
Dupo(非鉛弾)でヒグマを倒せるのか?#22
こんにちは!
私は道東を活動拠点に野生動物対策に取り組んでいます。
先日の研修会で頂いた質問にコメントしていきたいと思います。
銃を所持してから10年間はライフル銃を所持することはできません。
法改正もあいまって、ハーフライフルも所持しにくくなっています。
となると、初心者が最初に所持できるのは散弾銃ということになります。
散弾銃でヒグマを倒そうとした場合、ネックになるのは銃(平筒)に適した弾(非鉛弾)の有無です。
Dupoは国内で入手しやすい非鉛弾です。
12番の散弾銃で使用できる弾として、Dupo28とDupo28マグナムがラインナップされています。
https://www.ddupleks.com/dupo-28
エネルギー量は十分なのか?
メーカーサイトによると銃口でのエネルギーは、Dupo28で2050FT/LB、Dupo28マグナムで2633FT/LBです。(銃口でのエネルギー量という点に注意が必要です。30m先、50m先の対象物に着弾する際は、これよりもエネルギー量は減少することになります(2割減少ぐらい?)。
ヒグマの捕獲に必要とされるエネルギー量の目安は2100FT/LBです。
この基準に照らし合わせると、Dupo28はややエネルギー量不足、使用するのであればDupo28マグナム一択です。
サボットスラッグ弾と比較してどうか?
フェデラルのサボットスラッグ弾と比較してみましょう。
12番のハーフライフル銃で使用されることが多く、実績もある装弾です。
私もこの種の装弾でヒグマを捕獲した経験があります(メス成獣まで)。
https://www.federalpremium.com/shotshell/freight-train-copper-sabot-slug/11-P152+FT.html
弾頭重量は300gr、銃口初速1900fps(パッケージに記載されています)、これらから得られる銃口でのエネルギーは2405FT/LBです。
銃口でのエネルギー量を比較すると、Dupo28<サボットスラッグ<Dupo28マグナムとなります。
Dupo28マグナムであれば、フェデラルのサボットスラッグよりエネルギー量は多くなります。
鉛スラッグ弾と比較してどうか?
ブリネッキの鉛スラッグ弾と比較してみましょう。
特別な許可を得て12番の平筒で使用していた経験があります。
こちらもヒグマの捕獲において実績があります。かつて近距離での捕獲において信頼をおいて使用していました。
https://rottweil-ammunition.com/en/products/shotshells/rottweil-brenneke-classic-magnum-12-70
弾頭重量は31.5g、銃口初速は435m/s、これらから得られる銃口でのエネルギー量は2197FT/LBです。
意外なことにDupo28とほぼ同等です。
まとめ
今回はエネルギーという視点ででDupoを検討してみました。
Dupo28マグナムであれば、ヒグマにも使用できるだけのエネルギー量を有しています(オス成獣には使用したくないですが…)。
対象を倒せるかどうかは、単純に弾が持つエネルギーだけに依存するわけではありません。
着弾位置や弾の貫通の有無、弾頭の変形程度も大きくかかわってきます。
弾が貫通しにくいという点では、銅弾よりも鉛弾に軍配があがり、ブリネッキの鉛スラッグはこの点で有利です。残念ながら、特別な許可を得ない限り、北海道で使用することはできませんが…
執筆の励み、新たな気付きにつながります、ぜひ「いいね」と「コメント」をお待ちしております。
本日もお読みいただきありがとうございました。
【3/4追記】
私にはDupoを使用してヒグマを捕獲した経験がありません。実際の捕獲実績はということで、仲間に求めたところ、100㎏未満のヒグマを捕獲したことはあり、近距離(50m以内)であれば倒せるという感覚、ただし威力以前の問題として精度が伴わない、こんなコメントをもらいました。
私も過去に横転弾が出た経験があります(銃身との相性があると言われています)。自分の求める精度が出るのかを試してみることをお勧めします。
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