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ウクライナ民謡 沼(9)『シチェドリク(鐘のキャロル)』Щедрик その2


(2024年11月13日追記)
しばらく取り下げていましたが、再公開しました。



ウクライナ民謡 沼(8)『シチェドリク(鐘のキャロル)』Щедрик その1のつづき。

前回は、『シチェドリク』のウクライナ語による演奏をとりあげた。

その2では、英語を中心とした、外国語による演奏をいくつか紹介する。

とくに、『シチェドリク』=『鐘のキャロル』=『キャロル・オブ・ザ・ベル』とやたら親和性の高い、ジャズやメタルアレンジを取り上げたい。

その後、日本で親しまれている(?)パロディ版『旧支配者のキャロル』についても少し触れたい。


1.英語でのパフォーマンス『キャロル・オブ・ザ・ベル』(Carol of the Bells)


英語の『キャロル・オブ・ザ・ベル』(Carol of the Bellsは、厳密には『キャロル・オブ・ザ・ベルズ』)の動画は、挙げだしたらキリがないほど無数にあるので(しかも、どの動画も秀逸)、押さえておきたい動画を独断と偏見であげる。


まずは、ウクライナのバンドによる英語パフォーマンスを2組。

ウクライナ北西部リウネ(Рівне)出身の6人組バンド、トラベリング・ザ・ワールドの英語での演奏。

Traveling the World - Carol of the Bells [OFFICIAL VIDEO]


徹頭徹尾、英語で歌い上げているが、ぜひとも彼らのウクライナ語版『シチェドリク』を聴きたいものだ。


もうひと組、ウクライナの首都キーウの4人組ロックバンド、ノーアポロジーと、アメリカのロックバンド、ハロシーンのコラボも挙げておこう。

Carol of the Bells - Rock cover by Halocene feat. noapology



次は、アメリカのかっこいい女性ボーカルを数組。

R&B、ソウル・シンガー、アンドラ・デイ。

Andra Day - Carol of the Bells


ポップ&ジャズ・シンガー、オーブリー・ローガンのジャズアレンジ。

Aubrey Logan - Carol of the Bells (Jazz Waltz Version)


ゴスペル・シンガー、ヨランダ・アダムス。

Yolanda Adams - Carol of the Bells / What Child Is This - Medley


姉妹ゴスペル・デュオ、メアリー・メアリー。

Mary Mary - Carol of the Bells


ポップ・ユニット、ザ・バード・アンド・ザ・ビー。

The Bird And The Bee - Carol of the Bells


同じく、アメリカの男性ボーカル。

ソウル・トリオ、オージェイズ。

The O'Jays - Carol of the Bells


ポップシンガー、ジョニー・マティス。

Johnny Mathis - Carol of the Bells


懐かしの2000年代洋楽ロックバンド、ザ・コーリングが『キャロル・オブ・ザ・ベル』を歌っていたのを知らなかったので、入れておく。

リキッドルームのライブに行ったんだけど、いつの間にか解散していたんだなあ・・・。

The Calling - Carol of the Bells


引き続き、アメリカのアカペラグループ。

6人姉妹グループ、シモレリー。

Cimorelli - Carol Of The Bells (Official Video)


5人組アカペラグループ、ペンタトニックス。

Pentatonix - Carol of the Bells


11人アカペラグループ、ヴォクターヴ。

Voctave - Carol of the Bells of Notre Dame - A Cappella


イギリスの少年合唱団を数組。

少年合唱団リベラ。

Libera - Carol of the Bells


オックスフォード・クライスト・チャーチ聖歌隊。

Christ Church Cathedral Choir, Oxford - Carol of the Bells


セント・ジョージ礼拝堂聖歌隊。

St. George's Chapel Choir sing Carol of The Bells at Windsor


セント・ポール大聖堂少年合唱団。

St Paul's Cathedral Choir, Andrew Carwood - Carol Of The Bells


アイルランドの女性グループ、ケルティック・ウーマン。

Celtic Woman - Carol of the Bells


インドの兄弟姉妹アカペラグループ、ジョイフル・シックス。

Joyful 6 (Singing Siblings) - Carol of the Bells | Pentatonix Cover


イスラエルとアメリカのロック・EDMグループ、ザ・リビング・トゥームストーン。

The Living Tombstone - Carol of the Bells


韓国の5人組アカペラグループ、メイ・トゥリー。

MayTree - Carol of the Bells

MVがちょっとゴシック・ホラーぽい。


2.楽器演奏、インストゥルメンタル


まずは、アメリカのジャズから。

ジャズピアニスト、デイヴィッド・ベノワの演奏。
後半が特にかっこいい。

David Benoit - Carol Of The Bells (1983)


フュージョン・グループ、スパイロ・ジャイラのアレンジ。

Spyro Gyra - Carol Of The Bells


トランペット奏者ウィントン・マルサリスのアレンジ。

Wynton Marsalis - Carol of the Bells


ビッグバンド、ゴードン・グッドウィンズ・ビッグ・ファット・バンドによるアレンジ。

Gordon Goodwin's Big Phat Band - Carol of the Bells


更にアメリカからの演奏を3つ。

ヴァイオリン奏者リンジー・スターリングによるヴァイオリン演奏&ダンス。

Lindsey Stirling - Carol of the Bells


ピアノ・チェロ演奏グループ、ピアノ・ガイズの演奏。

The Piano Guys - Carol of the Bells


ピアニスト、ジョン・テッシュのバンド演奏。

John Tesh - Carol Of The Bells, Christmas in Positano, Italy


カナダの音楽家デイヴィッド・フォスターのアレンジ。

David Foster - Carol Of The Bells


イギリスのピアニスト、デイヴィッド・ヒッケンの演奏。

David Hicken - Carol of the Bells


ハンガリーの若手ピアニスト、ピーター・ブカの演奏。

Peter Buka - Carol of the Bells


3.ハードロック、メタルアレンジ


まずは、ハードロックアレンジ。

アメリカのギタリストでシンガーのゲイリー・ホーイ。

Gary Hoey - Carol of the Bells on the Preston and Steve Show on 93.3 WMMR


次に、アメリカ勢のメタルアレンジ。

ギタリスト、ジェイソン・リチャードソン。

Jason Richardson- Carol of the Bells (Shred Collab 2022)


ロックバンド、トランス・シベリアン・オーケストラ。

Trans-Siberian Orchestra - Carol of the Bells (METAL COVER)


メタルコアバンド、オーガスト・バーンズ・レッド。

August Burns Red - Carol of the Bells (METAL COVER)


アニソンカバーで有名なジョナサン・ヤングとリチャードEBによるメタルカバー。

Jonathan Young & RichaadEB - Carol of the Bells (METAL COVER)


リチャードEB単独のメタルカバー。

RichaadEB - Carol of the Bells (METAL COVER)


アメリカ以外のギタリストも。

カナダのギタリスト、コール・ローランド。

Cole Rolland - Carol of the Bells (Metal Cover)


ギリシャのメタルバンド、オリオンズ・レイン。

Orion's Reign - Carol of the Bells [Heavy Metal Version Cover]


メタルの人たち、みんな超絶技巧で、指はどうなっているんだ。

4.『旧支配者のキャロル』


さて、メタルでだいぶ高まってきたところで、『旧支配者のキャロル』もチラリと覗いてみよう。

あまり詳しくないので、1曲だけ。

【葉柳ちぐさ/cover】旧支配者のキャロル-The Carol of the Old Ones - 日本語版【歌ってみた】


(2024年11月13日追記)
しばらく記事を取り下げていたが、再掲にあたり「成人男性三人組」の『旧支配者のキャロル』を追加。

旧支配者のキャロル(The Carol of the Old Ones) -Cover-
成人男性三人組



なんと、ウクライナ語の動画で、本家『シチェドリク』に擬態する、『旧支配者のキャロル』を発見。

Щедрик на разных языках. Щедрик на різних мовах. Carol of the bells in different languages.
多言語で歌う『シチェドリク』


5か国語(ウクライナ語、英語、ドイツ語、スペイン語、日本語)リレーによる『シチェドリク』だそうだが、日本語だけ、明らかに様子がおかしい。

日本語版『シチェドリク』=『キャロル・オブ・ザ・ベル』のつもりが、実は『旧支配者のキャロル』の動画だった部分。

「空を見よ 今宵は 星辰が 揃う夜
終焉の 時来たる 目覚めの 時来たる
戻り来た 神々に 恐怖知る 時来たる

希望消え 絶望が 支配する 時来たる
長の地位 神々に 明け渡す 時来たる
星々は 天を焦がし 終焉が 始まった

究極の恐怖 世に満ち 狂気呼ぶ恐怖 世に満ち
海から来る 地下から来る 空から来る 世に満ちる
(くりかえし)」


ハッ、しまった。つい、真面目に書き取ってしまった。


日本語バージョンの『キャロル・オブ・ザ・ベル』(実は『旧支配者のキャロル』)。コメント欄での評価は以下のとおり。

日本語訳もあるなんて!こんなに人気の曲なんだねえ」

「ウクライナ語と日本語が気に入った。ウクライナ語は誇り高く美しい響き。日本語は穏やかで、よくわからないけど素敵な響きだね」

「オリジナル(ウクライナ語―訳注)に勝るものは無い。あと、スペイン語と日本語が気に入った」

日本語で歌っているのがボカロで残念。ボカロPだけが、世界文化の傑作(『シチェドリク』のこと―訳注)を評価できたんだね」

日本語がトップだな。」「いや、日本語は色々いじり過ぎて、そのせいで耳障りだ。初音ミクが歌っているように聞こえる」


誰も、まさか『旧支配者のキャロル』だとは思ってもいないだろう。

罪深い・・・。


元ネタのH.P.ラヴクラフト歴史協会によるCarol of the Old Ones(旧支配者のキャロル)を演奏した動画を、noteに貼ろうかとも思ったが、たまにグロテスクな画像が混じるので、ここでは、念のために自重しておいた。


通常の『キャロル・オブ・ザ・ベル』の日本語版も見かけた。

珍しいので挙げておく。

鐘のキャロル/ウクライナ民謡/歌:なげのあやか


※ ヘッダー写真の出典は、トラベリング・ザ・ワールドの公式Youtubeチャンネル。