アラフォーデブスが、結婚するってよ。③
と、まあ不本意ではあったが約束は守らねばならないし、もう来るっていうなら仕方がない。
そもそもこのアラフォーデブスを気に入るとも思えないし、会えば断られるだろうという算段に至ったわたしは、お見合いもどきを受け入れることにした。
そして当日、母の喫茶店。
ちゃんとしたお見合いじゃないし、ちょっと小綺麗に見えればいいかってさ、ストライプのシャツと黒の綿パンというかなりラフな格好でお相手を待った。
そして、14時と言ってたのに小一時間ほど早く彼らは到着した。
あ、身長がまあまあ高い。
まず目に入ってきた情報は身長、そして体型はむっちりしてるけど肥満というわけではない普通体型。
顔は……今振り返ればだけど、緊張で固まってた感じだったかもしれない(笑)
服装も黒のスーツっぽいジャケットだったし、ちゃんとしようってのが伝わってきた。
ふむふむ、なるほど。真面目だコレ。
わたしみたいなもんでごめんよ。
ちゃんとしてきてくれたからこその少し罪悪感。
多分、この罪悪感がしっかりお話しようって気持ちに繋がったんだと思う。
が!しかし!
この場ではあまり会話した記憶がない。
何故なら……
お相手のお兄さん、めちゃくちゃ喋るんよ。
本人に聞いてるのに、会話を掻っさらうのよ。
ずーっと喋ってるの、お兄さんなのよ。
弟のために張り切ってんなだろうなって思うけど、本人の口から聞きたいのよ(笑)
で!だ!
ちゃんとお話しようって気持ちなのにあまり話せないってなると、なんと、足りなかったという気持ちが新たに芽生えるんだよね。
知ってた? わたしは知らなかった(笑)
そうしてお兄さんが喋り倒す会(?)が終わる頃、わたしはお相手にこう言った。
「LINE、交換しませんか?」
そんなこんなで、久しぶりの緊張と妙な高揚感に包まれた初対面は幕を閉じたのだった。