068 こころにも【令和訳百人一首】
【原文】
心にも あらで憂き世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな
(三条院)
【個人的解釈】
不本意だけどこの辛い世の中を長生きしたなら
今夜の月を恋しく思うだろうな。
【感想】
内裏炎上、病、藤原道長の圧力などで在京5年で譲位を決意した天皇の悲痛が詠まれた首。作者は現世に絶望し、譲位2年後に死亡した。
私こういう、いわゆる”可哀想な人”大好きなんですよ。
一番好きな歴史上の人物は崇徳院です。
自分もメンヘラだから、励ましたいとか好かれたいとかいうよりも、一緒に闇に落ちたいなって感じです。共依存。
逆に励まして依存されて、ヤンデレになってもらえるルートも好きです。
フィクションでよくある展開だね。美男美女限定!
長生きしたなら…ってフレーズが、もう自分は残りの人生少ないことへの皮肉だし、最高に病んでていいよね。
単純に紅葉が綺麗だよとか桜が美しいよとか月が輝いてるとか、の首よりも、魅力を感じるよね。
こんな精神状態の人が恋しく思う月って、どんな月だったんだろうなって気になる。
私もよくメンヘラをこじらせる時期が3カ月に1回くらいくるんですが、大体深夜に家に一番近い橋に向かって歩いて、川の音聞きながら月を見ます。
なんだろうね、死にたくなると人って月見がちなのかな?
私にも三条院の血が流れてるのかな???
【令和に言い換え】
恋に仕事に疲れて
死にたくてたまらないけど
このまま死ねずに辛い人生を生き続けたとしても
今日橋の上で孤独に見た月のことだけは
忘れないんだろうな。
【備忘録】
・憂き世:つらい世の中。
・心にもあらず:不本意ながら。
・ながらふ:長生きする。
【自己評価】
★★★☆☆
三条院の奥さんは、どんな気持ちで彼をみていたんだろうね。