ウクライナ民謡 沼(1)『コサックはドナウを越えて』 Їхав козак за Дунай
(2024年11月13日追記)
しばらく取り下げていましたが、再公開しました。
マガジン
ウクライナ民謡 沼
以前、「ロシア語でよむ昔話 ウクライナ民話『てぶくろ』(2)」の後記で触れたウクライナ民謡について、個別の記事にまとめてみることにした。
ここのところ、ウクライナ民謡・コサック民謡にはまっている。かなりお勧め。中毒性がある。
1.お勧め動画
この秋のヘビロテ曲は『コサックはドナウを越えて』(伝統民謡の現代アレンジ)だった。
Олександр Кварта, гурт Слобода, DJ Jedy - Їхав козак за Дунай
オレクサンドル・クヴァルタ、スロボダ・バンド、DJ Jedy
『コサックはドナウを越えて』
※ Youtubeの画面右下にある字幕アイコンをクリックすると、ウクライナ語の歌詞が表示される。
ハルキウ・コサック出身のクリモウシキー(Семен Климовський, 1705-1785)の詩に寄せられたロマンス曲。戦地に赴くコサック兵と恋人との別れが歌われている。
2.歌詞の読みかた(発音)
私は、ウクライナ語を学びはじめてまだ半年なので、歌詞を美しい日本語にのせる能力については、心もとない。
幸い、発音をローマ字で表記することは可能なので、添付資料にまとめてみた(画像 / PDF)。
2-1.歌詞(ローマ字発音表記)画像
2-2.歌詞(ローマ字発音表記)PDF
歌を聞きながら、ウクライナ語の歌詞やローマ字の発音表記を目で追うと、あっという間にウクライナ語の発音が耳になじむように思う。
3.民謡のなりたち
『コサックはドナウを越えて』の由来や、歌詞の解釈などについては、以下のサイトに詳しい。
(出典:「世界の民謡・童謡」サイト worldfolksong.com)
4.いろいろな演奏
2023年7月に本邦でも公開された、映画『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』の挿入歌のひとつでもある。
Їхав козак за Дунай з фільму "Щедрик"
映画『シチェドリク』(邦題は『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)』)より『コサックはドナウを越えて』
伝統的な演奏は、以下のとおり。
Петро Білинник - Їхав козак за Дунай.
ペトロ・ビルィヌィク『コサックはドナウを越えて』
Анатолій Солов'яненко - Їхав козак за Дунай
アナトーリイ・ソロヴィヤネンコ『コサックはドナウを越えて』
Квартет ЯВІР - Їхав козак за Дунай
男声カルテット・ヤヴィル『コサックはドナウを越えて』
Національна капела бандуристів України, соліст - Максим Куценко - Їхав козак за Дунай
マクスィム・クツェンコ、ウクライナ国立バンドゥラ合奏団『コサックはドナウを越えて』
バヤン(ボタン式クロマティック・アコーディオン)の演奏に合わせた男声カルテットによる演奏。
4.『コサックはドナウを越えて』の変奏
『コサックはドナウを越えて』はドイツ語圏で『美しいミンカ』として受容され、変奏されたという。
代表的な変奏に、
(1)ベートーヴェン作曲『「美しいミンカ」の主題による変奏曲』(1815-1818年)、
(2)ウェーバー作曲『ロシア民謡「美しきミンカ、私は別れなければならない」による9つの変奏曲』(1815年)、
(3)フンメル作曲『ピアノ、フルート、チェロの為の「美しいミンカの主題によるアダージョおよび変奏曲とロンド」』(1818年)
などがあるとのこと。
詳しくは、以下のサイトを参照されたい。
(出典:「世界の民謡・童謡」サイト worldfolksong.com)
※ ヘッダー写真の出典は、オレクサンドル・クヴァルタ公式Youtubeチャンネル。