きんぼうざん ぜき、カザフスタン TV の VTR、にほんご
Ерсін Балтағұл, Кинбозан сұхбатында Almaty TV (жапон аудармасы)
Ерсин Балтагулов, Кимбодзан в интервью Телеканала Алматы (перевод на японский)
先月末にショートポストで紹介した、来日前の金峰山関に対するカザフスタン地元テレビ局による取材動画(2016年2月)。
なかなか時間が取れずに翻訳できないままだったが、少し仕事が落ち着いてきたので、勢いで和訳してみた。
国を背負って来日した金峰山関。
元横綱・朝青龍関の紹介で日出高校(現・目黒日大高校)に編入し、初めて相撲の手ほどきを受けた。
日大進学後は学生相撲で輝かしい成績を残し、三段目付出資格を得て木瀬部屋に入門。
初土俵後は破竹の勢いで幕内まで昇進したが、今年3月の春場所4日目、玉鷲関との一番で頸椎を捻挫し、以来、長引く首の不調に苦しんでいる。
(動画リンク@NHK大相撲)
令和6年3月場所4日目 金峰山-玉鷲
首の痛みのせいか、ここ2場所は大負けが続いている。
コンディションが万全ではないだろうに、律儀に夏・秋巡業の全行程に参加している。秋巡業では取組数の調整のためか、相撲を2番取る日々が続き(現在は解消されたようだ)、相撲ファンとしては関取の首への負担が気がかりだった。
九州場所は初の十両陥落の可能性も予想されるが、ぜひとも勝ち越して、ひと場所で幕内に返り咲いて欲しい。
1.来日前 アルマトゥイ・テレビのインタビュー動画 和訳
Казахстанец будет обучаться в японской школе сумо (22.02.16)
カザフスタン人が日本の相撲学校で学ぶ予定(2016年2月22日)
Телеканал Алматы / Almaty TV アルマトゥイ・テレビ
―― アルマトゥイ出身の若くエネルギッシュな学生、イェルシン・バルタグル(ロシア語:バルタグロフ、現・金峰山)は、1日数時間の集中トレーニングに励んでいる。
18歳の柔道家は、日本の相撲学校への入学を控えている。
―― モンゴル出身力士初の横綱となった朝青龍は、アルマトゥイでイェルシンに会った際、「体重130キロ、身長約2メートルのカザフスタンの勇者(イェルシン)は、あらゆる身体能力を備えている」と語った。
イェルシン・バルタグル(柔道家、現・金峰山、以下同じ)
(金峰山はカザフ語で返答。ロシア語による吹替音声が被せてある)
「責任の重さを自覚しています。家族と国全体が私を信頼していますから。力士になる希望を叶えるため全力を尽くします。恐れはありません。前進あるのみです。朝青龍明徳氏は私を信じてくれました。彼は、自分がどれほど優れているかを皆に証明した、押しも押されぬモンゴル出身横綱です。そのような高みに到達することが私の夢です」
―― イェルシンの夢を実現させるために、複数のカザフスタンのスポンサーが支援に応じた。名門校で学ぶには3万ドルの費用がかかるが、うち2万ドルは日本政府が負担する予定だという。
―― イェルシン・バルタグルは、3月上旬には日本へ出発する。まず、カザフスタンの若者(イェルシン)は高校で4か月の基礎訓練を受け、その後体育大学に送られ、そこで相撲のトレーニングが始まる。
スィルィズベク・タウ(スポンサー)
(カザフ語での返答。ロシア語による吹替音声が被せてある)
「重要なのは、イェルシンが日本でのトレーニングに耐え抜けるかどうかです。私も見たことがありますが、日本のトレーニングは非常に過酷です。私たちが願うのは、カザフスタンの国名とカザフスタン選手の名前が世界中に轟くことです。私たちはきっと実現します」
―― 相撲トレーニングの最初の段階は、学生の学業成績や記録にもよるが、最低3年間続く。カザフスタン人のイェルシン・バルタグルは、相撲学校への入学直後から、同世代の経験豊かな選手たちとの試合に参戦しなければならない。彼の意欲と向上心が様々な大会での優勝につながり、日本の人々や世界中の尊敬を集め、ひいてはカザフスタンに栄光をもたらすことを願うばかりである。
2.過去のメディア報道
2-1.日本大学相撲部時代
2019年9月
全日本学生相撲個人体重別選手権大会
135kg以上級 準優勝 バルタグル・イェルシン
2019年11月2日・3日
第97回全国学生相撲選手権大会 団体優勝
2019年12月2日
第68回天皇杯全日本相撲選手権大会
準優勝 バルタグル・イェルシン(日本大学)
2019年12月1日 全日本選手権
近大の谷岡倖志郎がアマ横綱「相撲をやってきて良かったと実感」
2020年10月28日
相撲東日本学生 外国出身では史上初 18戦負けなしの圧倒的強さ イェルシンが初戴冠
2020年11月7日
第98回全国学生相撲選手権 個人
3位 バルタグル・イェルシン(日本大学)
2020年11月8日
第98回全国学生相撲選手権 団体優勝
2-2.木瀬部屋入門、新弟子検査
2021年9月6日
全国学生Vのデルゲルバヤルら5人全員体格基準満たす 相撲新弟子検査
2-3.初土俵、三段目優勝
2021年11月26日
今場所デビュー金峰山、三段目優勝「ここからという感じ」全勝対決を制す
2021年11月26日
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2-4.幕下優勝
2022年3月25日
カザフスタンの金峰山、7戦全勝で幕下優勝/春場所
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2-5.新十両
2022年7月27日
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2022年7月27日
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新十両・金峰山が関取衆を圧倒「四つでも突っ張りでもいける」秋場所快進撃に期待
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やはり相撲は幕内に限る…十両に時間をかけ過ぎてしまった、私の読みが浅かった【北の富士コラム】
2022年9月23日
新十両の金峰山「うれしい」勝ち越し「幕下とは全然違う。慣れるしかないな」初々しく語る
2022年9月26日
大相撲 金峰山関、新十両昇進 スポーツ科出身で初の関取
2022年9月29日
十両の金峰山、欧勝馬ら385~387期生が相撲教習所を卒業
2-6.新入幕
番付発表会見 新入幕 金峰山 <令和5年三月場所> SUMO
日本相撲協会公式チャンネル
2023年2月27日
カザフスタン出身初の新入幕・金峰山 所要8場所も「本当はもっと早く上がりたかった」
2023年3月2日(途中から有料記事)
きっかけはあの人の「足でかいな」カザフスタン初の幕内・金峰山
2023年3月15日(途中から有料記事)
カザフスタン出身の金峰山 大使館が挙げた力の源は「伝統」「好物」
2023年3月16日
“若手ナンバーワン”金峰山晴樹は朝青龍も認める「カザフスタンの怪物」
2023年3月26日
敢闘賞は金峰山が初受賞、敗れた翠富士は逃す 技能賞は大栄翔と霧馬山 殊勲賞は候補者なし
2023年4月12日
春場所敢闘賞の金峰山に母校から化粧まわし贈呈 カザフスタン国旗をアレンジ、カエルも描かれる
2023年4月12日
春場所敢闘賞の金峰山に母校・目黒日大高から化粧まわし贈呈 デザインに込められた思いと期待
2-8.幕内での取組
NHK大相撲サイトの金峰山関のページ
2023年5月23日
金峰山が貴景勝に初対戦で勝利!「うれしいですね」ちょんまげ力士の大関撃破は御嶽海以来7年ぶり
2023年6月6日(途中から有料記事)
カザフスタン初の関取は孝行息子
2023年11月12日
“大相撲”人気力士所属部屋「ガサ入れ」大騒動!(3)四股名の由来の山を見てガッカリ
2024年1月17日
金峰山が通算100勝「早過ぎたかな」初土俵から約2年でスピード到達に本人も驚き
木瀬部屋の足圧ボディケア【相撲/Sumo】Sokuatsu body care
木瀬部屋TV【相撲 Sumo】KisebeyaTV
(後記)
今回、金峰山関のリサーチを進める過程で、関取の本名について、どうやら自分が長い間勘違いをしていた可能性に気づいた。
私は学生相撲の頃から金峰山関の取組を見ていたので、てっきり「イェルシン」は姓(ファミリーネーム)だとばかり思っていたが、どうやら名前(ファーストネーム)のようだ。
なにぶんカザフ語がわからないもので、Ерсін Балтағұл(カザフ語:イェルシーン・バルタグール)では、姓と名の区別が良くわからない。
ところが、カザフスタンのテレビ局が作成したロシア語動画では、Ерсин БАЛТАГУЛОВ (ロシア語:イェルシーン・バルタグーロフ)と、姓がロシア化・大文字表記されて明示・強調されていた。
これにより、Балтағұл(Балтагулов)がどうやら姓らしいということが、ロシア語を解する視聴者に伝わるようになっている。
(カザフ人の姓をロシア風に表記することの是非については、筆者は当該地域の現状に明るくないので、判断する能力が無い。ただ、当該動画の制作スタッフ(複数)の氏名は、カザフスタンもしくは中央アジア諸国の人々のもののように思われるので、表面的には現地の人々の判断で表記が選ばれているように思われる)
話を戻すと、「イェルシン」は金峰山関のファーストネームのようだということ。
もしかして、学生相撲の外国人力士は、全員ファーストネームでエントリーしているのかな?アマルさんとか、デギーさんとか・・・(今さら気づく)