ずっと恋愛ごっこだけしていたかった 31
あざとくしたい
彼と付き合っていた頃
あざとくしたいと思って
仕掛けたことがあります
会社では市場調査に行くので
みんなバラバラに散るという日が月に一度くらいありました
私はこういう時はだいたい課長を誘います
ご一緒したいですと声かけ
じゃ一緒に行こうってことになりました
その課長は
会社の上司の中で資産が一番あると聞いていた
地位はそこそこだけど余裕があって上品な人
フレンチレストランを経営しているとの噂
かなり年下の奥さんがいることも知っていますし
その人とどうかなろうとは一切思っていませんでしたが
考えることはひとつ
何とかして彼を妬かせてやろうと
課長と私が一緒に出るとなったら
皆仲を元から怪しんでいるから誰もついて来ません
実は私は
前からちょっぴり伏線を張っていたのです
午後から遅めのフレンチのコースをごちそうになり
市場調査は銀座の店をブラブラするだけ
何か買ってあげると言われたのでなんか小さいものを買って貰いましたね
(何だか忘れた)
そしてただいま戻りましたと
頃合い4時間後くらいに
わざわざ彼の席の側の扉から事務所に入る
4時間は食事してご休憩したくらいの時間
そこは計算しました
ふふふ
何をしてきたか知りたいでしょ
って感じで微笑みながらじっと彼を見る
もはやそういうプレイ
わざわざあざとくして
やきもち焼かせたいこっちを見させたい
そう言うシチュエーションに
わざわざ持っていく
で案の定
私の思う壺にはまるのです
何処行ってきたの?
何してきたの?
・・・内緒
別に何もしていませんが
想像過多になった彼に
絶対にわざとしたなんて言いませんでした
彼がモヤモヤしてイライラして
何だか優しくなったり邪険にされたり
甘えられたり強引になったり
でもそれは私のことが
彼の心の中を占めている証拠ですよね
私は
そう言うシチュエーション楽しむために
ときどきこんな種を蒔いておいたりしたのです