Google翻訳 狼雅の母語トゥヴァ語追加
Google 翻訳にトゥヴァ語(トゥバ語)追加
昨日、GoogleがAI翻訳に110言語を新規追加したというニュースが世界を駆け巡った。
ITmedia
Google翻訳、新たに110言語をサポート LLM「PaLM 2」の貢献で倍増
新たにサポートされた110言語のひとつが、狼雅関の母語、トゥヴァ語(Google翻訳の表記は「トゥバ語」)である。
素晴らしい。
トゥヴァ語以外にも、ユーラシア諸国の言語が多数追加されている。
狼雅関のお父さん(ブリヤート人)の母語だと思われる、ブリヤート語も追加された。
関取の家族について、ロシア語ウィキペディアでは「ブリヤート・トゥヴァ・ロシアの家庭に生まれた。父はブリヤート人、母はトゥヴァ人とロシア人のダブル」と紹介されている。
日本語→トゥヴァ語、日本語→ロシア語、ロシア語→トゥヴァ語の Google 翻訳
筆者はトゥヴァ語もモンゴル語も解さないので、これまでロシア語-トゥヴァ語のAI翻訳を利用していた。
Google 翻訳のトゥヴァ語がどのていど正確なのか、推し量る能力は無いが、日本語→トゥヴァ語、日本語→ロシア語、ロシア語→トゥヴァ語の翻訳を試してみた。
日本語→トゥヴァ語
日本語→ロシア語
ロシア語→トゥヴァ語
ざっと見た限りでは、そこそこ正確に翻訳されているようである。
なにしろ、トゥヴァ語は単語レベルですら理解できず、文章ともなれば完全にお手上げなので、AI翻訳が登場しただけでとても助かる。
しかも、Google翻訳ではトゥヴァ語の音声も聞くことができる。
日本語→トゥヴァ語のAI翻訳だけでは正確性に不安がある場合は、間に英語を挟む重訳(日本語→英語、英語→トゥヴァ語)を試みるなどして確認すると良いと思う。
トゥヴァ語の教科書、辞書、参考書(日本語!!)
トゥヴァ語については、市販の教科書は見つけられなかったが、日本のトゥヴァ語研究者による素晴らしい資料・教材が公開されている。
これだけの労作がすべて無料公開されているという事実に頭が下がる思いだが、狼雅関の活躍を機に、ぜひぜひ一般に浸透して欲しいなと思う。
資料は、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)のサイトで閲覧・ダウンロードすることができる。
※ 大阪大学大学院言語文化研究科、大阪大学世界言語研究センター、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)の協力により作成とのこと。
トゥヴァ語の教科書・参考書・辞書(PDFファイル)
高島尚生著『基礎トゥヴァ語文法』
(平成20年度言語研修 トゥヴァ語研修テキスト1)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年
http://www.aa.tufs.ac.jp/documents/training/ilc/textbooks/2008tuvan1.pdf
高島尚生著『トゥヴァ語教本』
(平成20年度言語研修 トゥヴァ語研修テキスト2)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年
http://www.aa.tufs.ac.jp/documents/training/ilc/textbooks/2008tuvan2.pdf
О.В.ДАМБАА、高島尚生著
『トゥヴァ語会話集』ТЫВА-ЯПОН ЧУГАА НОМУ
(平成20年度言語研修 トゥヴァ語研修テキスト3)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年
http://www.aa.tufs.ac.jp/documents/training/ilc/textbooks/2008tuvan3.pdf
О.В.ДАМБАА、高島尚生著
『トゥヴァ語分類語彙集』ТЫВА-ЯПОН ЛЕКСИКТИГ СЛОВАРЬ
(平成20年度言語研修 トゥヴァ語研修テキスト4)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年
http://www.aa.tufs.ac.jp/documents/training/ilc/textbooks/2008tuvan4.pdf
中嶋善輝著
『トゥヴァ語基礎例文1500』
(平成20年度言語研修 トゥヴァ語研修テキスト5)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年
http://www.aa.tufs.ac.jp/documents/training/ilc/textbooks/2008tuvan5.pdf
中嶋善輝著
『トゥヴァ語・日本語小辞典』ТЫВА-ЯПОН БИЧЕ СЛОВАРЬ
(平成20年度言語研修 トゥヴァ語研修テキスト6)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年
http://www.aa.tufs.ac.jp/documents/training/ilc/textbooks/2008tuvan6.pdf