みかんとクリスマスの意外な関係のおはなし
おはこんばんにちは、しらぬひです。お久しぶりです。
みなさん、みかん、食べていらっしゃいますか?
12月にも入りまして、スーパーにみかんがあふれる季節となりました。
実は本日、12月3日はみかんの日なんです。
正確には「いいみかん」という語呂合わせで11月3日が本当のみかんの日なんですが、12月3日も一緒にみかんの日に制定されております。(詳しくはしらぬひではなく制定した全国果実生産出荷安定協議会と農林水産省に聞いてください、もうこれ以上のことは言えません)
てなわけで、みかんでもつまみながら記事をお読みください。
一日に2つ食べるのが望ましいとされておりますので(根拠:食事バランスガイド)、ぜひ1つと言わず2つ食べてくださいね。
日本のみかんは世界を旅する
ちょっとかっこつけましたごめんなさい。
でも、このことは事実なんです。
こちら、農林水産省のホームページから持ってきたんですが、まあ日本から海外に輸出されていないとは言えない程度には輸出されているわけですね。
2014年を境に量が減ってるのはあまりよくわからないんですが、量が減ってる割に輸出額はそんなに減ってない、というかむしろ増えているので、高級な贈答用柑橘の輸出が増えているのであろうと思われます。
余談ですが上のリンクから飛んでみていただきますと、他の品目の輸出実績も載っています。結構品目によってばらっばらです。なんでだろうね。これだけでも研究できそうですね。修士論文にはしませんけど。
そして、どの国に輸出しているのかも載っております。
これは前提知識(?)なのですが、農産物の輸出は結構大変です。どうしてかというと、生ものなので傷まないように早く届けなくてはならないからです。
そのため、自然と輸出先というのは近所の国々、つまりアジア圏が多くなるんですね。
しかしこの表をご覧ください。
あれ?当てはまらない国がいますね。
そう、カナダです。
日本の柑橘は、太平洋を渡ってカナダにも輸出されているのです。
どうしてなのでしょうか?
日本のみかんは太平洋を渡る
カナダに日本のみかんが渡っているのを説明するためには、少し昔に遡って話をしなくてはなりません。
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時は明治。
まだ出稼ぎや移民を行う人が多かったこの時代に、日本から遠路はるばるカナダへ渡ってきたとある人物がおりました。
名を、工野儀兵衛と申します。
彼はブリティッシュ・コロンビア州のスティーブストンという海沿いの地域で、サーモンの缶詰工場を目にします。
そして彼は故郷へこう連絡をしました。
「フレーザー川にサケが湧く」と。
その知らせは海を渡り、和歌山県三尾村という村に届きました。
知らせを聞いた村人はカナダに移住を始めます。
こうして、スティーブストンに日本人街が誕生することとなりました。
日本にも外国人街というものは数多くありますが、現地の料理目当てで行かれる方もいるかと思います。
移民にとっては、輸入するのは高くても、やはり故郷の味というのは忘れられないものなのでしょうね。
スティーブストンでも例に漏れず、移民たちが多くの食品を日本から輸入していました。
その中に、うんしゅうみかんがあったのです。
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やっとうんしゅうみかんの話になりました。
カナダに行っても食べたいだなんて、和歌山県民のみかんへの愛がとても感じられますよね。
実はこの話には、もう少し続きがあります。
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うんしゅうみかんは長い時を経て、じわじわとカナダに浸透していきました。
さらに、たまたまカナダなどのキリスト教が信仰されている国々では、クリスマスの夜に靴下にオレンジを入れる習慣があったのです。そのオレンジのことを、現地では「クリスマスオレンジ」と呼んでいるそうです。
それと合体したのかどうだかは定かではありませんが、今ではカナダに日本からうんしゅうみかんが「クリスマスオレンジ」として輸出されているのです……
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この間、第二次世界大戦などもあり、移民していた日本人は冷遇されていた時期などもあったはずなのですが、それをどうにか乗り越えて今に至るようですね。経緯は調べても全然出てきませんでしたが。
ちなみに、このクリスマスオレンジですが、かなりキリスト教圏ではメジャーなようで、「どうしてクリスマスには靴下にオレンジを入れるの?」みたいな絵本とか記事とかが結構出てきます。
元から身近な存在だったからこそ、浸透しやすかったのかもしれませんね。
日本のみかんが進化している
クリスマスとみかんの関係、いかがでしたでしょうか。
ご存知の方はあまりおられなかったのではないかなと思います。
実は、この「クリスマスオレンジ」の文化を日本に逆輸入しようという流れが業界の中でじわじわ生まれてきています。
特に愛媛県で頑張っていまして、最近「ハート形のみかん」というのを作って輸出していたりします。
どうですか?結構ハート形じゃないですか?
実がなったらまだ青いうちに型にはめ込んでハート形に変形させるという無理やりな方法で育てられているため、手間暇は相当かかると思いますが、輸出用ならちょっと高くてもなんとかなるでしょう。
いつか育てているのを見てみたいですね。中身はどうなっているんだろう。気になります。
さて、そろそろみかんを2つ食べ終わったのではないでしょうか。
寒くなってきましたので、ビタミン補給にぜひみかんをたくさんお召し上がりください。
Merry Christmas!
参考文献
・農林水産省、「令和3年農林水産物・食品の輸出実績(品目別)」(最終閲覧日:2022年12月2日)
・Keep Exploring(カナダ観光局公式ホームページ)、「日本人移民とサーモン」(最終閲覧日:2022年12月3日)
・川上共選、「ハート形みかんへの取り組み」(最終閲覧日:2022年12月3日)