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祝・新入幕!獅司(その2)ウクライナの報道(和訳)
ししぜき、しんにゅうまく、ウクライナのニュース(にほんご)
獅司関の新入幕に関するウクライナの報道(和訳)
Новини про вихід у вищий дивізіон українського сумоїста Шіші (переклад на японську)
Новости о выходе в высший дивизион украинского сумоиста Шиши (перевод на японский)
10月28日の九州場所の番付発表から、約1週間が経過した。
獅司関の新入幕が確定して以降、ウクライナの国内報道を追っていたが、じわじわと朗報が祖国の人々に届き始めているようである。
10月30日の『ススピーリネ・ザポリージャ Суспільне Запоріжжя』による一報については、以下を参照されたい(獅司関の新入幕に関する『ススピーリネ・ザポリージャ』の報道、日本国内の報道、九州場所前稽古情報[随時更新予定]、その他のリンクなどを掲載)。
上記以外のウクライナ国内の報道、ウクライナ語・ロシア語の報道について、本記事で随時和訳し、取り上げていきたい。
(お願い)
獅司関の快挙を伝えるウクライナ国内の報道を収集する過程で、ウクライナの相撲界や力士たちを取り巻く複雑な状況が明らかになってきました。
今回の朗報を伝えるニュースの中に、子ども時代から二人三脚で獅司関を支えたククソフコーチや、ウクライナ女子相撲界のレジェンド・ダヴィドコ選手に対する、ウクライナの記者による激しい非難の文言も含まれています。
これらの事実をわざわざ日本語に訳す必要があるのか、獅司関にとって非常につらい事実であろうと思われる内容を、新入幕の晴れがましいタイミングで日本の相撲ファンにわざわざ伝える必要があるのか、葛藤がありました。
獅司関の故郷メリトポリは、現在もロシアに占領されています。
ふるさとに帰ることができないというのは、筆舌に尽くしがたく、身を切られるようなことだと想像します。
そのうえ、慣れ親しんだウクライナ相撲界が戦争の波にのまれているのですから、他国の人間には想像を絶する状況です。
私は、ウクライナでなされている報道を黙殺するのではなく、そのまま、日本語に訳したいと思います。
獅司関の置かれている状況をなるべく正確に把握したうえで、これからも、どんな時でも、相撲ファンで一緒に関取を支えていきませんか。
※ 記事は敬称略。
1.NHK WORLD-JAPAN(ウクライナ語、ロシア語、日本語)
NHK WORLD-JAPAN
Шіші став першим українським сумоїстом вищого рангу
(ウクライナ語版、和訳)
獅司はウクライナ初の幕内力士となった
2024年10月30日
祖国で初めての幕内力士となったウクライナ人の力士は、喜びを表した。
彼がこのことを表明したのは、新入幕を明らかにした10月28日(月)の11月場所(九州場所)前の番付発表後のことである。
27歳の獅司(雷部屋)は「昇進できて嬉しい。ウクライナの両親は困難な日々を過ごしているので、自分が頑張って働いて、彼らを支えていけるよう願っている」と述べた。
彼は4年前の春場所で初土俵を踏んだ。
190cm超えの身長を取組で最大限にいかし、昨年の名古屋場所で十両に昇進した。
先月の秋場所の成績は9勝6敗と印象的なもので、これが今回の昇進に繋がった。
獅司は「もっと時間がかかるかと思ったが、1年で昇進できて嬉しい」と述べた。
さらに、彼は「昇進を伝えるために、両親に電話します」と付け加えた。
彼の両親は、ロシアが攻撃を続けているウクライナに在住している。
(ロシア語版)
(基本的に、上記ウクライナ語版と同じ内容)
(日本語版)
微妙な表現の差異
日本語版
「ロシアの軍事侵攻が続くウクライナに住む両親」
ウクライナ語版
Його батьки живуть в Україні, яку продовжує атакувати Росія.
「彼の両親は、ロシアが攻撃を続けているウクライナに在住している」
ロシア語版
Его родители живут в Украине, где продолжается российское вторжение.
「彼の両親は、ロシアの侵攻が続くウクライナに在住している」
2.『ポドロブィツィ Подробиці』
Подробиці
Борець з Мелітополя став першим українцем, який досяг вищого дивізіону японського сумо
(和訳)
メリトポリ出身の力士は、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった
2024年10月30日
(ロシアによるウクライナ侵攻でー訳者註)占領されているザポリージャ州メリトポリ出身のウクライナ人力士、セルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で幕内昇進を果たせた初めてのウクライナ人になった。このことについて、セルギイ・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が伝えた。
ソコロフスキーは、6歳から格闘技を始め、2018年に相撲ヨーロッパ・カップ(成人の部)で優勝し、2019年に来日した。2020年3月には、大相撲初のウクライナ人力士となった。
27歳のセルギイは、日本で獅司大(ししまさる)という四股名で出場している。大相撲でこれほどの高みに達することができた最初のウクライナ人になるために、ソコロフスキーは4年以上かかった。身長は193cm、体重は171kgである。
11月10日に初日を迎える九州場所を前に、新番付が発表された。セルギイは幕内に昇進し、今後は日出ずる国(日本―訳者註)の最強の力士たちと闘うことになる。
今年3月には、クリミア出身の元ウクライナ人のオリガ・ダヴィドコ選手に対する起訴状が、裁判所に送付されたことを想起されたい。
彼女にかけられた嫌疑は、侵略国への幇助(ウクライナ刑法第111条2項)である。
ダヴィドコは、何度も相撲のヨーロッパ女王になり、ウクライナで初めて相撲世界選手権の女王に輝いた。2016年以降、彼女はロシア代表として出場している。
3.『RIAメリトポリ РІА Мелітополь』
💪🇺🇦Борець сумо з тимчасово окупованого Мелітополя Сергій Соколовський став першим українцем, який досяг вищого дивізіону...
Posted by РИА "Мелитополь" on Friday, November 1, 2024
(和訳)
(ロシアによるウクライナ侵攻でー訳者註)一時的に占領されているメリトポリ出身の力士、セルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった。このことについて、セルギイ・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が、自身のフェイスブックで明らかにした。
獅司大(ししまさる、セルギイの四股名)は、大相撲の幕内の壁を突破した、最初のウクライナ人力士となった。
10月28日、九州場所(11月10日初日)の番付発表を受け、「私はとても嬉しいです。自分のママにこれから電話します」と27歳の力士は語った。驚異的な体格(身長193cm、体重171kg)にも関わらず、獅司の幕内昇進への道のりはゆっくりした歩みだった。
獅司は、入門から新入幕までに4年半の歳月を要した。
残念ながら、セルギイのコーチであるルスラン・ククソフは、ウクライナの王者(獅司のこと―訳者註)とは正反対である。彼は、真っ先に国を裏切ったスポーツ選手の一人となった。
4.『コロトコ・プロ Коротко про KP.UA』
Коротко про KP.UA
Мелітопольський спортсмен став першим українцем, який досяг вищого дивізіону сумо
(和訳)
メリトポリ出身の力士は、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった
2024年10月30日
一時的占領下にあるザポリージャ州メリトポリ出身のウクライナの力士、セルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった。このことについて、セルギイ・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が、自身のフェイスブックで明らかにした。
11月10日に初日を迎える九州場所を前した番付発表を受けて、27歳の力士は「とても嬉しいです。自分のママにこれから電話します」と語った。セルギイは、九州場所で大相撲の最強の力士たちと闘うことになる。
ウクライナ人の彼は獅司大(ししまさる)という四股名で出場している。大相撲でこれほどの高みに達することができた最初のウクライナ人になるために、ソコロフスキーは4年以上かかった。身長は193cm、体重は171kgである。ソコロフスキーは、6歳から格闘技を始め、2018年に相撲ヨーロッパ・カップ(成人の部)で優勝し、2019年に来日した。2020年3月には、大相撲初のウクライナ人力士となった。
今年3月には、クリミア出身の元ウクライナ人のオリガ・ダヴィドコ選手に対する起訴状が、裁判所に送付された。彼女にかけられた嫌疑は、侵略国への移動、ロシア連邦軍のための資金集め、プロパガンダ的ナラティヴの推進である。
2023年11月17日、オリガ・ダヴィドコは侵略国への幇助の嫌疑がかけられた。
5.『バフネト Багнет』
Багнет
Борець з Мелітополя став першим українцем, який досяг вищого дивізіону японського сумо
(和訳)
メリトポリ出身の力士は、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった
2024年10月31日
(ロシア軍による―訳者註)占領下のザポリージャ州メリトポリ出身の力士、セルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった。このことについて、セルギイ・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が、自身のフェイスブックで明らかにした。
ソコロフスキーは6歳から格闘技を始め、2018年に相撲ヨーロッパ・カップ(成人の部)で優勝し、2019年に来日した。2020年3月には、大相撲初のウクライナ人力士となった。
27歳のセルギイは、日本で獅司大(ししまさる)という四股名で出場している。大相撲でこれほどの高みに達することができた最初のウクライナ人になるために、ソコロフスキーは4年以上かかった。身長は193cm、体重は171kgである。
11月10日に初日を迎える九州場所を前に、新番付が発表された。セルギイは幕内に昇進し、今後は日出ずる国(日本―訳者註)の最強の力士たちと闘うことになる。
6.『RIA ピウデニ РІА Південь』(RIAメリトポリ РИА Мелітополь)
РІА Південь
Мелітопольський спортсмен увійшов до найвищого дивізіону сумоїстів
(和訳)
メリトポリの力士は大相撲で新入幕を果たした
2024年11月3日
メリトポリのスポーツ選手たちは、自分たちが最も優れていることを国際大会で証明しつづけている。力士のセルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で新入幕を果たした最初のウクライナ人になった。
この記念すべき出来事について、セルギイ・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が、自身のフェイスブックで明らかにした。
獅司大(ししまさる)の四股名で出場中のセルギイは、大相撲で極めて高いレベルに達した最初のウクライナ人力士となった。
獅司は、ウクライナと伝統的な相撲競技にとって歴史的な瞬間に、幕内に昇進した最初のウクライナ人力士となった。
「ママにこれから電話できるので、とても嬉しい」という27歳の力士の言葉を、朝日新聞が伝えている。
身長193cm、体重171kgという圧倒的な体格にも関わらず、獅司の幕内への昇進はゆっくりしたものだった。
入門から新入幕まで4年半の歳月を要した。師匠は「彼の才能からすると、新入幕は遅かった」と述べた。
メリトポリ出身のセルギイ・ソコロフスキーは、少年時代に格闘技をはじめ、15歳で相撲に転向した。日本での初土俵は、2020年春場所。
その2年後にロシアによるウクライナ侵攻がはじまり、メリトポリは占領下に置かれた。
セルギイは帰郷できず、占領下の町(メリトポリ)に残った母に毎晩電話をした。来日当初、獅司は、日本語と日本文化に適応しようともがきながら、自由な時間はひとりで公園にいることが多かった。
メリトポリ出身の獅司の師匠は、「彼はひとりぼっちだと感じていたと思う。私は、より多くの時間を彼と過ごすよう努め、彼が家族の一員だと話して聞かせた」と語る。
現在、獅司は書類仕事を手伝ったり、彼が優しく「弟」と「妹」と呼ぶ師匠の子どもたちと遊んだりしながら、ほとんどの自由時間を雷部屋で過ごす。
(ロシア語版)
※ メリトポリはロシア語話者の多い地域にあり、地元紙はウクライナ語とロシア語を併用している。
7.『ミグ МИГ』
(ウクライナ語版)
МИГ
Cпортсмен із Мелітополя потрапив до вищого дивізіону японського сумо
ロシア語版
МИГ
Cпортсмен из Мелитополя попал в высший дивизион японского сумо
(和訳)
メリトポリの力士は大相撲で新入幕を果たした
2024年11月17日
獅司大(ししまさる)の四股名で出場中のメリトポリ出身力士セルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で新入幕を果たした最初のウクライナ人になった。
このことについて、セルギイ・コルスンスキー駐日ウクライナ大使が伝えた。
27歳の力士(獅司)について、日本の週刊誌(訳注-朝日新聞社発行の週刊英字新聞「朝日ウイークリー(Asahi Weekly)」のことか)朝日新聞は次のように書いている。
「セルギイ・ソコロフスキーはウクライナ南部メリトポリに生まれ、少年時代に格闘技をはじめ、15歳で相撲に転向した。日本での初土俵は、2020年春場所。その2年後にロシアによるウクライナ侵攻がはじまり、メリトポリは占領下に置かれた。市街地が激戦に見舞われている間、獅司は帰郷できず、母と連絡を取るために夜間のビデオ通話に頼っていた」
「ママにこれから電話できるので、とても嬉しい」』という力士の言葉を、朝日新聞が伝えている。
身長193cm、体重171kgという圧倒的な体格にも関わらず、獅司の幕内への昇進はゆっくりしたものだった。
入門から新入幕まで4年半の歳月を要した。
師匠の雷親方は「彼の才能からすると、新入幕は遅かった」と言う。
現在、獅司は書類仕事を手伝ったり、彼が優しく「弟」と「妹」と呼ぶ師匠の子どもたちと遊んだりしながら、ほとんどの自由時間を雷部屋で過ごす。
写真: Asahi Shimbun
その他
(地元のインスタ)
Типовий Мелітополь 『典型的なメリトポリ』
(ポストの和訳)※『ススピーリネ・ザポリージャ』の内容とほぼ同じ。
メリトポリ出身の力士、セルギイ・ソコロフスキーは、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった。
驚異的な体格(身長193cm、体重171kg)にも関わらず、獅司の幕内昇進への道のりはゆっくりした歩みだった。
獅司は、入門から新入幕までに4年半の歳月を要した。
セルギイ・ソコロフスキー略歴
1997年1月16日、メリトポリ生まれ。6歳からウクライナで格闘技を始める。2018年、相撲ヨーロッパ・カップ(成人の部)優勝。2019年、来日。2020年3月、大相撲初のウクライナ人力士となった。
(地元のテレグラム)
Мелітополь 🍒 в курсі❗️ВІЙНА『メリトポリ🍒事情通❗️ 戦争』
(ポストの和訳)
最高。
メリトポリ出身者が、大相撲で幕内昇進を果たした初めてのウクライナ人になった。
セルギイ・ソコロフスキー。ウクライナ全体と同じように、メリトポリも君を誇りに思う。
(ウクライナの日本情報サイト)
Японія в деталях
(ポストの和訳)
ウクライナと伝統的な相撲競技にとって歴史的な瞬間!
獅司(ウクライナ名はセルギイ・ソコロフスキー)は、大相撲の幕内の壁を突破した、最初のウクライナ人力士となった(イヴァン・ボリシコ[横綱・大鵬-訳者註]のようにウクライナにルーツがある力士というのではなく、ウクライナ人の力士であるという点がポイント)。
10月28日、九州場所(11月10日初日)の番付発表を受け、「とても嬉しいです。自分のママにこれから電話します」と27歳の力士は語った。
驚異的な体格(身長193cm、体重171kg)にも関わらず、獅司の幕内昇進への道のりはゆっくりした歩みだった。
入門から新入幕までに4年半の歳月を要した。
セルギイ・ソコロフスキーは、ウクライナ南部のメリトポリで生まれ、少年時代に格闘技をはじめ、15歳で相撲に転向した。
日本での初土俵は、2020年春場所。
※ 随時更新予定。