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TBS『情熱大陸』能登応援SP(遠藤パート、文字起こし)
能登半島地震 発生から1か月 情熱大陸が見つめた被災地の今
(2024年2月4日(日) 放送)
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先日放送された『情熱大陸』能登応援スペシャル。
内容がとても良かったので、遠藤関(以下、敬称略)のパートだけでも、文字起こしをしておきたい。
民放公式テレビ配信サービス Tverで、しばらく(1週間以上)無料配信されるので、ぜひとも映像で見ることをお勧めしたい。
ただ、現在、被災されて視聴環境が無い・困難な方、配信期間終了後にこの放送に気づいた方などのために、文字起こしをしておきたい。
また、文字起こしをすることで、日本語を解さない海外の相撲ファンにも、GoogleやDeepLのAI翻訳をとおして放送内容に触れてもらい、能登半島や遠藤に心を寄せ続けて欲しいという願いもある。
1.『情熱大陸』能登応援SP(遠藤パート、文字起こし)
[テロップ: 1月13日 関取 遠藤(33歳)]
―― 能登出身の力士、遠藤。ふるさとに暮らす家族が、今回の地震で被災した。
(映像:遠藤登場/取材クルーに一礼/追手風部屋、玄関前)
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遠藤「あーやっぱ、ショックですよね。新年明けてからすごく、つらいと言いますか。何か、毎日心配してますね」
(映像:被災地の倒壊家屋/避難する人々)
―― 情熱大陸では、これまで、能登と縁の深い人々も取材している。彼らは、今とどう向き合っているのか。
[テロップ:石川県穴水町]
(映像:穴水町全体/半壊・全壊家屋が続く住宅街/穴水大宮の倒壊した四脚鳥居と手水舎)
―― 遠藤が生まれ育った穴水町。無惨な光景が、揺れの凄まじさを物語っている。
(映像:穴水湾に建つ、穴水町のシンボル「ボラ待ちやぐら」の遠景、近景)
[テロップ:ぼら待ちやぐら]
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―― だが、穴水湾に組まれたボラ待ちやぐらは、激しい揺れを持ちこたえた。かつて、やぐらでボラの群れを待ち、仕掛けた網を引き揚げた漁師たち。モニュメントは、住民の心の拠り所だ。
[テロップ:令和6年1月場所]
(映像:令和6年初場所(2024年1月場所)/ボラ待ちやぐらの化粧まわしで土俵入りする遠藤/行司、場内アナウンス「遠藤」/観客の拍手と声援/行司「石川県出身、追手風部屋」)
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―― 初場所。遠藤は、やぐらが刺繍された化粧まわしで土俵入り。あの日は東京にいた。場所前で身動きが取れなかった。
(映像:遠藤の仕切り)
―― 海に近い家に暮らしていた80代の祖父たちは、車を諦め、必死に高台へ逃れたそうだ。
遠藤「すぐ、震源地がどこなのかテレビで知って。能登って聞いたので、ええっ!と思って。地震直後はまだ電話つながったので、『逃げた、逃げた』って話を聞いて。でも、やっぱり寒いじゃないですか。時間帯もちょうど夕方だったので。もう、ほんとに。うーん、まあ、『逃げた、逃げた』とは聞きながらも、やっぱり室内じゃなかったので。もう、ほんとにもう、寒いだろうなとか、暖とれないんだろうなとか。そういう、なんか心配がもう、どんどんどんどん、こう、自分の中で増えてって。あれだけの地震があったら、もう『命あって』ですよね。命より大切なもの無いですよ。とりあえずもう、安否確認でしたね」
[テロップ:2014年6月放送]
(映像:関取の白い稽古まわし姿の遠藤)
―― 情熱大陸の取材は、10年前。
(映像:幕下以下の黒い稽古まわし姿の大栄翔との申し合い/股割り)
―― 初土俵から半年で幕内に上がり、注目されていた。
(映像:Tシャツにハーフパンツのラフな遠藤)
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遠藤「そうっすねー、『情熱大陸』さんが入ってから、2回負け越してますからね。ちょっといい画(え)が撮れてないんですよね。見せ場は作ってるんですけどね(破顔)。ちょっと早かった」
(映像:追手風部屋の遠藤の自室)
―― 個室暮らしに出世した23歳。その背中を、故郷の熱い声援が押していた。
(映像:墨字で「白山神社、奉納、遠藤関」、朱印で「正業繫栄、身体健全、交通安全、家内安全、神社若連中」と書かれた、神馬の絵の額を開封)
遠藤「なんか家から送られてきました」
(映像:ざんばら髪の遠藤、額をベッドサイドの壁にかける)
遠藤「これ、落ちてきたらどうしよう。落ちてきたら危ないっすよねえ。(独り言で)壁に穴あけたら怒られっかなあ。こんなもんかな」
(映像:穴水町さわやか交流館プルート「遠藤関 展示室」)
――「地元の星」と呼ばれる頼もしさは、今も健在だ。普段、彼の歩みを展示している施設は、100人あまりを受け入れる避難所となっていた。
(映像:館内の様子/ロビーに集う穴水町の人々/視線の先には、大相撲中継が流れるテレビ)
―― 停電が解消し、遠藤の取組を楽しみにしている人たちのために、テレビが設置されていた。
(映像:初場所2日目(2024年1月15日)/呼出しの呼び上げる声/西から土俵に上がる遠藤)
―― 「今の自分には、土俵に上がり続けることしかできない。それが、みんなの励ましになれば」と遠藤は言った。
(映像:遠藤への声援/行司のアナウンス「西方、遠藤。石川県鳳珠郡(ほうすぐん)穴水町出身、追手風部屋」/観客の声援と拍手)
[テロップ:石川県鳳珠郡穴水町出身]
穴水町民「遠藤、頑張れ!頑張れ!」
(映像:立ち合いから、一気に隆の勝を押し出す遠藤)
穴水町の人々(拍手)「よっしゃー!やったー!やったやったー!」「嬉しいーー!」「遠藤勝った?」「勝った勝った」「勝ちましたよ」「勝ったぞ」「今日勝った?」「勝ちました勝ちました」(嬉しそうに)「うわっうわっ」
穴水町の男性「みんなが、相撲を見てない人でも、出会えばすぐ「遠藤は勝ったか?」「遠藤は勝ったか?」と、やっぱ皆興味持っとる。夕方出会う時は皆、挨拶みたいなもんや。勝ってくれたらいいんやけど。今じゃ、もうそれしか望みは無いわいね」
[テロップ:向洋小学校(旧 住吉小学校)]
(映像:校舎/避難所となっている校内)
―― 家族を亡くした人。家を失った人。不安に苛まれる能登の人々にとって、遠藤の存在は大きい。彼が卒業した小学校も、避難所だった。ここで、意外な人に会うことができた。
(映像:昇降口)
[テロップ:島田良大さん(32歳)]
ディレクター(以下、D)「すいません、突然。大変な時に、本当に」
島田さん(以下、敬称略)「はい。なんもなんも。いえいえ」
―― 島田良大(しまだよしひろ)さん。
D「遠藤さんが出た学校や、ちゅうことで」
島田「ああ、そうです、そうです。ああ、僕、一緒に相撲してましたよ」
D「ええっ!」
島田「ははははは(笑い声)」
D「え、相撲してたんですか」
島田「はい」
D「えー、すごい。なんか」
島田「2人で団体戦とかやってました。で、僕、先鋒で。遠藤関が中堅。ま、1コ上なので、中堅。で、大将は不在で。んで、ずっと勝ち上がって。優勝はしました」
(島田さんとディレクターの笑い声)
D「その頃から、やっぱり、強かったんですか」
島田「そう。もう、別格でしたよ。もう、身体もデカかったんでね。ほんと、強かったですね。相撲する前とかも、でも、普通に遊んでましたし。はい、仲は良かったですね」
(映像:避難所となっている向洋小学校の大教室/窓際に設置されたテレビを皆で囲む/大相撲中継のテレビ画面には、L字で「能登半島地震」の情報が絶えず流れている)
―― ここでも、遠藤の姿は、ひととき現実を忘れるかけがえのない時間だった。
(映像:中日(2024年1月21日)/遠藤と大の里の石川対決)
[テロップ:大の里戦]
―― 石川県出身、同郷の大の里が、この日の相手。
島田(手を叩いて)「さあ、頑張れ」
(映像:立ち合い/互いに強く当たるが、大の里が遠藤を一気に土俵の外に弾き出す)
―― 軍配は23歳の大の里。
(映像:島田さんや町民のため息。残念がる拍手)
島田「みんな分かりやすいですよ。遠藤が終わった瞬間に、もうみんな(いなくなる)」
D「遠藤(の取組)が、終わった」
島田「そう。終わった」
(映像:1人を残して、みな、解散)
島田「みんな、地元愛が強いんすかね、やっぱり」
(映像:島田さん、幼い娘2人を伴って帰宅/島田さんの自宅)
―― 倒壊した家屋が目に付く地区に、島田さんの住まいがある。妻と娘二人、それに両親は、この家で何とか寝起きしていた。
(映像:島田家のリビング)
島田「まあ、今もこんなカッチャカチャなんですけど。まあ、地震当日は、ここにみんなおって。ドーン!と地震あって。」
D「ここで?」
島田「はい」
―― 見せてくれたのは、一枚の写真。
(映像:隣室の鴨居の上の小壁から、遠藤との写真を外す)
島田「こん時に、遠藤が個人優勝して。で、僕と遠藤の団体優勝で」
D「すごーい。凄いっすねえー」(島田さんの笑い声)
(映像:遠藤と島田さんの写真)
[テロップ:遠藤(小学5年当時)]
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―― 1チーム3人の団体戦を、2人だけで勝ち抜いた。遠藤は、島田さんのヒーローだ。
(映像:屋外に建設された相撲場/地震で、大きく歪んだ客席)
[テロップ:穴水町営相撲場]
―― 揃って記念写真におさまった町の相撲場も、客席は割れて大きく歪んでいる。
(映像:遠藤戦を観戦する人々/祈りながら見る住人も)
―― でも、だからこそ、戦い続ける遠藤は、穴水町の希望なのだ。
[テロップ:御嶽海戦]
(映像:千秋楽(2024年1月28日)/遠藤は徹底して前に出るが、土俵際で御嶽海の突き落としに敗れる)
―― 膝のケガに苦しみながら、負け越しで迎えた千秋楽。惜しくも敗れた地元の星に、それでも避難所の人々は拍手を送った。
(映像:両国国技館/初場所の幟/相撲やぐら)
―― ふるさとの応援ぶりを、私たちは関取に伝えた。
(映像:千秋楽の取組後、帰りの車)
遠藤「お疲れさまです」
―― 島田さんから預かった、遠い日の記念写真とともに。
(映像:島田さんとの記念写真を受け取る遠藤)
遠藤(笑みを浮かべながら)「ああ。はい、覚えてますよ」
(映像:島田さんの記念写真に、直筆メッセージを残す遠藤)
―― そこに書き添えた言葉。
(映像:"頑張ろう" の文字と関取のサイン)
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―― 頑張ろう。
遠藤「なんか 『頑張れ』って、なんか他人事じゃないですか。『頑張って欲しい』も他人事じゃないですか。だからもう、『一緒に頑張ろう』っていうことですね」
(※ 遠藤パートの文字起こし、ここまで)
2.関連リンク
毎日新聞
情熱大陸 能登半島地震発生から1カ月 情熱大陸が見つめた被災地の今
(・・・)穴水町出身の関取・遠藤が「情熱大陸」に出演したのは10年前。今や押しも押されもせぬ実力派力士として幕内で存在感を放っている。今月14日に始まった初場所の土俵入りで、遠藤の化粧まわしには能登穴水町のシンボル「ボラ待ちやぐら」が描かれていた。罹災した故郷への祈りが込められていたのだ。場所前の我々の取材に複雑な想いを語った遠藤。すぐに駆けつけられない忸怩たる思いを抱いたまま初場所が始まった。そして、被災地では遠藤を応援する姿があった。(・・・)
(毎日新聞、2024年2月2日)
TBS「情熱大陸」緊急企画 能登応援SP
能登半島地震 発生から1か月 情熱大陸が見つめた被災地の今
(2024年2月4日(日) 放送分)
こんや11時~
— 情熱大陸 (@jounetsu) February 4, 2024
MBS/TBS系 #情熱大陸
緊急企画 能登応援SP
能登穴水町出身の関取 #遠藤 が
「情熱大陸」に出演したのは10年前-
そして今回、場所前の取材に
複雑な想いを語った遠藤
すぐに駆けつけられない
忸怩たる思いを抱いたまま
初場所が始まった pic.twitter.com/biyWu94tbQ
情熱大陸見ました。
— 竹内太一(大翔龍) (@daishoryu_sauna) February 4, 2024
思い出の相撲場が大変な事になっててショックでした。
写真はその土俵です。#遠藤 #情熱大陸 #穴水 pic.twitter.com/Ee3InQCH4d
日刊スポーツ
大相撲遠藤出身地石川県穴水町「展示室」設置の交流館は避難所に…地元の星の活躍が避難生活の力に
能登半島地震で震度6強を観測、大きな被害を受けた石川県穴水町。大相撲の幕内力士、遠藤(33=追手風)の出身地でもある。
「遠藤関 展示室」が設置されている「さわやか交流館プルート」には、避難所として100人以上が身を寄せる。18日、多くの住民が初場所のテレビ中継を食い入るように見つめていた。地元の星の活躍が、厳しい避難生活の力になっている。
◇ ◇ ◇
「行け!」。地震から2週間以上が経つ今も、100人以上が避難する「プルート」の一室。テレビ画面の遠藤に、熱いエールが送られた。この日は惜しくも宝富士(伊勢ケ浜)に敗れたが、避難者からは感謝の声が上がった。
元日から避難生活を続ける松村正夫さん(84)は「頑張っているよ。一生懸命やっている。『地元の星』ですから、みんな感謝している」とほほ笑んだ。中学時代に穴水にある相撲場に通い「能登地方の大会で100人に勝った」という武勇伝を持つ菅原明さん(91)は「負けても勝っても、応援しています。けがをしないで頑張ってもらいたい」と活躍を願った。
施設1階には、遠藤が大学時代に獲得したトロフィーやファンが撮った写真などが並ぶ「遠藤関 展示室」が入る。だが地震発生後、その展示室には布団が敷かれ、避難者たちが身を寄せ合っている。厳しい生活が続くが、夕方からの大相撲中継で、故郷のヒーローに力をもらう。
80代の女性は自宅の柱にひびが入り、家具が倒れるなどした。帰宅の見通しは立っていないというが、「(被害が)もっとひどい人はたくさんいる。食べ物も皆さんから送っていただいて。命があるだけで喜べます」と話した。
ひび割れた道路に、倒壊した家屋。町には至る所に激震の爪痕が深く残る。プルートの関係者は、元日の地震発生時について「建物に入りきらない人が避難していた。椅子で一夜過ごす人もいた。暖房が効かずみんな寒がっていた」と振り返った。
町は、断水の状況が続いている。関係者は「仮設トイレはあるが、ノロウイルスやインフル、コロナなどの感染症が怖い」と口にした。一方で、ボランティアによる炊き出しや自衛隊による入浴支援などがあり、生活環境は改善傾向にある。関係者は「ドタバタしていますが、日々良くなっていると思います」と前を向いた。【沢田直人】
地元の星の活躍が避難生活の力に(日刊スポーツ、2024年1月18日)
3.令和6年初場所の遠藤の取組
遠藤の初場所の取組動画
中日(2024年1月21日)大の里―遠藤
遠藤の初場所の成績
遠藤のプロフィール
(参考)
能登半島地震 大相撲初場所・郷土力士の活躍 報道リンクその1~その8