【読書メモ】もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら(工藤美代子)
同じ著者の「凡人の怪談」を読んでたら、こちらも読みたくなったので久々に読んでみました(もう3回目くらい)。冒頭部分程度のあらすじと、それより少しはネタバレありの感想を書いておきます。
病院にて
入院したときの話。病院の廊下には先生や見舞客がたくさんいて…
病院での話の他、著者の怪異に対する考えなど。
その男の顔
再婚した父が住んでいた屋敷の池には…
実在の人物の名前が出てくると震えます。
通じる思い
母の経営するレストランで経理をしてくれていたC子さんは…
著者は自分のことを「鈍感」と言いますが、とんでもない!って思う話。
三島由紀夫の首
川端康成の家に行ったとき、秀子夫人から聞いた話。
これも実在の人物系。秘密に触れたような話です。
知らない住人
以前住んでた家での換気扇の怪。
悪魔の木
マルチニーク島の"悪魔の木"。苗をもらった筆者は…
悪魔の木、怖すぎるけど顛末は…
兄とコビー
ゴールデンレトリバーのコビーと兄の交流。
お兄さんには障害があったそうです。
謎の笛の音
夜中に聞こえる笛の音。
元夫の真っ白な家
綺麗好きの元夫。ある日、夢に元夫が現れて…
坂の途中の家
家の窓から見える坂道を通る通行人は…
マジックミラーのようになっていて、家の中から外は見えるけど、外から中は見れなかったとか。それってわりと面白そう。
バリ島の黒魔術
バリにはバリアンと呼ばれる魔術師のような人がいて…
バリアンという名前の響き自体、何か恐ろし気。
霊感DNA
姪の話。櫛やマンホールの蓋について。
工藤家、霊感強いです。
母からの電話
母が亡くなったときの話。
「赤い」人たち
プラハに留学していた18歳の頃のこと。そこにはキムという北朝鮮の女子学生がいて…
こういうレアな体験しているのもすごい。あの時代に留学するということ自体、すごいことだったのかもしれない。
火の玉は何色か?
子供の頃、新潟の父方のお墓参りに行ったときに見たものは…
あとがき
東北大震災の2~3日前に、知人の中村さんを見かけ…。また、モンゴルの若き革命家、ゾリグの話。
あとがきまでしっかり怖い話が書かれてます。しかも、わりと怖めの話です。
★全体的な感想
エッセーの文体で書かれた怪談です。いかにもな怪談文体(?)ではないだけに、真実味があって怖いです。日常のちょっとした隙に非日常があると言いますか。霊能者ほどではないものの、著者の霊感はなかなかすごいものがあると思いました。でもそういう"霊能者未満"の人、隠れてるだけでけっこういるんだろうなあ。