【漫画メモ】ヤマトの火(星野之宣)
日本の古代史や邪馬台国を題材とした歴史ロマンな作品。未完に終わっているので読後にモヤモヤしますが、その後「ヤマタイカ」というリメイク漫画を描かれてます。初見の方はそちらを読んだ方がよろしいかと。
以下、あらすじと感想です。あらすじは最初の方だけ、感想はネタバレありです。
あらすじ
父親が残した「火の民族仮説」。父親の事故死により未完に終わったこの仮説を検証するため、岳彦は沖縄と九州へ調査に出かけた。父親がたどり着いた恐るべき結論とは何なのか…?
岳彦がまず訪れたのは沖縄の斎場御嶽。ここではニライカナイ・祭が行われていた。アマミキヨ神話の再現を行う祭のはずだが、岳彦が見たのはそんなものではなかった。女神アマミキヨを蘇らせる儀式のようで、祭の直後には地震が起こって火山が噴火し、只事ではない状況に。また、蘇った女神アマミキヨは、祭を行うのに「オモイカネ・マツガネ」という銅鐸が必要だと言ったが、船磐に置いてあったはずのそれは盗まれていて…
あすかあきお先生のショックサイエンスシリーズや、美内すずえ先生の「アマテラス 倭姫幻想まほろば編」を彷彿とさせる、やたら真実味のある仮説の物語です。
アマミキヨやニライカナイ祭って聞いたことがなく、実在するんかいなと思いましたが、漫画の枠外には参考文献がたくさん載っていて、ある程度事実に基づいた話のようです。これが民明書房みたいなんだったらゲシュタルト崩壊しそうですけど。
邪馬台国の場所が解き明かされ、火の民族の正体もなんとなく分かりましたが、卑弥呼とアマミキヨの関係、火の国熊本と阿蘇の火山信仰、銅鐸の用途など、謎を残しつつ未完で終わります。