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獅司 『岩本勉のまいどスポーツ』インタビュー(2024年2月19日放送)文字起こし

Інтерв'ю з Шіші (Сергієм Соколовським) по радіо
Интервью с Шиши (Сергеем Соколовским) по радио


2月に、獅司関のインタビューが、文化放送『岩本勉のまいどスポーツ』でオンエアされた。春場所に向けての大阪移動の前日に収録されたそうだ。


このインタビューが、ポッドキャスト『オリハの今まで知らなかったウクライナ』で公開されたので、文字起こしをしてみた。

ポッドキャストの長さが約23分と長いので、獅司関のインタビューの箇所について、適宜おおまかな見出しをつける。




文字起こし


オリハの今まで知らなかったウクライナ
#26 ウクライナから大相撲の世界へ!獅司大さん とウクライナのスポーツについて

オリハ ✨🎧 知らなかったウクライナ on Instagram: "#26 「ウクライナから大相撲の世界へ!獅司大さんとウクライナのスポーツについて」 今回は、久保朱莉アナウンサーと共に、ウクライナ出身の大相撲力士、獅司大さんに取材しました。 獅司関は2018年から日本に住んでおり、相撲界で素晴らしい成績を収めています。 ウクライナでは相撲はどれほどの人気なのでしょうか? また、獅司関の日本での生活と、故郷であるウクライナのザポリジャ州メリトポリ市周辺への思いもお聞きしました。 さらに、ウクライナ人が世界で活躍しているスポーツについてもお話しています。 空手道や柔道ではオリンピックメダルを獲得するまで!? 本日の15時から配信中です! ぜひ聴いてみてください!🎧Podcast 「オリハの今まで知らなかったウクライナ」🇺🇦 https://podcastqr.joqr.co.jp/programs/oliha プロフィールのリンクから聴いてください♪🎧✨  #獅司  #獅司関 #ウクライナ #ウクライナ人 #相撲 #雷部屋 #春場所 #スポーツ #文化放送 #インタビュー" oriha_ukraine on March 11, 2024: "#26 「ウクライナから大相撲の世界へ!獅司大さんと www.instagram.com



(番組オープニング・導入:大相撲トーナメント)


(音声:オープニングミュージック)

オリハさん(以下、「オリハ」と表記)
「こんにちは。オリハです」

久保朱莉アナウンサー(以下、「久保アナ」と表記)
「こんにちは。文化放送のアナウンサー、久保朱莉(くぼ あかり)です」

オリハ
「今日は、ウクライナで人気のある日本のスポーツについて話します」

久保アナ
「よろしくお願いします」

オリハ
「よろしくお願いします。それでは始めましょう」

(音声:番組タイトル『オリハの今まで知らなかったウクライナ』)

久保アナ
「私、小学校の頃って、男性も女性も相撲大会に出られる機会があって。『ちびっこ相撲』っていうのかな。私、出場したことあるんですよ、何度か。」

オリハ
「へえ・・・」

久保アナ
「はい」

オリハ
「すごい(笑)」

久保アナ
「服着たままですけれど。そこに『まわし』って言って、布を巻いて。男の子とも戦ったことがあって。勝ったこともありました」

オリハ
「へえ!すごい(笑)。面白そう」

久保アナ
「うん」

オリハ
「久保さんと一緒に、大相撲トーナメントを見に行きました」

久保アナ
「はい。秋場所も見に行きましたよね」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「はい。結構土俵に近い所でしたよね」

オリハ
「うんうんうん」

久保アナ
「どうでしたか。初めてですよね、生で相撲を見るのは」

オリハ
「はい。初めてでした」

久保アナ
「獅司関が土俵に上がった時、どう思いましたか」

オリハ
「心配になりました。(笑い声)あの時、力士たちはかなり長い間戦っていましたが。私は集中して、目を離さないままでずっと見て。『頑張ってください!』という言葉が頭の中で響いていました」

久保アナ
「確かに。土俵際の所で踏ん張って。粘って粘って、獅司関、勝ちましたもんね」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「あと、何かほかの力士さんに比べると、すごく手足が長くてスタイルがいいので結構目立ちますよね。インタビューをさせてもらったということで。獅司関の本名をお願いします」

オリハ
「Сергій Соколовський(ウクライナ語:[発音]セルヒーイ・ソコローウシクィイ / [日本相撲協会公式サイトの表記]セルギイ ・ソコロフスキー)、27歳です。四股名は獅司 大(しし まさる)です」

久保アナ
「なぜ獅司関にインタビューをしたかというと、やはり、ウクライナという共通点があるんですよね」

オリハ
「はい。獅司関は、初めてのウクライナ出身の力士ですね」

久保アナ
「そうです」

オリハ
「2018年から6年間日本に住んでいて、相撲で活躍しています。現在、雷(いかづち)部屋に所属しています」

久保アナ
「はい。『雷(かみなり)』と書いて『いかづち』。難しいですよね。(令和6年)初場所での番付は西十両7枚目です」


(インタビュー:体格について)

獅司関(以下、敬称略)
「雷部屋、獅司です」

久保アナ、オリハ
「よろしくお願いします」

獅司
「よろしくお願いします」

久保アナ
「さっきもちょっとお伝えしたんですけれども。秋場所でしたり、日本大相撲トーナメントで取組を拝見しまして。ほかの力士さんも大きいですけど。獅司さん、更に大きいですよね?」

獅司
「大きいですか?」

久保アナ
「大きいと思います」

獅司
「全然大きいじゃないです。身長193センチ、体重170キロです」

久保アナ
「170キロ!170キロになる・・・」

獅司
「一番ベスト、180キロだった。日本に来て、180キロだったです」


(スタジオ)

久保アナ
「大きいという話になりましたけれども。私、日本大相撲トーナメントを見ていて、『十両トーナメント』という括りに出場されていたんですけれども。1回戦、琴恵光関という方がお相手で。こちらは終始圧倒して勝ったんですね。で、2回戦では、日本相撲協会の十両以上の力士で一番体重が重い198キロの大翔鵬関との取組でして。惜しくも負けてしまったんですけれども。インタビューでお話いただいたのが、先場所で足とか腕、怪我をされたって仰ってましたよね。あと、歯も見せていただきましたけど。(歯が)抜けてしまって、いま治療中という中での取組だったので、非常に粘ってらっしゃったなと。応援したいなって思いました」

オリハ
「そしてインタビューの時に、獅司関と一緒に写真を撮りましたね」

久保アナ
「ああ、撮ったねえ」

オリハ
「(獅司関と)比べると、女性3人(分)ぐらいですね」

久保アナ
「ああ、そうね。獅司関が大きすぎて、私たちプラスもう1人いると同じぐらいの大きさかな?ぐらいの」

オリハ
「そうですね。ぜひ、X(エックス)またはインスタでチェックしてみて下さい」

出典:久保 朱莉アナウンサー公式インスタグラム(kubo_akari)
出典:オリハさん公式インスタグラム(oriha_ukraine)


久保アナ

「はい。太腿もすっごく太いです。それでは、次の音声、聴いてみましょう」


(インタビュー:日本への関心 / 日本食)

オリハ
「子供の頃から、日本との関連のある興味とか趣味はありましたか?」

獅司
「日本、全然知らなかったです」

久保アナ、オリハ
「ふーん(感心)」

獅司
「全然知らなかったです」

久保アナ
「全然知らなかったんですね」

獅司
「はい。びっくり。全部びっくりです。兄弟子、全部。先輩、後輩、わかんないっす。日本語、わかんないっす。全部びっくりした。料理、全部。醤油がわかんなかったっす(笑)。ライス3杯。3杯食べて」

久保アナ
「ウクライナにいた時は、そんなに食べてなかったんですか?」

獅司
「全然食べれないっす」

久保アナ
「へえー・・・」

獅司
「びっくりしたっすね。白ごはん、無理っす」

久保アナ
「白ごはん。味がですか?」

獅司
「味(が無理)です。でも寿司大丈夫です」

久保アナ
「確かに。お寿司のごはんだったら大丈夫なんですか?」

獅司
「はい」

久保アナ
「へえー」

獅司
「何か、刺身大丈夫です」

久保アナ
「魚も基本大丈夫ですか?」

獅司
「はい。魚なんでもいいっす」

久保アナ
「何だったら食べやすいですか? 日本食で」

獅司
「食べやすい(日本食)ですか。焼き肉と寿司」

久保アナ
「焼き肉と寿司」

獅司
「大好きです」

久保アナ
「(笑い声)お部屋(=雷部屋)で焼き肉されることもあるんですか?」

獅司
「はい。たまに肉いっぱい買って、焼き肉を(することが)あるっす」

久保アナ
「ちゃんこ鍋のイメージでした。毎日」

獅司
「はい。ちゃんこ鍋、大好きです」

久保アナ
「ちゃんこも大好き?あっ良かったです」


(スタジオ)

久保アナ
「お話で、お寿司が好きって話ありましたけど。日本酒とウクライナ産のワインも部屋で集めてるってお話されてましたよね」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「ねー。一人で飲むのは寂しいから、ちょっと先輩というか、親方と一緒に飲んでるんだともお話されてました。何か印象深いものとか、ありましたか?」

オリハ
「雷部屋で、米の大量と、すごく大きいパンを見ましたね」

久保アナ
「(笑い声)ちょうど運ばれて来ましたよね。段ボールいっぱいの食パンと、厨房の向こう側に米俵たくさんありましたね」

オリハ
「びっくりしました(笑)」

久保アナ
「皆さんで食べるんですね。あの量を」

オリハ
「もちろん、ウクライナ料理についても聞きました」


(インタビュー:ウクライナ料理)

オリハ
「ウクライナの料理の中で、一番恋しい料理ありますか」

獅司
「ピロシキ」

久保アナ
「ピロシキ!ああ、有名な」

獅司
「あそこ、隣の家(に)一回、お願いします(と)言った。(ピロシキを)作ったっす」

久保アナ
「作ってもらったんですか?」

獅司
「ピロシキです。めっちゃ大変です。でも美味しかった」

久保アナ
「何か、パイみたいなものですよね」

獅司
「はい。中(は)肉っす。めっちゃ美味しいっす」

オリハ
「確かに美味しい料理(笑)」

獅司
「めっちゃ太るっす。ママだめです」(※ おかみさんのことを「ママ」と呼んでいる)

(笑い声)


(インタビュー:故郷の名物メリトポリ・チェリー)

おかみさん
「チェリー、いつも言うでしょ。『日本のチェリー美味しくない』って」

獅司
「ああ。日本のチェリー美味しくないです」

久保アナ
「ウクライナのチェリーが美味しいんですか?」

獅司
「Я с Мелитополя, поэтому черешня...(ロシア語:僕はメリトポリ出身だから、チェリー[セイヨウミザクラ]が・・・)」

オリハ(通訳)
「ウクライナでは、獅司さんのご出身の所は、メリトポリですね」

獅司
「獅司のCity(メリトポリ)、チェリーいっぱいいっぱい作る。ウクライナ、ぜんぶ獅司のCity」(=メリトポリはチェリーの特産地で、ウクライナ全土の需要をカバーしている)

久保アナ
「へえー・・・」

オリハ
「そうです。ウクライナでは一番美味しいチェリーの町です」

久保アナ
「そうなんですね。じゃ、チェリーの木がいっぱいあるんですか?」

獅司
「はい。いっぱいいっぱいあるっす」

久保アナ
「そのまんま食べるのがいいですか?何か料理に使ったりもしますか」

獅司
「そんままです」

久保アナ
「そのままが一番?」

獅司
「外行って、食べて。もうお腹いっぱいです(笑)」

久保アナ
「えー、いいですね!食べたことあります?」

オリハ
「木から?」

獅司
「木からです。ちょっと洗う。でも洗わなくていいっす。田舎だから何でもあるっす」

久保アナ
「何でもある。そうなんですね。ご出身で言うと、メリトポリがそのチェリー畑がたくさん」

獅司
「Под Мелитополем село.(ロシア語:メリトポリ近郊の村[通常、село は教会のある基幹村落])」

オリハ(通訳)
「メリトポリの周辺の田舎」

獅司
「東京(と)埼玉みたいです」

久保アナ
「ああ、なるほど。ちょっと田舎寄りのところが」

獅司
「全然(埼玉より)小さい」

久保アナ
「へえー、そうなんですね」

(※ メリトポリ・チェリー[セイヨウミザクラの実、ワイルドベリー])

出典:Українські Новини
出典:Кременчуцький Телеграф


(スタジオ)

オリハ
「メリトポリ・チェリーをすっごく食べたくなりました(笑)」

久保アナ
「ねー。『日本のチェリーとは全く違うんだ』って言ってましたもんね。オリハさんは、ウクライナでチェリーを食べる機会って多かったですか?」

オリハ
「はい。そして、買う時に色んな種類がありますね。でも、メリトポリ・チェリーを見たら、他の種類は絶対メリトポリ・チェリーに負けます」

久保アナ
「あ、そうなんですね。ブランドというか、有名で絶対美味しいんだと」

オリハ
「絶対美味しいです」

久保アナ
「へえー。食べてみたいなあ・・・」

オリハ
「残念ながら、獅司関のふるさとであるザポリージャ州のメリトポリは、もう2年間ロシアに占領されています」

久保アナ
「そうですよね。そんな中で、すごくご家族がどうされているか心配ですけれども。ご家族への思いも聞いていただきましたね」

オリハ
「はい」


(インタビュー:故郷の家族)

獅司
「もう6年、日本です。一回(も)帰ってないです。ずうっと日本です」

オリハ
「もしも帰れる機会があったら、一回帰りたいですか」

獅司
「帰りたいです。一回ママとパパ、おばあちゃんと会いたいです」


(スタジオ)

久保アナ
「ずっと帰ってないって仰ってましたね」

オリハ
「そうですね。大変ですね」

久保アナ
「ただ、ウクライナにいらっしゃるご家族。Youtubeで獅司関の相撲をね。取組をこまめにチェックされているともお話されていたので。あと、電話して、繋がってるとも仰っていましたね」

オリハ
「はい。でも6年間けっこう長い・・・」

久保アナ
「長いですよねえ・・・。オリハさんは、日本に来て1年ちょっと。2年ぐらい?」

オリハ
「そうですね。ちょうどポッドキャストが配信する(される)3月12日ですけど。1年前、ちょうどこの日に家を出て」

久保アナ
「ああ、そうなんだ」

オリハ
「はい。1年間、帰ってないので、ちょっとホームシックになることもありますね」

久保アナ
「やっぱりご家族と会いたいですか?」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「テレビ電話することもあるんですか?」

オリハ
「うん。はい」

久保アナ
「ウクライナと日本って、時差どのぐらいあるんですか?」

オリハ
「夏は6時間です。冬は7時間」

久保アナ
「増えるんですね。1時間」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「ホームシックがあるということですけども。獅司も何とかね。寂しい・・・。力士の友だちはできるけども、それ以外で友だちがなかなかできないんだって仰っていましたもんね」

オリハ
「そうですね。毎日稽古があります」

久保アナ
「毎日稽古。朝から稽古がある。ただ、兄弟子の皆さんとの仲がすごく良かったですよね」

オリハ
「そうですね。楽しそうな雰囲気でしたね」

久保アナ
「雷部屋の皆さん、本当に楽しそうで。おかみ(さん)の栄美(えみ)さんも優しくてね」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「そんなお話も伺って来ました」


(インタビュー:日本の友人 / 部屋の兄弟子)

オリハ
「日本では、友だちがたくさんできましたか?」

獅司
「はい。友だちっす。お相撲さんっす(笑)友だち、無い(いない)っす(笑)」

(笑い声)

久保アナ
「相撲仲間」

獅司
「相撲仲間です」

オリハ
「ライバルであっても、仲良くしていますね?」

獅司
「稽古終わったら、もう友だち。稽古相手です。今、『お兄ちゃん』呼んだ。『お兄ちゃん、お兄ちゃん』(と)呼んでる」

久保アナ
「お兄さんも怖くないですか?」

獅司
「あの人(付け人の西大司のことか)、獅司の相手です。ずっと稽古一緒っす。怖くないっす。優しいっす。先輩。稽古(の)なか、厳しいっす」

久保アナ
「稽古中は厳しいけど(笑)」

獅司
「稽古中厳しいっす。一番の兄弟子です」

久保アナ
「兄弟子」


(インタビュー:日本語学習 / 獅司語録 / 師匠の子供たち)

オリハ
「日本語の授業を受けましたか? 受けていますか?」

獅司
「しないっす。日本語してないっす。勉強しないっす」

久保アナ
「じゃあこの会話、喋る中で勉強して」

獅司
「お相撲さんと、ママ」

久保アナ
「さっきダジャレ言ってたじゃないですか。かな獅司とか、むずか獅司。あれは、自分で考えたんですか? それともおかみさんとか、どなたかですか?」

獅司
「ファミリーです。おかみさん」

久保アナ
「おかみさんが。ナイスですね」

獅司
「(雷親方の)娘の星空(せいら)。あと、玄空(はるく)。教えた。息子と娘」

久保アナ
「ママの(笑)。みんなで考えてるんですね」

獅司
「みんな仲良く。獅司の考えるっす。いっぱいあるっす。かな獅司、うれ獅司、やさ獅司、さみ獅司」

久保アナ
「すごい!そんなにあるんですね(笑)」

獅司
「いっぱいあるっす。あと何かある?」

おかみさん
「むずか獅司」

獅司&久保アナ
「むずか獅司~!」

久保アナ
「さっき出てましたね(笑)。使いたくなりますね」


(スタジオ)

久保アナ
「色々お話伺いましたね。お兄さん弟子のお話がありましたけれども。この方が獅司関に抱きついてらっしゃいましたね。西大司関(関取ではないので、『西大司さん』が適当か)」

オリハ
「はい」

久保アナ
「お話中も『どうしてるかな?』って様子を見に来て、声をかけて下さるような、優しい雰囲気でしたね」

オリハ
「そうですね。スポーツについても聞きました」


(インタビュー:レスリングから相撲に転向した経緯 / ウクライナの相撲事情 / ウクライナの人気スポーツ / 幕内昇進の目標)

久保アナ
「元々レスリングされていたと思うんですけれども、そこから相撲に変えようと思ったきっかけって何でした?」

獅司
「レスリング、一番重たいカテゴリー、体重120キロです」

久保アナ
「ああ、120キロまでがレスリング」

獅司
「獅司は、もう10歳(で)120キロです」

久保アナ
「10歳で120キロだったんですか!?(驚)」

獅司
「だから。無理です」

久保アナ
「ああ。じゃあもう、レスリングの枠を超えちゃったっていう」

獅司
「ウクライナ(で)相撲やったっす。3年ぐらい。もう大体わかるっすけど、その稽古(は)なかったっす。日本(に)来て、もう稽古。全部、ずっと1日中、相撲です。ウクライナは、もうスポーツみたいなので練習して。畳で。相撲の土俵(は)無かったっす」

久保アナ
「土俵が無いところでやってたんですね」

獅司
「Да, да.(ロシア語:そうそう)大会(の)とき、土俵(を)作って。大会も土俵。稽古は土俵無かったっす」

久保アナ
「じゃあもう10代の時から相撲を始めて。すぐに強くなったんですか?」

獅司
「はい、そう。すぐ強くなったっす。ヨーロッパ・チャンピオンと、世界大会3位です」

久保アナ
「すごい。ちなみにウクライナで有名なスポーツとか、人気のスポーツって何ですか」

獅司
「ウクライナは、サッカー」

久保アナ
「ああ、サッカー」

獅司
「サッカー、レスリング」

久保アナ
「レスリング」

獅司
「はい。柔道」

久保アナ
「柔道もですか」

獅司
「はい。いっぱいあるっす。強いスポーツ」

久保アナ
「じゃあ、まだそこのスポーツに比べると、相撲はそこまで有名じゃないですか?」

獅司
「はい。相撲、全然有名じゃないです。みんな恥ずかしいっす。獅司も、そうっす。一番最初は、まわし、裸で。恥ずかしいっす。ウクライナは、誰もわかんない、それ」

久保アナ
「うんうんうんうん。ちょっと独特ですもんね、まわしを締めてって」

獅司
「みんな笑う」

久保アナ
「ふーん。家族にこのまわしを締めた姿見せた時とか、どんな反応・リアクションでしたか」

獅司
「びっくりしています。みんなびっくりするっす」

久保アナ
「ちなみに目標とする力士はいますか?」

獅司
「幕内なりたいっす」

久保アナ
「幕内? 誰というよりはもう幕内」

獅司
「とりあえず幕内です」

獅司
「獅司です。応援よろしくお願いします」

久保アナ
「ありがとうございました。雷部屋の獅司関でした。ありがとうございます」

獅司
「ありがとうございます」


(番組むすび:安青錦、大横綱・大鵬 / ウクライナの五輪メダリスト / 柔道、空手 / サッカー、ボクシング)


(スタジオ)

久保アナ
「元々レスリングをされていたということで。途中で体重がレスリングの枠を超えてしまって相撲に転向した、変えたっていう歴史があるという風にも教えていただきました。あの、オリハさんって相撲は、ウクライナにいる時に知ってましたか?」

オリハ
「はい。だいたいウクライナ人は、日本の相撲について何となく知っていて。身体大きい力士のイメージがあります」

久保アナ
「ああ。元々あったんですね」

オリハ
「はい。でも、練習する場所は、ほとんど無いですね」

久保アナ
「ああ、ウクライナには?」

オリハ
「はい」

久保アナ
「ふーん。でも、去年の9月、秋場所で初土俵を踏んだ安青錦関(まだ関取ではないので『安青錦さん』が適切か)もウクライナ出身で。獅司関が初めてウクライナ出身で力士になられて。お二人目も出て来たので。もしかしたら、どんどんと力士さんが誕生するかもしれないですよね」

オリハ
「うん」

久保アナ
「あと、あれだ。大鵬関の、ね?」

オリハ
「はい。実は、日本の大相撲でウクライナの血を引く最初の力士は、第48代横綱・大鵬です。」

久保アナ
「うん。大鵬関も、ウクライナ出身のお父様と日本人のお母様の間に生まれたと」

オリハ
「はい」

久保アナ
「私、知らなかったです。大鵬関のことは、もちろん、日本人みんな知ってるんですけれど。すごく強くって、憧れてる方も多かったと思うんですが。お父様がウクライナ出身なんですね」

オリハ
「はい。生まれた時の名前は、Іван Боришко(ウクライナ語:イヴァン・ボリーシコ)でした。大横綱ですね」

久保アナ
「そうですね。今回ちょっと調べてみたら、お父様も2メートル近い大きな身長があって。あと、流暢な日本語を喋れて。オリハさんも何か国語か喋れると思うんですけど。大鵬関のお父様も6か国語、話せたそうです。すごーい!と思いました」

オリハ
「私はそこまで無いです(笑)」

久保アナ
「あ、そうですか。オリハさんって、日本語、ウクライナ語。ほかに・・・」

オリハ
「と、英語」

久保アナ
「英語。3か国語」

オリハ
「はい」

久保アナ
「それでもすごいな、やっぱり。あと、ウクライナのハルキウ市、ハリコフに大鵬記念館というのも建設されていて、相撲大会なども行われているそうです。ミュージアムがあるそうで。ご存知ないかもしれないんですけど、結構立派な建物があったので。もしかしたら、相撲好きの方はそこで情報をゲットしてるのかなあ、なんて思いましたね。あと、ほかにもウクライナで人気の日本のスポーツってありますか?」

オリハ
「はい。あります。たとえば空手」

久保アナ
「空手」

オリハ
「空手は、ウクライナでとても人気があります」

久保アナ
「へえー・・・」

オリハ
「キーウ首都には、空手道場がたくさんあります。また、柔道もすごい人気です」

久保アナ
「空手、柔道」

オリハ
「はい。私の友人の妹は、プロの柔道家」

久保アナ
「へえ。これは、ウクライナで柔道家になったんですか?」

オリハ
「はい」

久保アナ
「そうなんですね」

オリハ
「意外と女性の中で、とても人気です」

久保アナ
「学校で学ぶこともあるんですか? 体育みたいな授業の中で」

オリハ
「(授業の中)では無いですけど、塾として」

久保アナ
「塾として。お金払って習いに行くっていう」

オリハ
「はい。すごく人気です」

久保アナ
「オリハさん、ちなみに何かしたことありますか?」

オリハ
「無いです(笑)」

久保アナ
「ね、イメージとはちょっと違いますもんね(笑)」

久保アナ
「ウクライナの国民的スポーツって、何かありますか? ちょっと想像がまだつかなくって」

オリハ
「無いです」

久保アナ
「無いんですね」

オリハ
「無いです。はい。でも、ウクライナのスポーツ選手は色々な競技で、世界で活躍しています。ちなみに2021年の東京オリンピックでは、206か国の参加国の中で、ウクライナのオリンピック・チームはトータルメダル数でトップ20に入りました」

久保アナ
「ほう、すごい。何個のメダルとったんですか?」

オリハ
「19個のメダルをとりました」

久保アナ
「やっぱりスポーツ強いですね」

オリハ
「その中には、日本のスポーツに関するものが含まれています」

久保アナ
「何でしょう?」

オリハ
「空手で銀メダルをとったアンジェリカ・テルリウガ[テルリューハ](ウクライナ語:Анжеліка Терлюга)さん。女性、55キロ未満です」

久保アナ
「銀メダルとった。空手、やっぱり人気で。強い方がいらっしゃるんですね。これ、カタカナ難しいですよ、オリハさん(笑)。代わりに読んでもいいですか? 銅メダルを獲得されたダリア・ビロディド(ウクライナ語:Дар'я Білодід)さん。柔道家で、女性48キロ階級。あとは、銅メダルをとられた空手家のスタニスラフ・ホルナ(ウクライナ語:Станіслав Горуна)選手。男性で、75キロ未満ということですけれども。空手、柔道、空手。すごいですね。オリンピックでメダルを獲得されるぐらい非常に強い。ほかにも何か人気のスポーツってありますか?」

オリハ
「たぶん一番有名なのは、サッカーとボクシングですね。とくに男性がサッカーとボクシングの放送をよく見ています。たとえばワールドカップの放送だったら、特別な日になります」

久保アナ
「ああ、そうなんですね」

オリハ
「みんなが見ているようです」

久保アナ
「じゃあもう仕事終わったらすぐに帰って、みんなでテレビで見て、っていう」

オリハ
「はい」

久保アナ
「男性に人気が高いのがサッカーとボクシングなんですね、とくに」

オリハ
「そうですね」

久保アナ
「練習と言いますか。習い事で。塾でプレーするのも、やっぱりサッカーが一番多いんですか?」

オリハ
「はい。たぶんサッカーですね」

久保アナ
「ちなみに、ウクライナのサッカーって強いんですか?」

オリハ
「・・・・・・まあまあまあまあ・・・(笑)」

久保アナ
「まあまあ。どのくらいですか? 教えてください」

オリハ
「サッカー・ワールドカップには1回しか出場していませんが、出場を果たした2006年のドイツ大会ではベスト8まで勝ち進みました」

久保アナ
「はい。ボクシングはちなみにオリンピックには出場してますか?」

オリハ
「はい。ボクシングでは、2012年のロンドン・オリンピックで金メダルをとり、プロになってからはクルーザー級とヘビー級でチャンピオンになったオレクサンドル・ウシク(ウクライナ語:Олександр Усик)という選手がいるんですよ」

久保アナ
「スーパーヒーローだそうですね」

オリハ
「はい(笑)」

久保アナ
「すんごい強いんですよね? このウシク選手は」

オリハ
「そうですね。私もオレクサンドル・ウシクの試合の放送をよく見ています(笑)」

久保アナ
「あっそうなんですね」

オリハ
「うん」

久保アナ
「『かっこいい!』みたいな? みんなの憧れの存在ですか?」

オリハ
「はい」

久保アナ
「やっぱりウクライナって格闘技。戦う系が強いんですね」

オリハ
「そうですね(笑)」

久保アナ
「ね。柔道、空手も日本のスポーツですけれども人気が高くて。ボクシングも強いと」

オリハ
「そうです」

久保アナ
「はい。勉強になります」

オリハ
「雷部屋に取材させてもらって、ほんとにありがたいですね」

久保アナ
「ほんとにありがたかったと思います。すごく忙しい中で。大阪への移動の前日だったのでね、大変だったと思うんですけども。お時間割いていただき、ありがとうございました」

オリハ
「獅司関も、ぜひ大鵬関を目標に、横綱を目指して欲しいと思います。私も、応援します」

久保アナ
「はい。応援しましょう」

オリハ
「久保さん、ありがとうございます」

久保アナ
「オリハさん、ありがとうございました」

オリハ
「聴いていただいてありがとうございます。次回もお楽しみに」


(おまけ)


これまで、いくつかのインタビュー動画などの文字起こしを手作業で行ってきたが、どうやら最近はAI文字起こしが主流らしいと小耳に挟み、無料AI文字起こしを試してみた。

無料版なので、冒頭5分の文字起こししかできなかったが、全体的にはそう悪くはない。いや、ゼロから手作業でPC入力することを考えれば、なかなかの出来だ。しかも所要時間はわずか1分弱。

ただ、「獅司関」や「雷部屋」などの重要キーワードがとんでもない語に(しかも毎回さまざまに工夫が凝らされて)書き起こされている。

今回のお試しでAI文字起こしにほとんどミスが無ければ、私のアナログ手動文字起こしはこれで終わりにしようと考えていたが、こと相撲に関しては、まだ少し人間の力も必要なようだ。

しかしAI翻訳といい、本当に便利な時代になったなあ。


(某AI文字起こしの結果)


※ ヘッダー写真の出典は、オリハさんのインスタグラム(oriha_ukraine)