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【知床サスティナブルウィーク/岩尾別ふ化場バスツアー】岩尾別で学ぶ知床のこと

※こちらの記事は2021年11月1日のブログから移行したものです。

こんにちは!スタッフの武山です。
知床の秋はあっという間ですね...。
木々が鮮やかに色づいた知床で、つかの間の秋を楽しもうと思っていたのですが、いつの間にか知床の山々は冠雪し、早くも冬の訪れを感じる日々です。

さて、時は少しさかのぼり、10月初め。
10月1日~10日の間、知床自然センターを中心に「知床サスティナブルウィーク」が開催されました!

知床サスティナブルウィークとは...?
世界自然遺産の知床で、サスティナブルへの「気づき」をテーマにした10日間のイベントです。
環境と観光、クマとヒト、ゴミ、生活の歴史やアートなどの多様なコンテンツを通して、ひとりひとりが楽しみながらサスティナブルに気づき、考えるきっかけになれば...という想いから開催いたしました。
(知床サスティナブルウィークの詳細はこちらから)

弊社(一般社団法人知床しゃり)も実行委員会に参加しており、私も少しではありますがお手伝いさせていただきました。
今回は知床サスティナブルウィークのコンテンツの1つ、「岩尾別ふ化場バスツアー」に同行したので、その様子をご紹介いたします!


知床サスティナブルウィーク最初の3日間(10月1日~3日)は「BUS DAYS」と題して、知床自然センターより先の通行が規制され、知床五湖やカムイワッカ湯の滝へマイカーで行くことができませんでした。
野生動物との出会いが魅力の知床ですが、一方で野生動物への餌付けや過度な接近、ゴミの投棄や渋滞など、様々な問題があります。
これらの問題解決を図ろうと昨年より取り組まれているのが「BUS DAYS」です。

この3日間は、道の駅うとろ・シリエトク~知床自然センター~カムイワッカ湯の滝の間をシャトルバスが運行し、移動そのものを楽しんでいただいたり、通常は立ち入ることができない場所へ行くことができるツアーも実施されました。

そのツアーの1つが「岩尾別ふ化場バスツアー」。
普段立ち入ることのできない「岩尾別ふ化場」を見学できる特別なツアーです。
このツアーの魅力は、斜里町役場産業部水産林務課課長の森さんのお話を聞きながら見学できること!
斜里町屈指の魚好きである森さんから、知床のサケ・マスについて詳しくうかがうことができるということで、関係者として同行する私も、内心わくわくしながら参加させていただきました。

自然センター前に集合し、まずは今日の行程や注意事項についての説明を受けます。
地元の方から道外の方まで、約20名の方が参加してくださいました。

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いよいよ出発!楽しみです。


バスに乗り込み岩尾別へ。
ふ化場が見えてきた...と思ったところで、早速ヒグマを発見。

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サケを探しているのかキョロキョロ。

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車内からしばし観察できました。


ふ化場のすぐ近くにいたため、終始緊張感がありましたが、同行していた環境省の方や知床財団の方が常に周りに気を配ってくださり、無事ふ化場を見学することができました。

森さんからは、岩尾別の歴史、現在の斜里町のサケ・マスについて、サケ・マスの見分け方など様々なお話をうかがうことができ、参加者からも積極的に質問がされていました。

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ここにも昔は人びとが普通に生活していたそうです。

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いけすにはたくさんのサケが。あれはオス?メス?
子どもたちも楽しそうに観察していました。


次の目的地まで、サケの遡上を観察しながら歩いて向かう予定でしたが、ツアー最初に出会ったヒグマがまだ近くにいるということで、徒歩移動からバス移動に急きょ変更。
車内から見ると、それほど恐怖心を感じないかもしれないのですが、距離があるとはいえ同じ地上を歩いているのを見るとやはり怖さと感じます。
皆さんも知床でヒグマに出会ったら、車から降りない、むやみに近づかない、この2つを守ってくださいね!

続いては少しだけ上流にある別の建物へ。
ここでは、卵やふ化させるための技術について、森さんからお話をうかがい、実際に観察しました。
こちらの建物内は撮影禁止のため、中の様子はお見せできないのですが、これこそがツアーに参加する醍醐味でもありますね!

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建物に入る前にシューズカバーを装着。


ふ化場でサケ・マスについていろいろと学んだところで、続いては実際に岩尾別川を遡上するサケの様子を観察しました。
ここで森さんから、手のひらサイズのシートを配布。
このシート越しに川を見てみると、光の反射が減り、川の中が観察しやすくなるのです!

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シート越しだと、反射が少なくなっているのがわかるでしょうか...?

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シート越しにサケの動きを観察中。


サケの行動についての説明も受けながら、時折ばしゃばしゃっと跳ねるサケをじっくりと観察することができました。

その後、さらに上流へと向かい、サケ・マスに紐づく治山ダムや森づくりの話へ。
実際にダムを見ながら、近年の知床のサケ・マス遡上とダムのあり方について、お話をうかがいました。

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ダムまでの道は徒歩移動。
お天気にも恵まれ、色づきはじめた木々の中を歩くのはとても気持ちよかったです。

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河床低下が起きてしまっているというこちら。
手前に見えるのが人工魚道。サケ・マスの遡上を助けるために最近つくられました。

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人工魚道には、知床の森の角材が使われています!
森の恵みをこのように使うことができるって素敵ですね。

こうしてツアーは終了。
岩尾別のことから、知床のサケ・マス、治山ダムや森づくりまで、実際に見て、話を聞いて、考えることができる充実したツアーでした!
知床の大自然は個人でも十分に楽しめるのですが、知識豊富な現地の方々の話を聞いて見ると、より面白いと思います。
知床にお越しの際は、ぜひいろいろな方から話を聞いたり、ツアーに参加したりして、楽しんでみてくださいね!

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別日にペレケ川にて見つけたほっちゃれ。
また来年待ってるね。