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金峰山 来日前 カザフスタンTV局取材動画 和訳

きんぼうざん ぜき、カザフスタン TV の VTR、にほんご

Ерсін Балтағұл, Кинбозан сұхбатында Almaty TV (жапон аудармасы)
Ерсин Балтагулов, Кимбодзан в интервью Телеканала Алматы (перевод на японский)


先月末にショートポストで紹介した、来日前の金峰山関に対するカザフスタン地元テレビ局による取材動画(2016年2月)。


なかなか時間が取れずに翻訳できないままだったが、少し仕事が落ち着いてきたので、勢いで和訳してみた。


国を背負って来日した金峰山関。
元横綱・朝青龍関の紹介で日出高校(現・目黒日大高校)に編入し、初めて相撲の手ほどきを受けた。

日大進学後は学生相撲で輝かしい成績を残し、三段目付出資格を得て木瀬部屋に入門。

初土俵後は破竹の勢いで幕内まで昇進したが、今年3月の春場所4日目、玉鷲関との一番で頸椎を捻挫し、以来、長引く首の不調に苦しんでいる。

(動画リンク@NHK大相撲)
令和6年3月場所4日目 金峰山-玉鷲


首の痛みのせいか、ここ2場所は大負けが続いている。
コンディションが万全ではないだろうに、律儀に夏・秋巡業の全行程に参加している。秋巡業では取組数の調整のためか、相撲を2番取る日々が続き(現在は解消されたようだ)、相撲ファンとしては関取の首への負担が気がかりだった。


九州場所は初の十両陥落の可能性も予想されるが、ぜひとも勝ち越して、ひと場所で幕内に返り咲いて欲しい。






1.来日前 アルマトゥイ・テレビのインタビュー動画 和訳



Казахстанец будет обучаться в японской школе сумо (22.02.16)
カザフスタン人が日本の相撲学校で学ぶ予定(2016年2月22日)
Телеканал Алматы / Almaty TV アルマトゥイ・テレビ

※ 記事は敬称略。
※ 動画内で「相撲学校」と称されているのは、日本の高校・大学の相撲部を指すと思われるが、原文にそって訳出した。


―― アルマトゥイ出身の若くエネルギッシュな学生、イェルシン・バルタグル(ロシア語:バルタグロフ、現・金峰山)は、1日数時間の集中トレーニングに励んでいる。
18歳の柔道家は、日本の相撲学校への入学を控えている。

―― モンゴル出身力士初の横綱となった朝青龍は、アルマトゥイでイェルシンに会った際、「体重130キロ、身長約2メートルのカザフスタンの勇者(イェルシン)は、あらゆる身体能力を備えている」と語った。



イェルシン・バルタグル(柔道家、現・金峰山、以下同じ)
(金峰山はカザフ語で返答。ロシア語による吹替音声が被せてある)
「責任の重さを自覚しています。家族と国全体が私を信頼していますから。力士になる希望を叶えるため全力を尽くします。恐れはありません。前進あるのみです。朝青龍明徳氏は私を信じてくれました。彼は、自分がどれほど優れているかを皆に証明した、押しも押されぬモンゴル出身横綱です。そのような高みに到達することが私の夢です」



―― イェルシンの夢を実現させるために、複数のカザフスタンのスポンサーが支援に応じた。名門校で学ぶには3万ドルの費用がかかるが、うち2万ドルは日本政府が負担する予定だという。

―― イェルシン・バルタグルは、3月上旬には日本へ出発する。まず、カザフスタンの若者(イェルシン)は高校で4か月の基礎訓練を受け、その後体育大学に送られ、そこで相撲のトレーニングが始まる。



スィルィズベク・タウ(スポンサー)
(カザフ語での返答。ロシア語による吹替音声が被せてある)
「重要なのは、イェルシンが日本でのトレーニングに耐え抜けるかどうかです。私も見たことがありますが、日本のトレーニングは非常に過酷です。私たちが願うのは、カザフスタンの国名とカザフスタン選手の名前が世界中に轟くことです。私たちはきっと実現します」



―― 相撲トレーニングの最初の段階は、学生の学業成績や記録にもよるが、最低3年間続く。カザフスタン人のイェルシン・バルタグルは、相撲学校への入学直後から、同世代の経験豊かな選手たちとの試合に参戦しなければならない。彼の意欲と向上心が様々な大会での優勝につながり、日本の人々や世界中の尊敬を集め、ひいてはカザフスタンに栄光をもたらすことを願うばかりである。




2.過去のメディア報道


2-1.日本大学相撲部時代


2019年9月
全日本学生相撲個人体重別選手権大会
135kg以上級 準優勝 バルタグル・イェルシン

左2人目 イェルシン(現・金峰山)、
3人目 沢田日登志(現・日翔志)、右端 石岡弥輝也(現・尊富士)

全日本学生相撲個人体重別選手権大会
100kg未満級3位 大庭
135kg未満級準優勝 石岡弥輝也(現・尊富士)
135kg以上級準優勝 バルタグル・イェルシン(現・金峰山)
無差別級優勝 沢田日登志(現・日翔志)




2019年11月2日・3日
第97回全国学生相撲選手権大会 団体優勝

団体戦メンバー(敬称略)
榎波将史(4年)、沢田日登志(4年、現・日翔志)、竹内宏晟(3年)、宮崎麗(3年)、バルタグル・イェルシン(3年、現・金峰山)、石岡弥輝也(2年、現・尊富士)、川副圭太(2年、元・輝鵬、現・川副)、春山万太郎(1年、現・春山)




2019年12月2日
第68回天皇杯全日本相撲選手権大会
準優勝 バルタグル・イェルシン(日本大学)

後列左端 イェルシン(準優勝、現・金峰山)、
同右端 勝呂歩紀(拓殖大学、3位、元・藤健勝、元・勝呂)

イェルシンのコメント
「初めて出場した天皇杯で準優勝に入ることができました。これも皆様が応援していただき支えてもらえた結果だと思います。来年はすべての大会で優勝を目指し稽古に精進いたします。皆さま応援ありがとうございました」


2019年12月1日 全日本選手権
近大の谷岡倖志郎がアマ横綱「相撲をやってきて良かったと実感」




2020年10月28日
相撲東日本学生 外国出身では史上初 18戦負けなしの圧倒的強さ イェルシンが初戴冠




2020年11月7日
第98回全国学生相撲選手権 個人
3位 バルタグル・イェルシン(日本大学)

第98回全国学生相撲選手権 個人戦 結果
優勝 プレブスレン・デルゲルバヤル(日本体育大学、現・欧勝馬)
準優勝 西川登輝(中央大学、現・豪ノ山)
3位 石崎拓馬(日本体育大学、現・朝紅龍)
3位 バルタグル・イェルシン(日本大学、現・金峰山)
Aクラス個人戦決勝トーナメント ベスト8
バトジャルガル・チョイジルスレン(日本体育大学、現・阿武剋)
丸山紘史(東京農業大学)
松園大成(日本体育大学)
菅野陽太(中央大学、現・栃武蔵)




2020年11月8日
第98回全国学生相撲選手権 団体優勝

団体戦メンバー(敬称略)
草野直哉(1年、現・草野)、佐藤淳史(主将、4年)、宮崎麗(4年)、川副圭太(副将、3年、元・輝鵬、現・川副)、川渕一意(1年、現・一意)、バルタグル・イェルシン(4年、現・金峰山)、竹内宏晟(4年)、石岡弥輝也(3年、現・尊富士)
(コメント)イェルシン
「今年も優勝したいという思いでやってきました。努力してきて良かったと改めて思いました」




2-2.木瀬部屋入門、新弟子検査


2021年9月6日
全国学生Vのデルゲルバヤルら5人全員体格基準満たす 相撲新弟子検査

(・・・)三段目100枚目格付け出しの資格を持つ日大出身のバルタグル・イェルシン(24=木瀬)は191センチ、165キロだった。カザフスタン出身で、デルゲルバヤルが優勝した同選手権では4強だった。(・・・)



2-3.初土俵、三段目優勝


2021年11月26日
今場所デビュー金峰山、三段目優勝「ここからという感じ」全勝対決を制す

 三段目は100枚目格付け出しで今場所デビューの金峰山(24=木瀬)が荒馬との全勝対決を突き出しで制して優勝した。「うれしいよりよかったと思います。ここからという感じ。頑張るしかないなと」と通過点を強調した。
 カザフスタン出身。日大相撲部で昨年の学生選手権個人で4強となった。191センチ、165キロの体はスケールの大きさをうかがわせる。角界には「慣れました」と話し、今後に向けて「立ち合いをもっと速くしたい」と突き押しを磨く意欲を示した。
 来場所の幕下昇進は確実だが、出世の目標については「まだ考えてません。考えてけがとかしたら、気持ちが落ちてしまう。早くいきたい気持ちはありますが」。元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏の誘いもあって、相撲への挑戦を決めた。将来性を秘めた逸材が、順調に大相撲界でのスタートを決めた。


2021年11月26日
金峰山、幸先よくV「もっと稽古していく」/九州場所

 大相撲九州場所13日目(26日、福岡国際センター)カザフスタン出身で三段目100枚目格付け出しの金峰山(木瀬部屋)が他を寄せ付けない強さで7戦全勝優勝。幸先のいいデビュー場所となった。191センチ、165キロと恵まれた体格からの突き、押しは威力満点だった。
 13歳から柔道を始め、元横綱朝青龍の勧めで相撲に転向。東京・日出高(現目黒日大高)―日大で力を伸ばした。稽古場では既に幕下上位と互角に渡り合っているといい、実力は相当なもの。来場所は幕下昇進が確実で「入ったばかりなのでこれから。もっと稽古していく」と意気込んだ。



2-4.幕下優勝




2022年3月25日
カザフスタンの金峰山、7戦全勝で幕下優勝/春場所

大相撲春場所13日目の25日、幕下は日大出身で三段目100枚目格付け出しの初土俵から3場所目の金峰山(カザフスタン出身、木瀬部屋)が元十両の千代の海(高知県出身、九重部屋)との全勝同士の一番を制し、7戦全勝で優勝した。


2022年3月25日
【幕下】カザフスタン出身の金峰山が7戦全勝でV 千代の海を押し出し、来場所は幕下上位へ

十両経験が豊富な東幕下6枚目の千代の海を圧倒した。立ち合いからのど輪交じりの突きで攻め立て、一気に押し出した。「自分の相撲を取ろうという感じだった。相手も突っ張り相撲だけど、力を出させないようにした」と納得の表情だった。




2022年7月22日
元朝青龍に誘われ来日の金峰山が幕下V逃す「優勝したかった」吉井と全勝対決、物言いの末敗れる

<大相撲:名古屋場所>◇13日目◇22日◇ドルフィンズアリーナ
 カザフスタン出身初の関取を確実にしている西幕下筆頭の金峰山(25=木瀬)が、吉井との6戦全勝対決に敗れて優勝を逃した。
 立ち合い、左上手を狙った吉井が動いてきた。金峰山は「変わってくるとは思っていなかった」と意表を突かれ、先に攻められ最後は投げの打ち合い。軍配はもらったが物言い。協議の末、金峰山が落ちるのが早かったとして、軍配差し違えとなった。
 最後の黒星に悔しさを隠せない。来場所に向けて「ここからという感じ。優勝したかった」と本音をもらす。
 来日前は柔道。元横綱朝青龍のダグワドルジ氏の誘いもあり、18歳で来日。日大相撲部で活躍した。昨年九州場所、三段目100枚目格付け出しで初土俵を踏み、順調に番付を上げて来場所はいよいよ十両へ。この黒星をかてに、さらなる飛躍を目指す。


2022年7月22日
18歳・吉井が幕下優勝 金峰山破った!!「まわし取ればチャンスある」立ち合いの作戦成功



2-5.新十両



2022年7月27日
【大相撲】金峰山、カザフスタン出身で初の関取「早くなりたいと思っていたけどよかった」栃武蔵も昇進

 所要5場所でのスピード出世。その間、30勝5敗。圧倒的な強さで金峰山が関取の座をつかんだ。「うれしいです。早くなりたいと思っていたけど、よかったです」。リモートでの会見で、素直に喜びを語った。
 元横綱の朝青龍の紹介で来日。それまでは柔道をやっていたが、相撲を始めてから6年でここまで上り詰めてしまった。木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「むらっけがあるので、心のスタミナが付けば、2、3場所で(幕内に)上がっていくでしょう」と、十両はあくまで通過点と期待する。
 中央アジアに位置するカザフスタン初の関取の誕生。金峰山も「初というのが大事と思う」とうなずいた。オリンピックではボクシング、重量挙げ、レスリングなどで多くのメダルを獲得している同国だが、金峰山の活躍いかんでは日本の相撲に興味を持つ人がさらに増えるかもしれない。
 突っ張りもよし、組んでもよしの万能型だが、一番の得意は突っ張りだと自負する。重視するのは「自分の相撲を取りたい」ということ。決して先の目標は設定はしない。やることやれば、結果はおのずとついてくる。


2022年7月27日
秋場所、金峰山ら新十両に カザフ出身初の関取


2022年7月27日
金峰山が新十両昇進、カザフスタン出身初の関取に誇らしげ「初めてが一番大事。うれしいなあ」

 カザフスタン出身として初の関取となり「世界的に関取はいるけど、カザフスタンで初めてが一番大事。うれしいなあ」と誇らしげに笑った。自身の活躍で母国の相撲ファンが増えることを願っていた。
 もともとは柔道をやっていたが、元横綱朝青龍のダグワドルジ氏から「相撲を覚えれば強くなる」との誘いを受けて18歳で来日。日大相撲部では20年の学生選手権個人4強に輝き、翌21年11月の九州場所で三段目100枚目格付け出しでデビュー。191センチ、165キロの恵まれた体格で、突き・押し相撲が得意だ。
 西幕下筆頭として臨んだ今月の名古屋場所では6勝1敗。幕下優勝こそ逃したが、入門からわずか5場所でのスピード出世で十両昇進を決めた。「『けがをしないように』と師匠の言うことをちゃんと聞いて、上がることができてよかった」と振り返った。
 師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)は「入門したときから関取の力があったから、負けながら勉強していくんだろうなと思っていました」。自身の故郷熊本の山(金峰山)をしこ名に付けたことについては「誰かにつけたかった。故郷に恩返しできた気持ちになりますよね。とりあえず十両に上がったことでホッとしてます」と心境を述べた。来場所から15日間相撲を取ることになる上でのアドバイスとして「心のスタミナをつけてほしい」と訴えた。
 同じ木瀬部屋には幕内の宇良、志摩ノ海を筆頭に、関取衆がこれで6人在籍することになった。他にも角界初の東大出身で序ノ口の須山が在籍するなど個性豊かな人材がそろう。師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)は「みんなが仲良くやっている。ここが悪いなら悪いと先輩が言ってくれる、それがいいと思っています」と風通しの良い環境が多くの有望力士たちを育てる要因になっていることを挙げた。
 十両昇進を決めても、浮かれることはない。金峰山は「(目標は)何もないですけど、上ばかり考えて上がれなかったらアウトなので、幕内なら幕内で1つずつ考えたい」。磨き上げた自慢の突っ張りを武器に、一歩一歩階段を上っていく。


2022年7月27日
新十両・金峰山「カザフスタンで初めてというのが一番大事」同国出身初の関取誕生に感慨

 大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)での新十両昇進が決まった金峰山(25=木瀬部屋)が部屋からオンライン会見を行った。
 カザフスタン出身初の関取誕生に「うれしい。世界的に関取はいっぱいいるけどカザフスタンで初めてというのが一番大事」と誇らしげに語った。
 日大で全日本選手権準優勝など数々の実績を残して三段目付け出しで昨年九州場所デビュー。所要わずか5場所でまだ髷も結えていない。1メートル91、165キロの堂々たる体格で突き押しでも四つでも取れる。師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)は「何でもできるからどういう力士になるかイメージが湧かない」としながらも、「15日間取れる心のスタミナをつければ2、3場所で(幕内に)上がっていく」と素質の高さを評価した。
 日本で相撲を始めてからまだ6年。相撲の魅力は「番付が上でも下でも勝てる時があれば負ける時は負ける。それがおもしろいところ」だという。今後は「親方の言うことを聞いて体を大事にして自分の相撲を取りたい」と抱負を語った。
 ◇金峰山 晴樹(きんぼうざん・はるき)本名=バルタグル・イェルシン。1997年6月24日生まれ、カザフスタン出身の25歳。元横綱・朝青龍の紹介によって18歳で来日し、日出高(現・目黒日大高)に転入。日大で相撲を始め、3年時に全国学生体重別大会135キロ以上級準優勝、全日本選手権準優勝。4年時に全国学生体重別大会135キロ以上級優勝、東日本学生選手権優勝、全国学生選手権3位。21年九州場所、三段目100枚目格付け出しで初土俵。22年春場所で幕下優勝。1メートル91、165キロ。


2022年7月27日
カザフの怪物・金峰山が新十両 木瀬親方は「2。3場所で幕内に上がれる」と太鼓判

 「早かったですけど、早く(十両)に上がりたいと思っていたので、これもいいかなと思います。名古屋は頑張れる所まで頑張ろうと思っていました。(負けた相撲は)緊張はそれほどなかったですけど、勝ったら優勝だなと思って、勝ちに行きました」と自分の相撲が取れなかったことを後悔していた。
 しこ名の金峰山は師匠でもある木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)の故郷(熊本)にある金峰火山群の主峰が由来となっている。「いつか自分の弟子にこのしこ名を付けさせたいと思っていました。これで自分の故郷恩返しできたような気がします」と木瀬親方も感無量の様子だった。
 組んで良し、離れて良しの万能型だが、金峰山は自分の持ち味を「突っ張り」と分析している。木瀬親方は「なんでも出来る力士だが、器用貧乏なところもある」と早く自分の形を見つけてほしいと注文を付けるのを忘れなかった。それでも素質は一級品。入門した時に関取の力はあると確信したという。「15日間、戦える心のスタミナさえつけば2、3場所で上(幕内)に上がれると思っていました。おそらく負けながら勉強していくんでしょうね」と太鼓判。楽しみな力士がまた十両に昇進した。






2022年9月5日
新十両・金峰山が関取衆を圧倒「四つでも突っ張りでもいける」秋場所快進撃に期待

 大相撲秋場所(11日初日、東京・両国国技館)を新十両で迎えるカザフスタン出身の金峰山(25=木瀬部屋)が5日、同部屋で稽古を行い、報道陣の取材に応じた。
 この日は申し合い稽古で幕内・宇良(30)らと計9番取って6勝3敗。十両・志摩ノ海(33)を一方的に突き出したり十両・英乃海(33)を右差し左前まわしで圧倒するなど新十両とは思えない強さを見せた。「右四つでも左四つでも突っ張りでも、どっちでもいける」と万能な相撲を取る。宇良には土俵際の逆転で1勝したが、その後の2番は速い動きに翻弄されて敗れた。「やりにくいですね、低いし下から来るので」と苦手意識を口にしたが、宇良は「恐ろしいですよね、怖いし。(相撲取るのは)嫌です」と苦笑いしていた。
 新十両場所での目標は「あまり考えていない。とりあえず勝ち越して、体を大事にしてケガしないように」と控えめだったが、この実力なら大勝ちも予想される。デビュー6場所目でまだ髷が結えずザンバラ髪で十両の土俵に上がる予定。1メートル92、176キロの巨体を生かした力強い相撲がどこまで通用するか、カザフスタン出身力士の快進撃に期待が高まる。


2022年9月5日
カザフスタン出身初の関取金峰山に大器の風格、スピード出世の証し「ザンバラ」姿で秋場所に臨む

 大相撲でカザフスタン出身初の関取となった新十両の西十両12枚目金峰山(25=木瀬)が5日、都内の部屋での稽古後に取材に応じ、柔軟な相撲で秋場所(11日初日、東京・両国国技館)に臨む姿勢を見せた。この日は平幕の宇良や十両志摩ノ海らの関取衆との申し合い稽古で9番取って調整。192センチ、176キロの体格を生かした激しい立ち合い、四つや突き押し、投げなど多彩な取り口を見せた。
 自身の相撲の型を「右四つでも左四つでも。つっぱりでも」と説明した。決して定まっていないわけではなく「相撲は何とかなったら、何とかしないといけない。どっちでもいけるようにしている」と土俵上で柔軟に対応するために四つも突き押しも磨いているという。
 土俵入りで締める化粧まわしは、出身の日大から贈呈されたという。まもなく始まる秋場所。稽古中は長く伸びた髪をまとめていたが、まだまげは結えず「秋場所はザンバラです」とスピード出世の証しのザンバラ姿で臨む。目標は「とりあえず勝ち越しで。ケガしないように頑張りたい」と控えめだが、大器の風格は漂っていた。




2022年9月11日
カザフスタン出身の新十両・金峰山が白星発進 大学時代に敗れた同学年の欧勝馬に雪辱

 突っ張ってから左上手を取りに行き、最後は相手が引いたところを前に出て押し出した。突き押しでも四つでも取れる万能タイプ。「何も考えてないけど前に出ようと」と体が自然に反応した。
 同学年の2人はプロでは初顔だが、学生時代に一度だけ対戦。一昨年の全国学生選手権の個人戦準決勝で欧勝馬に上手出し投げで敗れていた。「インカレで負けているので嫌なタイプの相手」と警戒するライバルを破って好スタート。今場所の目標は「腰を下ろして前に出る自分の相撲を取るだけ。ケガしないように頑張りたい」と無欲を強調した。


2022年9月11日
新十両・金峰山2連勝 連日の同学年ライバル相手に「できれば当たりたくない」

 カザフスタン出身の新十両・金峰山(25=木瀬部屋)が豪ノ山(24=武隈部屋)を上手捻りで破って2連勝とした。
 立ち合い突き起こしてから右で肩越しの上手に手を掛けてはたき落とした。「いなしたら相手が落ちていてびっくりしました」と予想外の勝ち方だった。
 豪ノ山とは同学年で、大学3年時の全日本選手権準々決勝で対戦した時は突き落としで勝っていた。初日の欧勝馬(25=鳴戸部屋)に続いて2日連続で同学年ライバルに勝利。「大学で当たりすぎてどんな相撲取るか分かるんですよ。できれば当たりたくないです」と苦笑いした。今場所同じく新十両の栃武蔵(23=春日野部屋)も同学年。将来有望なこの3人とは今後さらに上の番付で何度も対戦していくことになるだろう。


2022年9月23日
やはり相撲は幕内に限る…十両に時間をかけ過ぎてしまった、私の読みが浅かった【北の富士コラム】

◇22日 大相撲秋場所12日目(両国国技館)
 十両に入って金峰山に注目。まげはまだ結っていない。体は大きい。バランスも良い。そして、相撲内容も素晴らしい。長身だが頭で当たってもよく、腰が下りて足もある。この勢いで早い入幕も夢ではない。


2022年9月23日
新十両の金峰山「うれしい」勝ち越し「幕下とは全然違う。慣れるしかないな」初々しく語る

<大相撲秋場所>◇13日目◇23日◇東京・両国国技館
 新十両の西12枚目金峰山(25=木瀬)が勝ち越しを決めた。
 幕内経験者の輝と激しい攻防。突き放しにくる左腕をたぐり、押し出した。「まわし取りたかったですけど、取れなくて我慢したッスね」と振り返り、勝ち越しには「うれしいです」と表情をほころばせた。
 カザフスタン出身初の関取は、まだまげも結えないざんばら髪。初めての十両の土俵を「やっぱり疲れるなと。幕下とは全然違う。慣れるしかないなと思う」と初々しく語った。


2022年9月26日
大相撲 金峰山関、新十両昇進  スポーツ科出身で初の関取




2022年9月29日
十両の金峰山、欧勝馬ら385~387期生が相撲教習所を卒業



2-6.新入幕


番付発表会見 新入幕 金峰山 <令和5年三月場所> SUMO
日本相撲協会公式チャンネル


2023年2月27日
カザフスタン出身初の新入幕・金峰山 所要8場所も「本当はもっと早く上がりたかった」

 日本相撲協会は27日、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。
 新入幕を果たした金峰山(25=木瀬部屋)は東京・両国国技館内で会見を行い「うれしいです」と素直に喜びを表した。デビューから所要8場所での昇進は、三段目付け出しでは豊山の7場所に次ぐ2位のスピード記録。まだ大銀杏(おおいちょう)が結えないほどの出世の早さにも「本当はもっと早く、できれば1~2場所早く上がりたかった」と向上心をのぞかせた。
 カザフスタン出身初の幕内力士が誕生。自身の活躍をきっかけに母国でもっと相撲が発展することを願い「カザフスタンのお相撲さん1人じゃなくて、関取目指してまた何人か若い衆に来てほしい」と呼びかけた。今月中旬には10日間の一時帰国。家族と約1年ぶりに再会して英気を養った。
 1メートル92、174キロの巨体から繰り出す強烈な突っ張りが武器。18歳で来日してから相撲を始めたが、日大4年時には3大会連続優勝を含む公式戦22連勝を記録するなど活躍した。この頃から突っ張りの威力は群を抜いており、大相撲でもそれを磨いてきた。四つに組んでも力を発揮できたが、師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)から「右四つに組まないように、前に出て突っ張るだけ」と指導され、初場所あたりから突き押しに徹することに。初場所13日目には元大関の朝乃山(28=高砂部屋)を相手に土俵際まで押し込んで善戦した。会見に同席した師匠は「突っ張ったときの強さが違う。朝乃山に負けたけど、突っ張っていけばもっていけると自信につながったと思う」と評価。新入幕での勝ち星は「10番ぐらいは」と期待した。
 金峰山は初めて幕内の土俵で戦う春場所へ「まずはケガしないように勝ち越し目指して」と控えめに目標を述べた。大阪場所に臨むのは、幕下優勝した昨年に続いて2度目。「大阪のからあげとかたこ焼きは好きですね。おいしいです」と笑顔を見せ、新入幕の大活躍を予感させた。
 ◇金峰山 晴樹(きんぼうざん・はるき)本名=バルタグル・イェルシン。1997年6月24日生まれ、カザフスタン出身の25歳。元横綱・朝青龍の紹介によって18歳で来日し、日出高(現・目黒日大高)に転入。日大で相撲を始め、3年時に全国学生体重別大会135キロ以上級準優勝、全日本選手権準優勝。4年時に全国学生体重別大会135キロ以上級優勝、東日本学生選手権優勝、全国学生選手権3位。21年九州場所、三段目100枚目格付け出しで初土俵。22年春場所で幕下優勝。22年秋場所で新十両。23年春場所で新入幕。1メートル92、174キロ。


2023年3月2日(途中から有料記事)
きっかけはあの人の「足でかいな」カザフスタン初の幕内・金峰山

 大相撲春場所でカザフスタン出身の金峰山(25)=きんぼうざん、本名・バルタグル・イェルシン、木瀬部屋=が新入幕を果たし、同国出身者で初の幕内力士となった。角界入りのきっかけは、あの人の一言だ。
 「足、でかいな」
 カザフスタン南部のアルマトイ出身で柔道に打ち込んでいた頃、ある柔道の大会で大柄な男性に声をかけられた。
 声の主は元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジさん(42)。思わぬ形で角界にスカウトされ、「昔のお相撲さんとだけ知っていたけど、話した後にネットで調べたらすごい人だなと思った」と驚いた。
 18歳で来日し、東京・日出高(現目黒日大高)で相撲を始めた。当初は「『何のスポーツだろう』と思っていて、気持ちや技もいろいろと分からなかった」






2023年3月15日(途中から有料記事)
カザフスタン出身の金峰山 大使館が挙げた力の源は「伝統」「好物」


2023年3月16日
“若手ナンバーワン”金峰山晴樹は朝青龍も認める「カザフスタンの怪物」

 潜在能力は「若手ナンバーワン」ともっぱらだ。
 世界最大の内陸国、中央アジアに位置するカザフスタン出身。母国では柔道に励んでいたが、たまたま現地を視察していた元横綱朝青龍の目に留まり、「相撲をやるべきだ」と勧誘され、目黒日大高に編入。その後は日大に進学し、相撲歴は浅いながらも3年次の全日本選手権では準Vとなった。
 2021年に日大と縁の深い木瀬部屋に三段目付け出しで入門。三段目と幕下を5場所で通過しカザフスタン出身力士として初の関取となった。同郷の先輩力士には風冨山(14年に引退)がいるが、こちらは幕下止まり。十両も3場所で通過し今場所新入幕である。
 もっとも、角界では「1場所か2場所、入幕が遅かった」といわれている。幕下と十両で1場所ずつ、もたついたのが原因だ。

■正攻法が持ち味
「所要9場所の新入幕は十分早いが、それだけ期待されている力士ですからね。基本は突き押しで、突っ張りは一発一発が重い。先場所は元大関の朝乃山に突き落としで敗れたもののパワーで圧倒。真正面からの突き押しで、朝乃山を土俵際に追い詰めていましたからね。それでいて、四つ相撲にも対応できる。組んで引き付けてからの寄りも武器のひとつです。大卒力士にありがちな変化や引き技はあまり使わず、正攻法が持ち味です」(角界関係者)
 師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は、「当面は押し相撲だけでいい」と、多くは教えていない。あれもこれもと詰め込むよりは、長所を伸ばす方針だという。
 高校時代から日本に留学していたこともあり、日本語はペラペラ。食事にも順応しており、母国の食文化にはない刺し身や寿司が大好物だという。
 「ただ、イスラム教徒なので酒や豚肉はNG。木瀬部屋ではちゃんこに豚肉を使う場合、金峰山用を別に作っています」(タニマチ筋)
 大ケガさえしなければ、「三役は通過点」といわれている。頂点を掴めるか。



2023年3月26日
敢闘賞は金峰山が初受賞、敗れた翠富士は逃す 技能賞は大栄翔と霧馬山 殊勲賞は候補者なし

<大相撲春場所>◇千秋楽◇26日◇エディオンアリーナ大阪 
 敢闘賞は、新入幕で11勝4敗の好成績を収めた、東前頭14枚目の金峰山(25=木瀬)が三賞初受賞を決めた。




2023年4月12日
春場所敢闘賞の金峰山に母校から化粧まわし贈呈 カザフスタン国旗をアレンジ、カエルも描かれる

 3月の大相撲春場所で、新入幕で11勝を挙げて敢闘賞を受賞した、カザフスタン出身の金峰山(25=木瀬)が12日、母校の目黒日大高を含む、目黒日本大学学園から化粧まわしを贈呈された。東京・目黒区の同校で贈呈式が行われ、金峰山は「先生方が化粧まわしをつくってくれて、うれしいです。来場所、優勝するために頑張りますので、応援よろしくお願いします」とあいさつ。大きな拍手を浴びた。化粧まわしは3本目で、次の夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)から、他の2本と着ける日を分けながら、土俵入りする計画だ。
 化粧まわしは、カザフスタン国旗をアレンジしたデザインで、しこ名の由来となった金峰山や、カエルが描かれている。贈呈した目黒日本大学学園の小梛治宣理事長は「このデザインに1年以上の時間をかけました。金峰山関が着けて恥ずかしくなく、そして目立つ図案の化粧まわし。金峰山関は、これから大いに期待できる力士なので、三役はすぐでしょう。そして大関、横綱と駆け上っていただきたいという思いを、この化粧まわしに込めています。『金峰山関を横綱にする会』をつくりたいですし(その場合は)私が会長を」と期待した。
 同理事長はさらに、カエルをデザインに組み込んだことについて「かえる跳びみたいに一気に横綱に駆け上ってほしいというのと、初心にカエルという意味で」と付け加えた。カエルを描かれたことについて金峰山は「カザフスタンでもカエルは悪いイメージじゃないです。カザフスタンで住んでいたところのすぐ近く、10メートルぐらいのところにも池があって、よく見かけたし、触っていました。食べはしないです(笑い)。ただカザフスタン語だとカエルは『バカ』。日本語だと全然違う意味になる(笑い)」と、明るく話し、気に入っている様子だ。
 金峰山は、18歳で校名変更前の当時の日出学園に3年として編入した。その後、日大に進み、大相撲では三段目100枚目格付け出しから、21年九州場所で番付デビュー。昨年秋場所で新十両と、順調に出世してきた。まだ髪の長さが足りず、大銀杏(おおいちょう)を結うことができておらず「5月もちょんまげ。大銀杏は7月だと思う」。学校を訪れたのは17年3月に卒業して以来だといい「懐かしい。(日本に)来た時は日本語が分からなくて」と、英語で教師から勉強を教えてもらっていた高校時代を思い出していた。
 横綱への期待をかけられたが、当の金峰山は「そんなに大きくは考えていない」と、まだ現実的な目標とはとらえていない様子だ。むしろ次の夏場所に向けて「ケガなく相撲を取って勝ち越したい」と、謙虚に話した。この日は初参加の巡業の合間。4日の愛知・岡崎市での巡業では、稽古で左太もも裏を痛め、テーピングを施している。「たぶん肉離れだと思う。変な音がした」という。それでも「巡業中は関取衆と稽古したい」と、ほぼ折り返し点となっている、残りの巡業にも意欲的。力をつけて、ケガも完治させて、来場所への準備を進めるつもりだ。


2023年4月12日
春場所敢闘賞の金峰山に母校・目黒日大高から化粧まわし贈呈 デザインに込められた思いと期待

 大相撲春場所で敢闘賞を受賞した幕内・金峰山(25=木瀬部屋)が12日、母校の目黒日大高で行われた化粧まわし贈呈式に出席した。
 贈られた化粧まわしの図柄は、母国・カザフスタンの国旗をイメージした青地に太陽のデザインに、山とカエルのイラストが加わったもの。山は、しこ名にもなった熊本の「金峰山」。カエルは、相撲を始めた原点でもある母校を思い出して「初心に返る」意味と、「カエル跳びで一気に番付を駆け上がる」という意味が込められている。目黒日本大学学園の小梛治宣理事長は「目立つ図案にした。デザインに1年以上かけた」と、新十両昇進が決まる昨年7月よりも前から熟考していたことを明かした。
 いろいろな思いが込められた化粧まわしをもらった金峰山は「先生方が作ってくれたから大事にしないといけない」と活躍して恩返しすることを誓った。春場所は新入幕ながら11勝を挙げて敢闘賞を受賞し、潜在能力の高さを示した。近い将来、横綱や大関にもなり得る期待の大きな逸材。少し気は早いが「綱獲り(ツナ・鳥)を祈念して」と、ツナ缶と焼き鳥缶が学校近くの権之助坂商店街から贈呈された。
 金峰山は18歳だった16年春に来日し、日出高校(現・目黒日大)通信制課程の3年生として編入。「来た時は日本語が全く分からなかった」というが、1年間学校に通って日本語を猛勉強し、日大相撲部で稽古に励んだ。母校を訪れるのは、卒業した17年春以来6年ぶり。「この道とか階段とかよく歩いたなと、久しぶりに来て懐かしい」と当時を思い出していた。当時は同校に相撲部はなかったが、近年では昨年の全国高校選抜大会個人優勝者を輩出するなど強豪校に成長。学校の名前が入った化粧まわしを締めることで「稽古していればここまで来れるよって見せたい」と後輩たちへエールを送った。
 夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)では番付を大きく上げて初めての横綱大関戦も予想される。目標を問われると「勝ち越してケガしないように」といつものフレーズを繰り返したが、学校関係者への謝辞では「来場所優勝するために頑張りますので応援よろしくお願いします」と大きな目標を掲げた。



2-8.幕内での取組


NHK大相撲サイトの金峰山関のページ




2023年5月23日
金峰山が貴景勝に初対戦で勝利!「うれしいですね」ちょんまげ力士の大関撃破は御嶽海以来7年ぶり

大相撲夏場所10日目 ( 2023年5月23日 東京・両国国技館 )
 幕内・金峰山(25=木瀬部屋)が大関・貴景勝(26=常盤山部屋)を破って4勝6敗とした。
 立ち合い左前ミツに手がかかるとすぐに切られたが、貴景勝の左突き落としに乗じて前へ。突き放しに変えてどんどん前に出て大関を押し出した。横綱初挑戦だった7日目の照ノ富士戦では何もできずに完敗したが、大関初挑戦で初勝利。「うれしいですね」と喜びながらも「(貴景勝は)ケガしている気がする。いつも通りじゃなかった」と、4敗目を喫したカド番大関を思いやった。
 カザフスタン出身の25歳。日大を経て21年九州場所で三段目付け出しデビュー。入門から1年半しか経っていないため大銀杏はまだ結えない。スピード出世の証である「ちょんまげ」姿で大関から白星を挙げるのは、16年名古屋場所で当時の大関・照ノ富士を破った御嶽海以来7年ぶりのことだった。




2023年6月6日(途中から有料記事)
カザフスタン初の関取は孝行息子

 4年ぶりに開催された「靖国神社奉納大相撲」。三月大阪場所を終えた力士たちによる春巡業の行事のひとつで、入場無料ということもあり、今年は多くの外国人観光客も訪れていた。
 先の春場所で新入幕力士として土俵に上がり、11勝4敗の好成績で敢闘賞を受賞した金峰山は、もちろん巡業初参加だ。カザフスタン初の幕内力士である、本名バルタグル・イェルシン青年が満面の笑みでいう。
 「巡業地では、みんなで稽古してお風呂に入り、ごはんを食べ、バスに乗り込んで移動するんですね。初めてのことで慣れてないし憶えなきゃいけないことばかりでしたが、部屋の兄弟子の宇良関にいろいろ教えてもらい、貴重な経験でした。巡業は楽しかったですよ」
 三賞受賞の賞金200万円の使い道を訊いてみると、「半分は故郷の家族に送りました。あとは、体に良くてよく眠れるというマットレスなどを買いました」
 元横綱朝青龍の口利きで高校時代から日本に相撲留学をし、日大相撲部時代は4年次に全国学生選手権で3位に。卒業後は木瀬部屋に入門し、三段目付け出しとして2021年11月に初土俵を踏んだ。それからわずか八場所でのスピード出世だ。木瀬部屋の部屋付き親方として金峰山を指導し、日大相撲部の先輩にあたる稲川親方(元普天王)が、こんな素顔を明かしてくれた。
 「宗教上の理由でお酒を飲めないし、豚肉も食べられないんですね。部屋でのちゃんこは、彼のために豚肉を鶏肉に代えて特別メニューを作ってあげています。お酒は飲まなくても酒席の雰囲気は好きみたいですよ(笑)」




2023年11月12日
“大相撲”人気力士所属部屋「ガサ入れ」大騒動!(3)四股名の由来の山を見てガッカリ

「最近は、番付上位の力士たちが星を食い合う傾向が強い。それだけに、上位と取組を編成されない番付中位〜下位の活躍ぶりが目立ちます。先場所で敢闘賞を受賞した熱海富士がいい例。再入幕の前頭15枚目ながら千秋楽まで優勝争いを見せてくれました。今場所もダークホースとして期待できる力士が複数人います」(スポーツ紙デスク)
 その筆頭候補が前頭7枚目の金峰山(26)である。 
「中央アジアに位置するカザフスタン出身の大型力士です。来日前は柔道をやっていましたが、その才能を元横綱・朝青龍に見込まれて相撲に転向。アマチュア相撲の名門・日本大学相撲部で突き押し相撲を磨いてきました。その一方で、四つに組まれても柔軟に対応する器用な相撲も取れる。今年の春場所で新入幕ながら敢闘賞を獲得したのも頷けます」(スポーツ紙デスク)
 新進気鋭の外国人力士の四股名は熊本県にある「金峰山」に由来する。
「師匠の木瀬親方(54)=元前頭肥後ノ海=のこだわりです。かねてから、故郷の山の名前を弟子につけたかったみたい。ただ、金峰山本人はあまりお気に召していない様子。というのも、富士山ぐらいのスケールを想像していたようですが、実物は東京の高尾山ぐらいの標高のローカルな山。実際に熊本に足を運んで『こんな小さい山なんだ‥‥』とガッカリしたそうです」(角界関係者)




2024年1月17日
金峰山が通算100勝「早過ぎたかな」初土俵から約2年でスピード到達に本人も驚き




木瀬部屋の足圧ボディケア【相撲/Sumo】Sokuatsu body care
木瀬部屋TV【相撲 Sumo】KisebeyaTV

金峰山関が、終始気持ちよさそうに踏み踏みされ続ける、だいぶシュールな動画。おまけ動画で師匠まで踏み踏みされ、恍惚の表情で追いシュール。
とても良い。




(後記)


今回、金峰山関のリサーチを進める過程で、関取の本名について、どうやら自分が長い間勘違いをしていた可能性に気づいた。

私は学生相撲の頃から金峰山関の取組を見ていたので、てっきり「イェルシン」は姓(ファミリーネーム)だとばかり思っていたが、どうやら名前(ファーストネーム)のようだ。

なにぶんカザフ語がわからないもので、Ерсін Балтағұл(カザフ語:イェルシーン・バルタグール)では、姓と名の区別が良くわからない。

ところが、カザフスタンのテレビ局が作成したロシア語動画では、Ерсин БАЛТАГУЛОВ (ロシア語:イェルシーン・バルタグーロフ)と、姓がロシア化・大文字表記されて明示・強調されていた。

これにより、Балтағұл(Балтагулов)がどうやら姓らしいということが、ロシア語を解する視聴者に伝わるようになっている。

(カザフ人の姓をロシア風に表記することの是非については、筆者は当該地域の現状に明るくないので、判断する能力が無い。ただ、当該動画の制作スタッフ(複数)の氏名は、カザフスタンもしくは中央アジア諸国の人々のもののように思われるので、表面的には現地の人々の判断で表記が選ばれているように思われる)

話を戻すと、「イェルシン」は金峰山関のファーストネームのようだということ。

もしかして、学生相撲の外国人力士は、全員ファーストネームでエントリーしているのかな?アマルさんとか、デギーさんとか・・・(今さら気づく)