知床半島奥地に広がる景色は・・・
こんにちは!スタッフの高木です。
年末を迎え、斜里町はすっかり雪景色。
と言いたいところですが、1度は真っ白になった知床もここ数日暖かい日が続き、雪がとけてしまいました。
雪が降る少し前の11月に開催された「知床国立公園クリーン事業」
20年続く、ルシャ地区の清掃活動です。
ルシャ地区は許可がなければ立ち入ることができません。
知床自然センターから車で1時間半、半島奥地へと進んでいきます。
市街地を離れ、世界自然遺産知床の奥地へ・・・
と聞くとどんな景色をイメージしますか?
きっと多くの方は手付かずの雄大な大自然や、野生動物などを思い浮かべるでしょう。
昨年、私も初めて行くまではそんな光景をイメージしていました。
しかし、実際に目の前に広がる景色は、一面の漂着ゴミ。
知床半島には、海流に乗って流氷やたくさんの栄養が流れ着きます。
当然、良いものだけがうまく流れてくるはずはなく、漂う海洋ゴミも一緒にここへやってきて、海に突き出る半島がちょうど受け止める形になっているのです。
その流れ着いたゴミを少しでも片付けたい、観光船から美しい景色をみてもらいたい、という思いから有志のボランティアが発起人となり始まった活動が「知床国立公園クリーン事業」です。
着いて早々、ゴミ拾いが始まるのですが、ルシャ地区の川はダムがなく鮭が自然遡上するのでヒグマも多く集まります。
この日もヒグマの親子が現れ、知床財団の指導のもと、彼らが去るまで待機してからゴミ拾い活動を行いました。
ルシャ地区はゴミの量がとても多く、ゴミ拾いをしても達成感はあまりありません。それでも一般ゴミと燃えないゴミを合わせて180kg回収しました。
ゴミ問題に興味がある方はご存知かもしれませんが、実は一般のゴミ拾いで回収できるのは一般ゴミ(燃えないゴミを含む)のみです。
漁具やタイヤなどは「産業廃棄物」となり、回収することができません。
それが今回、漁業ブイ限定ですが、ゴミではなく「資源」として回収することができました。
斜里町および連携していただいている企業の協力で、ゴミをアップサイクルする試験的な取り組みです。
拾ったブイを材料として再生し商品化できるか模索することになっています。
雨が降る中での作業でしたが、今まで回収することができなかった漁具を回収できると言うのは、モチベーションもあがり、とても楽しかったです。
なんと804kgものブイを拾うことができました!
とはいえ、今回回収できたのは漁業ブイのみ。
まだまだ回収できないままの海洋ゴミがそのままルシャ地区に残されています。
知床を訪れる際には、雄大な景色やおいしい食べ物、そして抱えているゴミ問題についても少しだけ思いを巡らせてみてください。
知床に集まってくるということは、世界中でそれだけのゴミが海に流れ出しているということ。そして回収しきれないゴミはまた海へと流れ出ていきます。
知床だけの問題ではなく、身近な問題として感じていただけたらと思います。
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知床のごみの話 過去記事
▶︎世界自然遺産の町にだって、ごみはある。(2020年12月13日)
▶︎ゴミ拾い海岸トレッキングしてみた(2021年9月29日)
▶︎知床の春、雪の下から現れるもの(2022年5月12日)
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