獅司 SUMO PRIME TIME特集(過去の新十両昇進の取材)文字起こし
Інтерв'ю з Шіші (Сергієм Соколовським) та членами школи Ікадзучі на сайті Youtube Японської асоціації сумо "SUMO PRIME TIME"
Интервью с Шиши (Сергеем Соколовским) и членами школы Икадзучи на сайте Youtube Японской ассоциации сумо "SUMO PRIME TIME"
前回の投稿で、ロシア・トゥヴァ共和国出身の狼雅関の特集(SUMO PRIME TIME、文字起こし)を取り上げた。
同じタイミングで、ウクライナ出身の獅司関の特集(SUMO PRIME TIME)も視聴したので、こちらも文字起こしをしたい。
ロシアによるウクライナへの全面侵攻は、3年目を迎えた。
このような世界情勢ではあるが、個人的には、どちらの力士も同じくらいに応援したい気持ちが強くある。
このような状況でなければ、母語がロシア語である性格の穏やかな関取同士、きっと親しく支え合えたはずだ(狼雅関の母国語はロシア語とトゥヴァ語とモンゴル語、母語はロシア語だと思われ、獅司関の母国語はウクライナ語、母語はロシア語だと推察される。母国語と母語は、厳密に区別される)。
獅司関が明らかに伸び悩んでいるように見える場面で、外野の勝手な気持ちで「ああ、ここで狼雅関が、母語で何かアドバイスしてくれればなあ」と考えてしまうことがある。
現在、故郷メリトポリがロシアに占領されている状況では、獅司関にとって心理的に無理な相談だとは思う。
それでも、全面侵攻前までは仲良く母語で話していたという2人の関取のためにも、両国の無辜の民のためにも、一分一秒でも早くこの戦争を終わらせて欲しい。どうか、アフガン侵攻のように長引かないよう心から願う。
1.獅司@SUMO PRIME TIME(文字起こし)
夢に向かって突き進む!ウクライナの新星・獅司
SUMO PRIME TIME
獅司関(以下、敬称略)
「(英語で)こんにちは。獅司です(ウインク)」
雷親方、ヒロ森田アナ、雷部屋所属力士の皆さん
「相撲プライムタイム」
(動画:オープニング、雷部屋の玄関)
ヒロ森田アナ(森田博士NHKアナウンサー、以下「ヒロ森田」と表記)
「(英語で)こんにちは。相撲プライムタイムへようこそ。ヒロ森田です。ロケで来ているのは東京の北側、さいたま市にある雷部屋の玄関。今日は(2023年)7月場所で新十両に昇進した、ウクライナの獅司に会いに来ました。さあ、ウクライナ出身のスター力士・獅司に会いに行きましょう!」
(動画:雷部屋の稽古場。関取の白まわしを締める獅司)
―― 英語ナレーション:雷部屋には7人の力士が所属。
(動画:ダンベルを持ち上げる獅司)
―― こちらが獅司。ウクライナ出身。26歳の部屋頭。
(動画:十両土俵入。泉佐野市から贈られた「鬼心」の化粧まわしを締めた獅司)
―― 獅司は、身長193センチ、体重180キロ。
(動画:2023年7月場所、十両の取組)
―― 序盤から積極的な相撲を取り、対戦相手を圧倒した。7月の新十両場所で9勝6敗の好成績をおさめ、多くの人々に感銘を与えた。
(動画:朝稽古の後、獅司へのインタビュー)
ヒロ森田
「7月場所、新十両でした。どうでしたか」
獅司
「嬉しいっす。関取上がって嬉しいです。勝ち越して嬉しいです。たの獅司です」(笑顔、笑い声)
ヒロ森田
「何で日本に来て大相撲やろうと思ったんですか」
獅司
「ああ。レスリング、100キロ上(以上)、ダメです。獅司は、10歳、120キロです」
ヒロ森田
「なるほど。10歳で120キロ?そうですか」
獅司
「はい(笑)。そしたら、相撲やったっす。ウクライナ、相撲やったっす。ヨーロッパ・チャンピオン。世界3位です」
獅司
「相撲。勝ち、負け」
ヒロ森田
「ああ、勝負」
獅司
「はい。それが楽しいっす」
(テロップ:2020年)
(動画:2020年3月場所。獅司、師匠の化粧まわしで新序出世披露)
―― 獅司の初土俵は、2020年3月場所。
(場内アナウンス「獅司」)
―― 堂々たる体躯と馬力を武器に、獅司はすぐに頭角をあらわした。
(テロップ:2023年)
(動画:十両の取組)
―― 初土俵から、わずか3年。今年7月、十両に昇進した。
(テロップ:雷親方、元・垣添)
(動画:十両昇進を決めた、幕下上位の取組。新十両会見で握手をする雷親方と獅司)
―― 獅司の師匠は、元・垣添の雷親方。
(動画:垣添の取組)
―― 垣添は手強い対戦相手で、上から(横綱、大関、関脇に次いで)4番目の地位である小結まで昇進した。
(動画:雷部屋の稽古場。朝稽古後、雷親方へのインタビュー)
ヒロ森田
「獅司関の相撲の魅力っていうのは、どんなところでしょう」
雷親方
「色んなことができるんですね。突き押しもできますし、まわしを引いても出し投げとかもできるんで。結構器用なところもあるんですよね。馬力もあるし。もっともっと体幹つけて、身体全体を。足も腕も、身体全体の力を出して。もっともっと馬力を増せるように、今、一生懸命指導してます」
(動画:稽古場)
―― より上手く、より強くなるために、獅司がどんなトレーニングをしているのか、見学してみた。
(動画:四股を踏む獅司)
―― まず、四股踏み。相撲の最も基礎的な稽古。獅司は60分間、休憩なしで四股を踏み続けた。
(動画:相撲スクワットをする獅司)
―― 次に、相撲スクワット。
(動画:土俵で摺り足をする獅司)
―― 獅司は、摺り足で下半身のトレーニングを続けた。
(動画:胸を出す獅司)
―― このトレーニングでは、獅司は相手の当たりを受け止めてから、強く前に踏み込む。
―― 最後は、部屋の力士と連続で申し合い。
―― 休む間もなく、最もハードな稽古とされるぶつかり稽古で、朝稽古を終える。この稽古を繰り返すことで、スタミナを増強し、心臓の血管を強化することができる。
(動画:十両の取組)
―― 獅司は、聞き分けが良く努力家だったので、あっという間に強く有望な力士に成長した。
(動画:獅司へのインタビュー)
ヒロ森田
「今はどういうことを稽古で頑張っていますか」
獅司
「スタミナっす。スタミナっす。ぶつかり(稽古を)いっぱいしてるっす。十両、15日間、大変っす」
(動画:朝稽古後、外で座り込む獅司。そばにおかみさん)
―― 稽古の後、獅司はへとへとに疲れ切っている。同部屋の力士は、成功を目指す獅司の揺るぎない姿勢を褒め称える。
(テロップ:西大司)
西大司(さいだいじ)さん(以下、敬称略)
「ウクライナからやって来て。ああやって結構毎日見てたら、僕たちにも刺激になって。やっぱり先に上がってるんで。僕たちも追いつこうと思って。はい、しっかり稽古をやろうと思います(笑顔)」
ヒロ森田
「そうですか」
西大司
「はい」
獅司
「西大司さんは優しいです」
ヒロ森田
「優しい?(笑)」
獅司
「西大司さん、お兄ちゃんです」
ヒロ森田
「お兄ちゃん?(笑)」
(動画:一礼する西大司)
西大司&鷹司
「相撲プライムタイム」
(動画:稽古まわしの天日干し風景。色々なちゃんこが並ぶ食卓)
―― 朝稽古のあとは、ちゃんこタイム。メインデッシュは、もちろんちゃんこ鍋。大鍋で野菜と肉を煮込んだ栄養満点のシチュー。ちゃんこは、力士を大きく強くしてくれる。
(動画:ちゃんこを食べる獅司)
―― ウクライナの獅司が日本食に慣れるのには時間がかかった。しかし、最近は出されるものは何でも喜んで食べている。
(テロップ:栄美(えみ)さん、雷部屋のおかみさん)
(動画:おかみさんの栄美さんも、力士と一緒にちゃんこを囲んでいる)
―― おかみさんの栄美さん。元アマチュア相撲チャンピオン。獅司が、快適で楽しく日本で暮らせるように、あらゆる手を尽くしてくれる。
ヒロ森田
「獅司関はどんな感じですか」
おかみさん
「あんな感じです(笑)」
ヒロ森田
「あんな感じ?」
おかみさん
「あんな感じです(笑)」
ヒロ森田
「(笑い声)」
(照れながら顔をタオルで隠す獅司。笑い声)
ヒロ森田
「聞くところによると、おかみさんがママって」
おかみさん
「そうなんですよ」
ヒロ森田
「それは何ですか」
おかみさん
「何ですかねえ。何か本人が『おかみさんって呼びたくない』って。(獅司に向って)言ったよね?(ヒロ森田アナに向かって)言いました」
おかみさん
「難しいですけどね。おかみさんっていう一つが、たぶん彼(獅司)の中でわからない。やっぱり、うちの親方が『家族だよ』『ファミリーだよ』って言ったことと同じで、『ママ』って言うだけで安心できる部分があれば、心の余裕もあるのかなと思って。それは、まあ全て、他の力士に対してもそうですし。家族として生活していけるんだなってのはありますね」
ヒロ森田
「これからどういう力士に育っていって欲しいですか」
おかみさん
「本当ですね。優しい子なんで。気持ちが強くなればいいと思います」
獅司&ヒロ森田
「相撲プライムタイム」
―― 3年前の初土俵以来、周囲の多くの人々の支えを受けながら、獅司は確実に成長を遂げている。26歳のウクライナ人(獅司)は、大きな夢を叶えるため、一生懸命に稽古を重ねる決意だ。
(動画:獅司へのインタビュー)
ヒロ森田
「もう秋場所では、今度、十両8枚目に上がりました。幕内が見えてきました。どうですか」
獅司
「幕内、頑張ります。幕内、大関までです」
ヒロ森田
「大関?横綱は?」
獅司
「(顔をクシャッとしながら)いや~ちょっと、難しいです」(笑い声)
獅司(別のカメラに向かって)
「雷部屋、獅司です。応援よろしくお願いします(一礼)」
(動画:懸命にウインクを繰り返す獅司)
2.新十両の報道
2-1.新十両、名古屋場所の朝稽古動画
【初公開】雷部屋朝稽古 (新十両 獅司)(2023年7月7日)
日本相撲協会公式チャンネル
2-2.新十両会見の報道
日刊スポーツ
ウクライナ出身初の関取となった獅司が新十両会見「ウクライナは大変。ママ、パパを助けます」
NHK NEWS WEB
ウクライナ出身で初 獅司が新十両に昇進へ 大相撲名古屋場所
スポーツ報知
ウクライナ初の関取・獅司が新十両会見で決意「もっと頑張ります。ママ、パパを助けます!」
スポニチアネックス
戦火のウクライナから初の関取が誕生 新十両昇進を決めた獅司「もっと頑張って両親を助けたい」
NHK GENSENおおいた
宇佐市出身・雷親方 初めて育てた新十両
2-3.新十両、場所前の報道
スポニチアネックス
ウクライナ初の関取、獅司が念願の白まわしに「うれしい」 派手な書体のサインも公開
中日スポーツ
真横に“24時間マック”稽古場は立地最高 ウクライナ出身の獅司「サムライマック大きめでおいしい」
Number
「お前はスターになれる」「はいっ!頑張りマス!」 ウクライナ初の新十両・獅司はたどたどしい日本語で語った「いずれ両親を日本に連れて来たい」
NHK sports
特集 輝鵬 獅司 勇磨 名古屋場所に3人の新十両が挑む!
日本経済新聞
ウクライナ出身初の関取誕生 獅司「故郷の両親助ける」
2-4.新十両 名古屋場所の報道
日刊スポーツ
ウクライナ出身新十両の獅司、白星発進に「緊張したけどうれしい」好物マクドナルド、ピザで鋭気
日刊スポーツ
ウクライナ出身の獅司が無我夢中4勝目「うれシシ、楽シシです」も日本語インタビューに苦戦中
デイリー
ウクライナ出身・獅司 新十両で勝ち越し王手「頑張ります」
中日スポーツ
新十両いきなり勝ち越し「うれ獅司です」”絶口調” …10勝にも自信「できます」きっぱり【大相撲名古屋場所】
スポニチアネックス
ウクライナ出身の新十両・獅司「うれしし」「楽しし」「勝ち越しし」? ダジャレで喜び表現
日刊スポーツ
ウクライナ出身初の関取獅司、ロシア出身の狼雅に勝って9勝目「絶対に負けたくなかった」と闘志
夕刊フジ
ウクライナ出身力士・獅司、ロシア出身の狼雅に初勝利…かち上げ、張り手の激しい相撲
3.おかみさんの「ママ」呼びについての報道、単独インタビュー記事など
中日スポーツ
新十両・獅司が「ママ」と呼ぶ雷部屋のおかみさんは女子相撲で3度の日本一「ママは獅司より相撲が強い」
Yahooニュース
「かな獅司」でなく「うれ獅司」に 大相撲初のウクライナ出身力士・獅司、苦労とその天真爛漫な素顔に迫る
4.入門前、新弟子の頃など
4-1.入門前
在ウクライナ日本国大使館
ウクライナの若手有力相撲力士の日本相撲部屋弟子入り(原田公使参事官主催の夕食会)
https://www.ua.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/00_001267.html
4-2.新弟子検査
日刊スポーツ
初のウクライナ力士目指すセルギイは「ミニ把瑠都」
4-3.前相撲
スポーツ報知
“ウクライナの怪物”と“トルコの貴公子”が前相撲で豪快デビュー
※ ヘッダー写真の出典は、在ウクライナ日本国大使館オフィシャルサイト。