の夜だよ」(方向音痴)

「まっくろい部屋に鍵かけて  
ぼくはひとりでないてるよ
何にもできなくなっちゃった  
何にも見えなくなっちゃった」(かなしいずぼん)

「化石の取れそうな場所で  星空がきれいで
ぼくは君の首をそっとしめたくなる」(星を食べる)

「月の市場で売られてる
あの娘の筋肉素敵だぜ
セリにかければ高値をよぶぜ
あの娘の筋肉素敵だぜ」(満月小唄)

「君の骨でマリンバ  僕は叩きたい」(マリンバ)

「おっきな都会のまん中の高層ビルの下
自殺者の身体は朝露にぬれるよ」(おやすみいのしし)

「ぼくたち栄養が足りないのです
半分消えかかった身体で  
ななめけんすいしているよ」(らんちう)

■明るくコミカルに不穏

 こうした不穏な歌詞につける曲も大好きです。

 暗ーい曲もありますが、歌詞とは真逆とも言えるような明るい曲が多く、時には子供向け音楽のようにすら思えるコミカルな曲調で、歌声で、仕上げています。いやコミカルっていうか、奇想天外というか、奇天烈というか…。そのアンバランスなバランスに狂気を感じます。狂ってんなと思う。もちろん、演奏は超技巧派なわけです。

 次はどのアルバムを買おうかな、と考えているところ。たまの迷宮をもうしばらく、さまよいます。(了)

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