見出し画像

狼雅 新入幕会見




1.狼雅 新入幕会見(日本相撲協会公式Youtube)


九州場所の初日まであと4日。

狼雅関(東前頭16枚目、以下敬称略)の新入幕インタビューが、日本相撲協会の公式Youtubeで公開された。

文字起こしをしてみたので、掲載したい。

負けられない思いとは。狼雅 新入幕会見 SUMO
日本相撲協会公式チャンネル(2023年11月5日)

出典:日本相撲協会Youtube
出典:日本相撲協会Youtube
出典:日本相撲協会Youtube


2.狼雅 新入幕会見 文字起こし


※「あの」「まあ」などの冗語は省略。 「そっすね」「ちょっと」などの口癖についても、テクストへの反映は最小限にした。

Q. 幕内に昇進して

狼雅
「素直に嬉しいです。これからも、しっかりもっと稽古して、もっと強くならなきゃいけないなと感じました。初土俵も九州(場所)だったので。新十両も九州だったので。今場所も、新入幕も九州だったので嬉しいですね」

Q. 家族への報告は

狼雅
「お母さんはあんまり相撲に詳しくないので、多分言ってもあんまりわからないと思うんですけど、一応ちょっと強くなったよっていう報告をしたので。でも、いつもケガするなよって言われているので。それだけですね」

Q. 入門から5年で入幕は長かったか

狼雅
「少し長かったと思います。でも、これからなので。しっかり頑張ります」

Q. どういう考えで相撲をとってきたか

狼雅
「自分は、一日一番という。しっかり自分の相撲を取り切るということを、いつも師匠に言われているので。ちゃんと攻める相撲を毎日考えながら、相撲を取っています」

Q. 昇進できたキッカケ

狼雅
「先場所の千秋楽の朝、師匠の言葉が無かったら、もしかしたら負けてるかもしれないなと。師匠がその言葉を(狼雅に)与えて、気持ちもしっかり入ったので。そこでちゃんと決めて、嬉しかったですね」

Q. 師匠からは何と言われた?

狼雅
「いつも大事な時は負けているので。今日は主役やって来いと言われたので。それでもうだいぶ気持ちが入ったので。しっかり師匠の前で決めて嬉しかったですね(破顔)」
(注:9月場所千秋楽、狼雅は、行司溜白房下で審判を務める師匠・二子山親方の目の前で勝ち越しを決め、新入幕を確実なものにした。補足に動画を添付)

二子山親方(元大関 雅山)
「ちょっと、いつも脇役ばかりだったので。脇役じゃなくて、主役で帰って来いと。ひとこと、朝。まあ、相撲のアドバイスは一切していませんけど。それのみ。ひとこと言って、稽古場から上がりましたけど、私は。しっかり本人が気合入ってくれたんなら、良かったなと思いますね」

Q. 弟子の昇進について

二子山親方
「さきほどの質問で、ちょっと本人が長かったって話をしていましたけど。まだ24歳ですし、順調に来てるかなと思いますし。ほかの同級生や同期生に比べると、ちょっと遅れを取ったのはあるかもしれないですけど。まあ、まだ24歳なので、全然早いと思っていますし。ちょっとやはり本人も、力強い相撲なんですけども、ちょっとやはりこう、しなやかさが無くて。筋力が硬い力士なので。体重を増加するのにちょっと苦労しましたんで。自分の筋肉に対して理解力が足りなかったけれど、十両入ってから私の言う事をしっかり聞いてやっていますから、順調に体重も増やしてやれてるなあと思いますし。今回初巡業に出て、私の見ていない所で、一か月ちゃんとやっていたのを報告で色々聞いていますけど。体重とかもしっかり増やせていれば、問題なく今場所もやり切れていい成績が残せるかなと思っています」

二子山親方
「新入りで一番最初のデビューも九州、新十両も九州、今回の新入幕も九州と。本当に、相撲人生って、そうやって節目節目って、誰でもあるのと一緒で、彼にとっては九州が一番節目の場所なんでしょうね。本当に焦らなくていいと。本当に来年(幕内に)上がってくれればいいという思いで、ずっと本人にも言ってましたけど、まあ一場所早かったのは、本人が努力した結果なんじゃないでしょうかね」

Q. 部屋はじめての幕内力士
(注:親方が二子山部屋を継承して初の幕内力士)

二子山親方
「それは先ほどの話、プラス、どうしても高校横綱になって、名誉なことなんですけど、ちょっとそれが彼にとってすごくプレッシャーだったのかなと、正直ありますね。だから、他の部屋を例に出して申し訳ないけれど、北の若もやっぱり恐らくは色んな苦労があったのかなと思いますし。そういった意味でも、二人そろって(途中、親方「あいつも高校横綱だよな?」狼雅「そうっすね」のやりとり)、二人そろって、苦労した分、同じ場所で上がれたのは良かったのかなと思います」

Q. どこが良くなったのか

二子山親方
「幕下で少し長かったのは、やはり体がちょっと大きくなかった、プラス、攻めが遅かった部分があったので、そういった所で本人も悔しい思いをしていましたし。わかっていても攻められなかったり、攻めなかったりしていましたので。どうせ後悔するなら、前に出て負けた方が後悔は無いですから。そういったこともしっかり言葉でわかって、相撲にそれが出ていましたので。そういった結果が、大勝ちは無かったですけれども、しっかり勝って来たのかなと思います」

Q. 活躍している同学年の力士について

狼雅
「すぐ、早目に追いついて、当たりたいなと思いますね。当たったら、負けない気持ちで行きますね」

Q. どういう相撲をとりたいか

狼雅
「自分は立ち合いから左前みつを取るのは意識しているので。今もそうなんですけど、(左前みつが)取れなかったら焦る気持ちもあるので。それはちょっとダメだなあと思っているので。まあ、取れなくても、ちゃんとしっかり攻めながら自分の形に持って行ける相撲を、もっと取りたいなあと思っています。変わらず、しっかり自分の相撲を信じて、相撲を取り続けて行きたいなあと思っています」

Q. 九州場所の目標

狼雅
「そうですね、今場所の目標は二桁ですね。しっかり頑張ります」

*   *   *   *   *

(補足)


(1)狼雅の9月場所の全取組動画(NHK大相撲取組動画サイト)


(2)9月場所千秋楽 十両 狼雅-大の里(NHK大相撲取組動画サイト)

師匠・二子山親方の目の前で勝ち越し、新入幕を掴んだ。
大の里が敗れたことで、一山本の十両優勝が確定した。

(9月場所で十両優勝した一山本のコメント)※ 狼雅とのエピソード抜粋
「2回は勝てないから(大の里との)優勝決定戦にはなってほしくないなと思っていたんです。でもとりあえず自分は勝つしかないから思いっきりいって、あとはただひたすら支度部屋で祈っていました。(大の里との対戦相手だった)狼雅に、土俵入り前に『頼むぞ!』って声を掛けたら『任せてください』と言ってくれて。彼も新入幕がかかっていましたから、勝ってくれて本当によかったです。僕は一人、支度部屋でガッツポーズ。そして、狼雅が帰ってきたとき『ありがとう』と言って抱き合いました。今度メシでもおごってやらないといかんですね(笑)」
(出典:Yahooニュース、10月25日付)


(3)狼雅の左前みつについて、朝乃山の発言(2023年初場所6日目)

「相四つの右四つだったんですけど、僕から見ると、相手の方が相撲も上手いですし、左前ミツの取り方は僕よりはるかに上手い。(理想は)今日の狼雅関のああいう相撲ですね」
(出典:スポーツ報知、2023年1月13日付)


(4)狼雅 新入幕会見別角度フルバージョン(二子山部屋公式Youtube、字幕付)

※ 2023年11月12日追加


(5)SUMO PRIME TIME特集(過去の新入幕会見)文字起こし

※ 2024年3月20日追加


3.狼雅の高校横綱の動画


2017年、宮城県で開催されたインターハイ。

相撲の個人決勝で、鳥取城北高校3年のアマルサナー(狼雅)と、日体大柏高校3年のビャンバスレン(大関・豊昇龍)が対決。

見事、アマルサナー(狼雅)が外国出身初の高校横綱に。

この時は、まだモンゴル出身の選手として出場していた(父がモンゴル人)。

現在、大相撲の世界では、ロシア連邦トゥヴァ共和国出身の力士として土俵に上がっている(母がトゥヴァ人)。

(1)アマルサナー(狼雅)vs ビャンバスレン(大関・豊昇龍)

出典:Youtubeチャンネル「すもてれ」

(2)アマルサナー(狼雅) 高校横綱インタビュー

出典:Youtubeチャンネル「すもてれ」

とても良いインタビュー。感極まってマイクを放さない狼雅。

日本語はまだ少しぎこちないが、とても流暢。現在は、さらに自然な日本語に進化している。

出典:Youtubeチャンネル「すもてれ」
出典:Youtubeチャンネル「すもてれ」
出典:Youtubeチャンネル「すもてれ」
出典:「高校横綱はアマルサナー 高校総体、元朝青龍のおい下す」
(日本経済新聞、2017年8月5日付)
出典: 「高校横綱はアマルサナー 朝青龍のおいとの決勝制す」
(産経新聞、2017年8月5日付)


4.狼雅のプロフィール


(1)日本相撲協会


(2)Wikipedia



(※ 2024年4月6日追加)


※ ヘッダー写真の出典は「高校横綱はアマルサナー 高校総体、元朝青龍のおい下す」(日本経済新聞、2017年8月5日付)。