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33歳の育休08∣幼児教育は欲張りすぎないのがいい

 2024年の春に娘を出産しました。保育所の利用申請のために児童館でママさんたちと情報交換をしていると、みなさん教育内容にはかなり関心があるご様子。早期教育をとりいれているような園が評価高め。情報サイトのクチコミを見てもそう。でも、教育学を齧ったものとしては「ちょっとちがうんだよなぁ」と思ってしまう。

 まず、幼児のうちは「遊びが学び」だ。遊んでいるようで学んでいる。そして、納得いくまで遊びこむことで気持ちが育っていく。でも、早期教育的な内容をやっている園は「学びが遊び」になっている。
 子どもが「勉強楽しい!」と思えばそれでいいんだけど、ほんとにそれやりたくてやってるのかな?その時間が来たからそれをやるっていう受動的な状態になっていないだろうか。
 受動的に刺激を受けているだけだと主体性が育たないというのは想像通り。

 そもそも、やってる側も「一斉教育」の方が楽なんだよ。先生の声で集団をまとめて、並んで静かにすることを身に着けさせ、ルーティンをつくり、みんなで同じ様にその日の課題をやる。これ、最初は大変だけど、教師も子どもも慣れれば楽。先生が変わってもルーティンがあれば成立する。習い事はそれでいいと思う。ルーティン化して効率よく学んで技術を高めることが目的だから。
 一方で、自由保育は難易度が高い。その日、その時の子どもをよく見ないとその子が何を考えていてどうしたいのかがわからない。わかったところで、いい保育ができるかもわからない。見る力と導く力は別物だ。
 ほんとうに力のある先生は自由保育でもうまく集団形成できている。こういった先生のクラスでは、子どもが一つの場所に集まってお話するのは30分というのがだいたいだ。

 しかし、親の目は違うのかもしれない。保育士や幼稚園の先生は子どもと遊んでいるだけだと思っているとしたら現実はそうではない。
 遊んでいる中でどれだけのことを見ているか。遊び方、遊んでいる友達、発言、これまでとの違いはなんだ?と頭はフル回転だ。これは一斉教育、部分指導中、自由保育すべてに共通している。
 「いつもよくみてくださってありがとうございます。」と保護者が言うのは、こうした保育の目があってそれを保護者に伝えているからだ。
 
 自由保育の時間がながければ、「うちの園は遊んでいるだけなんだよね〜」と思う保護者はいるかもしれない。一斉教育があれば「うちの園はしっかりお勉強系なんだよね〜」と思うかも。

 たくさんのことを経験させてあげたいという親心はわかる。保育時間中に習い事まで終わるのは送迎の手間も省けて最高という気持ちもわかる。でもそれで子どもが疲れていないだろうか?
 というか、早期教育的な内容で一斉教育をして英単語をいくつか覚えて話してみたり、そろばんができるようになったり、跳び箱が跳べるようになったりすると「やってる感」があるんだろうな。
 親がやってる感。安心するんだと思う。「これだけやってるから大丈夫」「幼稚園/保育所でいろんなことやってるから大丈夫」的な?

 そこで気になるのは、家での過ごし方はどうなの?親はどんなポリシーをもって早期教育を受けさせているの?ということ。結局は何事も親の養育態度が重要なわけで。
 親の教育観と早期教育の内容と園の先生の考えが一致してたら幸せだと思う。

 私は違うというだけで、早期教育を行うことは否定しない。入れば子どもも楽しんでいる。いろんなことができるようになって自己肯定感も高まるだろう。
 でも、私としては幼児のうちは園庭を走り回って転んだり木を登ったり、砂をいじり、虫や花を観察するような、一見何の成果もないような時間を大切にしたいと思う。
 こんなこと小学校に上がるわずかな時間しか経験できない。でも、そうやって物を見て、違いに気が付き、変化を楽しみ、体力も気力も自分で獲得していくように環境を作ってあげたい。そうして「自分から」という主体性を身につければそのあとも自分でなんでもできるようになると思うから。
 幼児期は学びの基礎を作る時期だと教科書に書いてある。それは私の考えの場合、簡単な計算ができる、字がかけて小学校で困らないようにすることではなくて、上に書いたことを経験できるように導くことで、なんでも興味を持って楽しめる気持ちを作ることだと理解した。私の場合は、だけど。

 そもそも、赤ちゃんはうつ伏せにすれば自分で頭を上げ、寝返りするようになり、ずり這い、はいはい、つかまり立ち、伝い歩き、たっち、一歩出す、歩く、走るを誰のトレーニングを受けるでもなく自ずと獲得するんだから、あれもこれもと与えすぎなくてもやりたい気持ちさえあれば(必要だと思えば)できるようになるのでは?と思った次第。
 
 

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名無しのしりしり
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