「デカい非合理の塊としてのローラーコースター」2022年10月10日
霧(きり)だ!びっくりした!
マジで100メートル先もロクに見えない状況だった。ぼやけているのに、街灯や信号の光だけがハッキリ見えている。
不思議な視界だった。車や自転車のライトが、レーザーの様に真っ直ぐ伸びているのも良い。
昨日の日記を通して、私の中で「芸術≒亡霊」である、ということに気付いた。
それは、前回記述した某芸術人類学者の授業のみに留まらず、私がこれまで制作してきた様々な作品を根拠としている。今回はそのことについて、少しだけ振り返ってみる。
美術科高校に在籍していた三年間、私は「自分が何者なのか」について考えることを主としていた。自由制作の機会が与えられた時、私は「過去の自分を可視化する」というテーマのもと、作品を制作していた。
そんなことをしていたら、卒業制作に。
私は三年間の集大成を、この一枚の画面に描いてやるぜと意気込んでいた。
無理だった。
体感6年の高校時代、それを一枚の画面に現すのは不可能だった。
私は、そんな自分の不甲斐なさに落ち込んだ、受験へのプレッシャーなどが拍車をかけ、さらに落ち込んだ。
しかし、何かを作らなければならなかった。私はとにかく、回らない頭を使って考えた。
喜怒哀楽、様々な感情を抱き、表出させてきた三年間。それでも、結局その中で勝った感情は「哀」だった。
というのも、初回のフラれた云々の話にも繋がるが、哀しみという感情だけは、直接的に表出させる機会が極端に少なかった。
12枚の、悲しい顔をしている女の子の絵。
絵具を用いたカラフルな絵画が並ぶ中にある、胡粉と墨だけを用いて描かれたモノクロの絵画、それはさながら遺影のようだった。
そのように捉えると、本作はそんな過去の自分の「墓」なのでは無いだろうか。だからといって、都美館に墓建てるなよ。
以上が、《私記》についてである。
これ以外にも紹介したい作品は多くある、これからは不定期に「亡霊」をテーマとして私の作品考察を行う「私が建てたお墓」シリーズを書いていこうかな。
ローラーコースターが好きだ。
白鯨にも、スチールドラゴン2000にも、バンデットにも乗ったこと無いが、私はローラーコースターが好きである。
乗るのが好き、見るのも好き。どっちも好きだが、どちらかと言えば、乗る方が好きなのかもしれない。
細く、高く積み上げられた鉄塔の上に、命綱無しで昇る。それどころか、そこから勢いよく落下する。それどころか、その落下の運動エネルギーを利用して、回転したり(垂直ループ、コークスクリュー)、上下にグワングワン揺れたりする(キャメルバック)。
狂っている、だがそれがいい。安全も99.9%保証されている。
また、私はローラーコースターを見るのも好きだ。
耐久性の確保の為、通常は真っ直ぐの状態で用いられる鉄骨。それをあえてグニャグニャに曲げて、メチャクチャなレールを作る。そのメチャクチャなレールを、これまた鉄骨を用いてわざわざ高い所にまで持ち上げて、そこにちっこい車両を走らせる。
頭がおかしくなった鉄道会社の新規路線か?違う。
とにかく、私はそのような、人間に眩暈をもたらす為の、メチャクチャデカい非合理性の塊みたいなオブジェクトとしてのローラーコースターに強く興味が引かれる。
2019年に開業した、今世界中で話題の業務用電動遊具メーカー「RMC」製の、ローラーコースター「白鯨」。
コースターマニアの間ではこのコースターが日本で一番面白いとされている。
というのも、日本におけるRMC製のコースターがこの一機のみである為だ。
乗ったこと無いから何も言えない……夏に名古屋へ行った際、ついでにナガシマに行って乗ってこようかな、とも思ったが行けなかった。
としまえんの名作「サイクロン」、これは乗ったことある。園内の様子からは想像できないコースレイアウトに驚いた記憶がある。
日本にもローラーコースターなどの業務用電機遊具を製作するメーカーがあった。それは先のサイクロンも手掛けた「トーゴ」である。
東京ディズニーリゾートはもちろん、ナガシマや富士急、そして豊島園や西武園ゆうえんちまで、日本の遊園地として挙げられるほぼ全ての場所(USJは除く)にアトラクションを提供してきた。
しかし現在、トーゴ製遊具の多くは営業終了になっているどころか、株式会社トーゴそのものも、2004年に倒産してしまった。
考えてみれば、わからなくもない。ローラーコースターで言えば、それはレールと車両との激しい接触により劣化しやすいのは勿論、その僅かな劣化が乗客の命を左右する。その僅かな劣化を見つける為のメンテナンスが必要だが、複雑な造形からそれがしにくい。
「レジャーといえば遊園地」
高度経済成長期、日本の各地に遊園地が乱立した。
それはローラーコースターなど、電機遊具が金を産み出しまくるドル箱であった為だ。面倒でコストのかかる運用も、その利益を考えれば痛くも痒くも無い。
しかし、娯楽の多様化、ユロメウィノレスの観戦拡大(あえての誤字)などと、現在進行形で変化しつつある社会情勢の中で、遊園地という存在そのものが危うい状況にある。
事実、トーゴが倒産したように。全国、特に地方の遊園地の多くが、廃園に追い込まれているように。
しかし、それでも私はローラーコースターが好きだ。メチャクチャデカい非合理の塊が好きだ。風を切って眩暈がもたらされるのが好きだ。
頑張れ!ローラーコースター!
ただ、私は実際に遊園地へ行くと、3時間ほどで「あ〜、もういいか」となる。
また明日。