はじめてのときメモGS2〜氷上格編〜
私のプレイ記録:GS4どっぷり→GS1→GS2初プレイ←イマココ
推し:玲太、零一、ハヅケイ、真嶋太郎(手遅れ)
事前情報:某🎃の実況でうっすらストーリーを知ってた程度。全部は見てない。キャラクターはだいたいTLからの受動喫煙
攻略順:佐伯→太郎♡→氷上←イマココ
以下、プレイ記録&メモ↓
1年目
ネタバレにならない範囲で攻略を見つつ氷上格に狙いを定め、生徒会に入りバイトは珊瑚礁にしました(脳死)
生徒会コマンドより先に勉強コマンドを選んでしまうミスを繰り返し、またしても校門前で出会ってしまいまいた
たった15秒とかそういう例外を受け付けない氷上、本当の意味で誰にでも平等で、一番信頼ができるタイプの人間ですね
ここで激オモシロ手信号スチル爆誕
普段都心で車を運転してチャリカスミサイルに悩まされている身としては、この交通順守精神に拍手を送りたくなります
この頃の氷上はまだ、ルールが誰のためにあるのかとかなぜ守らなきゃいけないのかはふんわりわかっているものの、
「正しさ」を追い求めることが先行しているように感じます
誰かのためというよりは「正しいから」そうしている 感じですね
出会いには恵まれつつも、生徒会でひいこら言いながらパラ上げを続ける、1年目特有の乾いた日々
そんな中、階段から転げ落ちて事故☆キッスするという前歯欠損必至イベ発生
自分のファーストキスどうこうより先に「君は何か大事なものを失ったということはないだろうか」とこちらを気遣ってくれる返答———好(ハオ)だな
「僕も気にしないから君も気にしないで」「僕たちは友達だ」と口にすることで変に気まずくならないようにしてくれてる……
ヒトデキ(人としてできているの略)じゃん……
この辺りで校舎裏でタバコ吸ってそうマンこと若王子先生(※吸ってないしいい加減怒られろ)に勉強の質問をするイベントも見ました
氷上は規律を重んじるけど、守れない人や自分ルールで生きている人を必要以上に責めることは全くなくて、
誰かに責任や非を押し付けることもまずありません
全ての物事を自責・向上に繋げてるんですね
だから質問の途中で先生が購買に行っちゃっても
「(昼休みだということを気遣えなかった、科学を理解できていなかった)僕の勉強不足」になるんです
なんというか、立派という言葉で片付けるのが残酷なほどしんどい生き方を選んでいるなあと
16歳の子供なんだから、もっとずっこくて楽な生き方をしたって誰にも責められないよ…
小野田さん以外誰も私のことを好きじゃない日々が続くので、小野田さんと遊び散らかします
どうでもいいけど小野田さんの夏服(ボタンが並んだブランのやつ)、ちょっと前に流行ったトレンチワンピじゃない???流行が追いついた???千代美かわいいよ千代美
ビーチのときめき会話が見たいので一年目から氷上を海に引っ張り出しま〜〜〜す!!!
泳ぐ気ないのに帽子被ってるの面白すぎるだろ
デートのファッションや成績はストレートな言葉で褒めてくれるのに、
水着だけは「妙に似合うじゃないか」とちょっとまごついた言い方なの、むっつり感が現れてて良い
目を瞑って言ってるのも「見ないようにしてる感」があって良い
最高の夏にしたいのでもちろん花火にもいきます
私のことまだ好きじゃないのに遅刻しないのマジで偉すぎる
遅刻しておいて先に来てたフリしようとする玲太聞いてる???おい
この浴衣がいいねと君が言ったから8月1日は浴衣記念日
浴衣だとまっすぐ目を見て褒めてくれます
二人揃って着てきたことにもぐっときてるのかわE
1年目も2年目も、花火の選択肢は科学っぽいことを聞いておけばバチ好が出ました
知識に貪欲で科学が好きな一面が垣間見えます
それと同時に、のちに匂わされる「中学の時は友達がいなかった」原因はここにあるのかもしれないなと……
氷上は良いやつです
勉強を聞けば喜んで教えてくれるし、規則に関して厳格ではあるけれど強い言葉を使うことはないし、友達思いの優しい男の子です
良いクラスメイトのはずなんです
でも、遊びに行って科学の知識を語ったり、家で教養番組ばかりを見ている子と話が盛り上がるかと言われればそうではありません
きっと中学の同級生たちは、心から氷上を嫌っていたわけではないと思います
ただ、仲良しグループを作ってずっと一緒にいたい子かと言われるとそうではなかった、休みの日に一緒に遊びたい子ではなかった
それだけだったのかなと
なんとなく切ない気持ちになりながらもべたべた触りまくって帰路に着くと、氷上から届いたスキンシップレビュー
「愉快なデートだったけれど、適切な距離は保ちたいね」……
デートだと思ってくれてたんだ……デートで花火の構造の話したんだ……
なんて純粋な子なんだ
夏が終わるとデートは控えて再びパラ上げの日々。すると、やってきた生徒会選挙イベ
氷上は教師のような口調で、校則の周知徹底を呼びかけます
やはり、校則を守るという「正しさ」に囚われて、なぜ守るのかとか守ってそれを何に繋げるのかとか、そういったことがまだ見えていない様子です
当然選挙には落ちてしまう氷上
「正しいことを言っても理解されない」
「僕が間違っているんだろうか」
「また、嫌なヤツだと思われたかな」
「でも、自分の考えにウソはないし」
氷上は真面目ゆえに嘘がつけません
他人にも、もちろん自分にもまずは自分自身が納得しないと、考えや行動を変えることはできない。だから人よりもたくさん悩む
けれど、その辛さを表に出さない強い子でもあります
その後、図書館でモブどもに勉強を教えるスチル発生
「テストは習ったことしか出ないから難しくない」と言っていた氷上ですが、
だからといってわからない子を責めることも見下すこともなく、
同じ目線できちんと教えてくれるばかりか「みんなで助け合ってる」とさえ言います
人生何周目やねん
関係ないけど冬休み前の下校イベで餅を丸めるのが得意という謎設定が発覚して笑う
ていうか生徒会やりながら塾まで行ってるのすごすぎる
クリパになったので無理やり奇跡を起こしてプレゼント交換します
1年目は微妙な物を出す男子も多い中、星の砂をもらって普通に「へぇ〜!?↑」って声出た。おしゃれやな
このあたりで友好に入ったのでデートに引っ張り回し始めます
冬の並木道での会話や「どんな音楽聴く?」の質問でわかったのですが、氷上は自然がとても好きです
四季の移ろいや自然の音、空気に敏感で、それらを慈しむことのできる感受性を持っている
理系だけど文学の才能もあるよ、氷上。おばちゃん感心した
コソ勉の甲斐あって1年目の終わりには学年1位に
「次は君に勝つ」とやはり向上心を忘れないヒトデキ氷上
“キュン”以上に人として尊敬できる男の子です
2年目
2年目の春になると、とうとう小野田さんからライバル宣言
これを見るのは初めてじゃないけれど、何度見ても良い
意地悪なことを言うんじゃなくて「負けませんよ!」なテンションでライバル宣言してくれるの清々しい
ここで4月生まれワイ、初めて誕生日プレゼントをゲット
「誕生日おめでとう。そして、生まれてくれてありがとう」——
現時点でまだ友達の女の子にここまで言ってくれるのすごくないですか!?
うちの玲太「合格」とか言ってくるんですけど!?
しかもいつもみたいにこちらを意識して頬を染めるとかはなくて、
マジで何の照れも躊躇もなく当たり前のようにさらりと言ってくれるんですよ!!
お前……氷上お前ェッッッッッ!!!!(恋に落ちる音)
「変かな?僕の家ではこう言うんだ。だから自然とそう思うようになってて」
『そう思うようになってて』——
つまり『自分ちでは当たり前の言葉だから友達にも形式的に言った』んじゃなくて、
心からそう思ってるから言ってくれた……ってコト!?(限界オタクちいかわ)
しかも頂いたブツは7号ホールケーキ
これね〜〜〜〜〜今までもらった誕プレの中でトップクラスにぐっときました
氷上家はきっととてもあたたかくて、誕生日にはホールケーキを分け合って「生まれてくれてありがとう」と言うような素晴らしい家庭なんですよ
それを氷上も幸せに感じていると思うんです
だからその幸せをあかりにも味わってもらいたいと、
小洒落たアクセサリーや便利なガジェットではなくあえてケーキをプレゼントしてくれたに違いありません
『家族で祝う誕生日しか知らないから、同級生の女子に何をあげたら良いかわからなかった』という説もありえますが、細ぇこたあいいんです
あかりの幸せを願って、ケーキを抱えて夜に駆けつけてくれた。それだけで十分なんです
2年目の体育祭時期に差し掛かると、好き状態に入って自宅に誘ってくれるようになりました
マンションの8階に住んでいることは年賀状でわかってましたが、マジで綺麗なマンションです
お部屋もIKEAと無印で構成されていそうなシンプルかつ洗練されたインテリア
ちゃんとしたご両親に大事に育てられていることが滲み出てます
氷上の両親は本編に登場しませんが、会話の節々で愛情深く優しい両親であるということが仄めかされています
格と書いて「いたる」と読む立派な名前を授け、幼い頃から様々な経験をさせ、
沢山の本や望遠鏡を買い与え、スキンシップや愛の言葉をふんだんに贈る……
お金持ちな家や高学歴な家庭は数多くあれど、
こんなにも愛に満たされた家庭はそうそうないでしょう
そんな優しくて真面目で真っ直ぐな両親に育てられた氷上だからこそ、
家庭で通じていた倫理や勤勉さが学校ではうまく受け止められず、
ギャップや悩みが生じてしまったのかなと想像せずにいられません
要するに、無菌室で育てられたがゆえに外の世界になじめないのです
誰もかれもが氷上のように綺麗な水槽で育ったわけではありませんから、価値観が違って当然なわけですが、
だからといって規則を守れない人たちを「そういう人」と見捨てることもできない氷上です
辛い……あまりにも辛い……幸せなのが辛いってあるんだなと思いながらデートを重ね、氷上との会話を掘り下げていきます
自然の音が好きなこと、星空が好きなこと……好きな女の子に自分の「好き」をたくさん教えてくれる氷上
この感受性の豊かさも素直さも、全てご両親の教育の賜物だよなあと思うとなんだか泣けてきました
氷上パパママ、格くんを生んでくれてありがとう
乙女ゲームでめそめそしてるキモいババアを置き去りに、はね学は修学旅行へ
持ち上げれば出世できるという「なんとかのなんとか杖」(←うろ覚えクソ馬鹿)を持ち上げるスチル
自身の夢を叶えるためには験担ぎだってなんだってやる所存です
氷上はアニメでよく描かれるテンプレガリ勉キャラのように、迷信を「非科学的」ときっぱり切り捨てるのではなく、
何にでも興味を示して「じゃあやってみよう!」と腰をあげたり、気持ちを盛り立てるためにあえて験担ぎにノッたりと、柔軟な姿勢が魅力的な男の子です
ガリ勉だけど、頭がかたいわけじゃない
お土産屋さんでは
「両親がしつこいくらいに『お土産はいい』と言っていた」
「買わなきゃいけない雰囲気だろう?」という一幕
高校生の頃は私もそう思ってたけど、10年経ってGS1の零一と同じ歳になった今だからこそわかる
ご両親はマジで「お土産なんかいいからお小遣いは自分のために使って」と思ってるぞ、氷上
でも、子供としては「お小遣いもらったし何か買わなきゃ」と気を遣ってしまうのもわかるぞ、氷上
ご両親はたとえ八ツ橋一切れでも喜んでくれると思うぞ、氷上
懐かしい気持ちになりながらも京都から帰り、またデートとパラ上げの日々
会話をさらに掘り下げると、前述の「中学時代の話」に
中学では自分の考えを理解されなかったこと、
君のような友達がいれば違ったかもしれないと思うことを吐露してくれます
まさかこれがラストに繋がるとは思わなんだ……
2年目の文化祭も無事過ぎて、再び生徒会選挙へ
2年生の氷上は一味違います
「みんなに尋ねたい。今の高校生活に満足しているかと」
「学業に励む人がいる。スポーツに青春を傾ける人もいる」
「はね学に集まったみんながそれぞれにとって大切な時間を思い思いに作れるように…」
もう、多くの人を規則という名の「正しさ」に押し込めようとしていた去年の氷上はいません
学校には自分と違う環境で育ったいろんな人がいて、それぞれに悩みがあって、
それらに寄り添い導くのが上に立つ者の役目だと目が覚めたように見えました
無事生徒会長に就任した氷上
きっと今晩、氷上家では豪華な夕食で当選祝いをするんだろうなあ
感動でうるうるしながら学年1位をとり散らかしていくあかり
氷上の台詞も変化し「僕も君くらい頑張らなくちゃいけないな」と言ってくれるように
塾に生徒会にと努力を重ね、きっと家でも人より多く勉強をしているはずなのにまだ「頑張らなくちゃ」と言えるメンタリティ、大人でも持っていませんよ
そうして冬は暮れてゆき、クリスマスはドレス、元旦は晴れ着を褒めてくれる氷上
氷上のいいところは本当にストレートに褒めてくれることと「いつもの君も素敵だけれど」と付け加えてくれるところ
大人の男でもなかなかできんよ……誰かこの子を抱きしめてやってくれ
しかも初詣で手を繋ぐ時や寄り道する時、必ず事前に「してもいいか」聞いてくれるところも素敵
育ちがいいのももちろんあるけど「いきなりこんなことして嫌われないかな」とおっかなびっくりな感じも滲み出ていてかわええんじゃあ!!!(限界クソオタク千鳥ノブ)
スキーで肉まん買ってきてくれる〜〜〜〜!!いい子すぎる〜〜〜〜〜!!!
こんないい子を放って前世の私は太郎と夜遊びしてたのか?業—カルマ—が深すぎる
(※ちなみに今世では太郎に誘惑されないよう初手でフラグを折っておきました。「調子乗んなブス(要約)」と言われて最高なので皆さんぜひお試しください)
もちろん手作りチョコも渡していくゥ!
チョコのためにあまり寝ていないあかりの体調を気遣ってくれるヒトデキぃ!
ちなみに玲太はチョコを渡すと「お、早いな」とか抜かすぅ!(好きだよそういうとこが♡)
その直後やってきた、小野田さんとの和解イベ
「氷上君は変わりました。なんというか……優しくなりました」
「それはやっぱりあなたの影響だと思うんです」
いや……これほんとに氷上ルートの主題というか、
狭い価値観に囚われて生きていた孤独で孤高な少年氷上が、一人の女の子と出会って自分自身と周りの世界を変えていく
これがこのルートの筋書きなんですよね
ただの恋愛じゃなくて、新しい自分に出会う恋
それってなんていうかこう……素敵やん?(語彙死)
3年目
進級し、再びやってくる私の誕生日。氷上は腕時計をくれました
実用的かつシンプルなものを選ぶのが本当に彼らしいです
そのほかのアクセサリーとは違って腕時計は毎日身につけますし日に何度も見つめるので、ちょっとした独占欲のようなものも垣間見えた気がして嬉しかったですね
この頃から小野田さん脳破壊大接近モードが頻発するようになります
一番驚いたセリフは
「僕はいやらしい奴なんだ」
「僕は男だから、いざとなったら君は腕力では敵わない」
「二人で正しい距離を見つけられるといいね」
純真無垢な少年だと思っていた氷上から唐突に「男」を匂わすセリフが飛び出して「うほほほほほほwwwwww」と謎の奇声を発しながら歓喜のドラミングをしてしまいました、大変失礼致しました
きっと、家に帰ってあかりのクソセクハラモードを思い出しては悶々としていたんでしょう
それは普通の反応と言えますが、そんな自分を「いやらしいやつだ」と猛省し
「彼女を傷つけてしまったらどうしよう」と考えた末の言葉が出たのだと思います
むっつりだけどどこまでも誠実。それが格
夏の終わり、会話イベを掘り下げまくり話題は「恋愛」へ
「僕は僕が変わるような恋愛がしたい」
「僕はね、自分が未完成の人間だってことを嫌になるくらい自覚しているんだ」
「だから僕は影響されたがっているんだ。この恋で変わりたいんだ」
もう言葉はいらん。ただただ泣いた
中学の頃のような空回りはもう終わりにして、恋の成就だけでなく自分自身を変えて新しい世界へ踏み出すことを氷上は望んでいるんです
爆弾処理に追われながら最後の文化祭準備 をしていきます
話がそれますが、私は私のことを1ミリも好きじゃない、ただの同級生であるハリーの距離感が一番好きです。マジの男友達感があって
爆弾処理にデートしたら好き状態になって一抹の寂しさを覚えました
浮気の合間に文化祭スチルが発生
みんなが早く帰れるように遅くまで残って作業をする生徒会長氷上
なんていうか、本当に考え方が変わりましたし1年目の春に比べてずっと表情が優しくなりました
以前の氷上だったら同じことをしたかわかりません
「決められた仕事は各自で責任を持ってやり遂げるべきだ」と言うかもしれません
恋が進展するにつれて、本当に彼が変わっていっていることを実感できる名シナリオです
そんなこんなで学園演劇。演目は「真夏の夜の夢」
本番前におどけて緊張をといてくれる氷上になんだかジンときました
いや……彼は本当に変わりましたよ
よく笑うようになったし、冗談も少し上手くなりました
元来持っている優しさにこの柔和さが加われば、もう惚れない人はいないでしょう
※演目についての考察は私よりハイパー賢い人がハイパーわかりやすく考察してくれているnoteを見つけたのでそちらを読んでください(ぶん投げ)
秋の終わりには、デート帰りにマンションの屋上に連れて行ってくれました
天体望遠鏡を二人で覗き込み、アンドロメダ星雲を眺めます
なんていうかもう、べらべらと語るのが勿体無いくらいいいスチル、いいイベントでした
こんなにも優しく無邪気に笑う氷上を見られるようになってよかった。ただそれだけです
そして生徒会の引退時期には後輩たちからサプライズが
たくさん悩んで人に理解されないことに苦しんでいた氷上が
後輩たちから「氷上先輩みたいに信頼される生徒会を作っていきます」と言われて画面の前の赤の他人ババアも号泣
そこで「僕の後を継ぐと言わず君たちらしい生徒会を作り上げてくれ」と真っ直ぐに言う氷上にもまた泣いた
はじめは「その人らしさ」というものを解さず、十把一絡げに規則の中に押し込めようとしていた氷上が他者の個性を尊重する
それは、あかりという個性に触れて考えが変わったからなんですよね
自分の未完成な部分も個性だと思えるようになっていたらいいな
ときメモGSの何がいいかって、女の子をドキドキさせるような「胸キュン」イベントばかりではなく、
その人らしさを表現し成長を描く「キュン以外の」スチルやイベントも豊富なところなんです
ただ単に甘いセリフやシチュエーションでドキドキさせようとするのではなく、
キャラクターたちを一人の人間として好きになってもらうよう、
あえて「ときめき」以外もきちんと描写して、物語に肉付けする
有能なライターがいる証拠です(これ前にも言った?じゃあもう一回言うわ)
バイト先が連絡もなしに勝手に廃業している頃、クリスマスパーティが開かれ、氷上は星空を見に誘い出してくれました
夜空に浮かぶ冬のダイヤモンドをプレゼントしてくれます
自分が一番綺麗だと思ったもの、一番好きなものを一番好きな子に贈る……
本物のダイヤモンドよりも、こういう少年の無邪気さが一番染み渡りますね
それだけじゃなく「時間をプレゼントしてくれてありがとう」とさえ言ってくれるスマートさ
これは気取って言ったのではなく、あかりと過ごした時間が本当に贈り物のように尊くて輝いていたから、心から「ありがとう」と思った。だから口にした
それだけなんですよね、氷上にとっては。それがいいんですよね
最後のデートで最後の会話 もまたいいんです
「階段の事故はただのきっかけに過ぎなかった。君という人を知るための」
「僕は君に会えてよかった」
キスしちゃったから好きになったのではない
君を知ってから好きになった
そういうことなんですね
最後の下校も運よく氷上になりました
「学園での年月は確かに短いけれど、人を変えるには十分な長さだったな」
変わりたいと言っていた氷上が、変われたことを断言する感慨深いシーンです
多分だけど、出会ってから変わったのは氷上だけじゃなくあかりもだよ
あかりも、1年目の春とは比べ物にならないくらい勉強も運動もできるようになったしね
そしてやってきた卒業式、氷上は灯台に来てくれました
真っ先に告げるのは、好きという想いではなく「僕のことをどう思っているのか」ということ
これは「好きだと言って欲しい」のではなく
「以前とは変わった僕が君にどう見えているのか知りたい」
という意味なのだと私は解釈しました
正しさのみにすがっていた彼が、ようやく理解者に出会えたと思ったけれど、それは違ったと吐露します
自分に都合のいいばかりではなく、嫌な面も受け入れながら互いを補い合い、高め合えるのが友達なのだとようやく気がついたのです
あかりと友達になることで、そうしたポジティブな変化を得ることができた氷上
でもだからこそ、そんなあかりの大勢いる「素敵な友達の一人」で終わりたくない
友達以上の特別な存在になりたいと、君が好きだと告白してくれました
はじめはなんでもないただの同級生だった二人が友達になり、世界が変わり始め、そして今、友達以上の関係に踏み込むことでまた新しい変化を手に入れようとしている……
ときメモの基本的要素である「関係性の変化」がより深く濃いストーリーに昇華されていて、
月並みな表現ですがこの告白シーンは感動しましたね
更によかったのが、告白OKした後のセリフです
事故チューに言及して
「君は落ち着いていて、あの時動揺していたのは僕だけだった」
「気にしてくれって言えばよかったよ」
ここすごすぎてまたドラミングしてしまいましたね。なんという殺し文句……
純粋無垢だと思っていたら突然小悪魔的な大胆発言でこちらを刺してくる氷上の恐ろしさよ……
ともかくこうして生徒会役員の二人は結ばれて、無事同じ大学に進学しました
大学では氷上にたくさん友達ができて、今度はあかりが嫉妬する番になったらいいなあ(遺言)
総評
太郎に脳みそを侵されている私にとっては、脳が回復するどころか脳みそもう一個増えるぐらいの勢いで癒された、とっても健全で愛おしいルートでした
人より真面目に生きることの難しさ、人より純粋でいつづけることの大変さがひしひしと伝わってきて「この子のそばにいたい」と思わせてくれましたし、
そんな『健全ゆえの生きづらさ』を抱えていた氷上が自然の世界に楽しみを見つけていたというのも、
設定にブレがなく深みがあり、非常によくできたキャラクター造形であると感じました
また、鈴木千尋さんのピュアで真っ直ぐな演技が氷上に見事ハマッていて、声の裏返りや微かな息遣いを通してより魅力を引き出してくれていました
タッチボイスの「どうしたの?」が優しすぎるのでこれを読んでいる未プレイの方はぜひ聞いてみてくださいよろしゃしゃす
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