はじめてのときメモGS3〜非合法青少年・新名旬平編〜
時は満ちました。新名旬平と本気で向き合う時が来たのです。
不二山嵐PVPの際にほんの少しデートしたことはあるのですが、彼の物語を本気で追ったことはまだない私です。
安全バーを下ろして、気を引き締めて臨もうと思います。
1年目
運命的な出会い
言わずもがな後輩キャラの新名、1年目はまだ入学していません。
ですが、他のシリーズの後輩キャラと違うのは、外出するとランダムで出会えるということです。
案の定、ラッキーアイテムを乱獲しに行った帰り、私バンビに声をかけてくれた新名。
最初はバンビも冷たくあしらって逃げ切りますが、
二度目に会った時は別のナンパから救ってくれて、バンビも少し警戒を解いたようです。
この、ときメモ名物のナンパと「第一印象が最悪」な形で出会った末に恋に落ちるという、
ときメモのセオリーの裏をかくような物語は、
シリーズが続いた3作目だからこそできる遊びですよね。
三度目に出会ったのは、新名が迷子の子供を慰めているとき。
この時点で「ただのナンパ」だった新名の印象が、バンビの中で改められたようです。
そして四度目に会った時、少し照れたように笑い合う二人の空気感が美味。
運命的な出会いからときめきが芽生える、映画のような物語が少しくすぐったいような、二人だけの世界を共有しているかのようで、とても微笑ましいです。
新名旬平の『特異点』
新名のナンパにようやく応じて初めてのデートをすることになったバンビ。
遊覧船で不意に密着したときに発生する、初めてのハグのスチル。
軟派に見えて実はこういうのに慣れてない…?とその意外性にトゥンクするイベントなのですが…………
これね〜〜〜〜〜〜〜〜
ほんっっっっっとうに初見時びっくりしたんですよね〜〜〜〜〜〜
なぜかというと、1つ年下であり1年目は学校が別という事情を考慮すると、
新名のような後輩キャラを攻略する時は、
どうしてもパラ上げのみをする渇いた1年目になりがちだからなんです。
けれどそうはさせないGS3の脚本力と構成力。
この他にも攻略上必要なパラをあえて落とすことで見られるスチルがあったりと、
既存の作品のお約束を破り、シリーズ3作目をプレイするベテランユーザーに向けて難易度を上げた『攻めた作り』になっており、
その勇気と発想力にも改めて脱帽です。
このGS3製作陣の『攻めの姿勢』、新名旬平というキャラクターにこれでもかというほど詰め込まれておりまして、彼にはもう一つ特異点があります。
それはシリーズ史上(私の知る限り)最も出会うルートが多いキャラクターであるということです。
私のようにナンパされて出会うも良し、2年目以降に流行コマンドを実行して校内で出会うも良し、
柔道部の勧誘をして出会っても、たまたまバイト先が被って出会っても良し——
なんと4通りも出会いのイベントが存在しているのです。
これはゲームシステム的な意味で言うなら、より多く周回して楽しんでもらえるようにするためのギミック。
ストーリー的な意味を考慮するなら、新名旬平という男の子がいかに社交的で、その窓口を広く持っているのかを表すためのシナリオ。
音楽室に行かなければ出会えない、殻に閉じ込められた設楽聖司とは対照的に描かれています(興奮)。
誰とでも仲良くなれて、たくさんの居場所と交友関係を持つ彼が、私にしか見せない顔を見たい。
その一心で攻略を進めていきたいと思います。
2年目
柔道部・新名
実は柔道部のマネとして1年間不二山嵐の背中を押し続けていた私バンビ。
入学早々、不二山嵐と一緒に新名を追いかけることになります。
ここのストーリーの完璧さは不二山嵐初見感想に記した通りなのですが、
改めて見ると「本当に柔道に向いてる。もったいねえと心底思う」の一言が新名の心の奥底に突き刺さっているのがよくわかりますね。
自分が嫌いなわけじゃない。現状に不満があるわけではない。
けれど、何かが物足りない。何か損をしているような気がする。
始まったばかりでまだ未完成な青春に、先輩からの思いがけない「もったいない」という言葉は深く染み渡ったことでしょう。
『もったいない青春』にしたくない新名は柔道部に入ることを決意してくれました。
そうして始まった、くっっっそ忙しい私の2年目。
柔道部コマンドを忘れずに叩き、下がる学力を補いながらもハロゲンでバイトして新名をデートに誘う毎日です。
新名の3つ目の特異点はここです。ED条件のパラに「学力」が入っていること。
歴代の流行キャラの攻略条件を調べてみると、
・初代GS 姫条まどか君…流行・運動
・GS2 ハリー…流行・魅力
・GS4 七ツ森実君…流行・芸術
が必須パラとなっています。
みんなそれぞれ違うんですが、この「流行と学力を求める」新名の攻略条件に、彼の本質が見え隠れしているように思えます。
流行を追いかけるイマドキの女の子とイマドキの遊び方をしたい。
けれど、恋をするならきちんと常識と教養があって、努力を積む子でいてほしい。
一見チャラい彼の外見に隠れた、根っこの真面目さと誠実さが伺えるのは、私だけでしょうか?
軟派に思われがちだけど、真面目に青春して真面目に恋がしたい。
新名自身もまだ自覚していないような、隠れたギャップに脳みそを叩かれつつ、忙しく過ごしていると、放課後に遊びに誘われました。
年下のオトコノコ
おっ、なんだ? と思っていると、バイトをサボって遊びに行く魂胆でした。
「人使い荒すぎなんだよ、あの店」
「ラクな仕事だと思ってたのにイチイチうるせぇし」
普通に高校時代の私で笑いました。こういう「普通の一面」もあるんですね。
大人びて見えるとはいえ、つい最近まで中学生だった新名です。
まだ未熟で幼く、年相応な部分もある彼は、こうしてふとした瞬間に年下であることを思い出させてくれます。
それを本人も自覚しているようで、夏の海スチルでは、靴擦れを起こしているのに強がるバンビに手当てをしながら、
「あ、年下のヤツに迷惑かけたくないとか思ったりしてねぇよな? まさか」
「……なんだよ、こういうときばっか。たかが1コじゃん」
えっ!?私の後輩……可愛すぎ!?
……思わず顔を覆ってしまいました。
新名はバイト先のイベントや数々のデート先でよく「女の子って感じ」「俺だって男なんだぜ」と、バンビに性差を意識させようとします。
「年下だからって甘く見ないでほしい」「油断しないでほしい」という奥底の感情がそれらの発言に現れていて、
このイベントはそれの答え合わせであるかのように思えました。
そっちこそ年下だからって思い切り可愛さ見せてきてんじゃねえぞ〜〜〜〜〜〜〜〜!??!?!?!?
と逆ギレをしながらコマンドをバッタバッタと叩き散らかしていくゥ!
変わりはじめる彼
夏の終わりになると、柔道部の3人で帰宅するイベントが。
どこまでも伸びる夕暮れの水平線を見つめながら、新名と不二山嵐は並んで話をします。
「……オレもいつか、嵐さんを吹っ飛ばせるようになるかな?」
「オレ用の練習メニュー、考えといてよ。追加で」
……イラスト自体は二人で隣に並んでいるのに、現実は背中を追いかけるばかりなことがよくわかります。
けれど、新名はそんな現状をどこか楽しむかのようにそう言いました。
喫茶店で「好きなスポーツについて」を聞くと「嫌いなんだよ、熱血ってやつ」と答えていた新名の血が、熱く沸きたち始めているのがよくわかります。
ちょっと軟派でお調子者でときどき生意気だけど、根は真面目な新名。
柔道部での活動をきっかけに、こうして少しずつ変わりはじめ、成長していく彼の背中を見守るのが、このルートの主題なのだとようやくわかりました。
バイトにも真剣に取り組むようになりましたし、釣りの趣味をバンビに明かして、徐々にかっこつけなくなっていきます。
だんだんと剥き出しになっていく等身大の彼の姿は、とてもきらきらして眩しくて、やはり少し年下らしく可愛らしくもありました。
3年目
告白未遂はなんぼあってもええ
新名の「男としての成長」物語を見守りながらも、休日はデートを重ねる私バンビなので、恋ももちろん忘れません。
新名、マジでタッチボイスが良すぎます。
動揺を補うためか彼なりのかっこつけか、かなり大胆な発言が多くて、冗談抜きに「あへへへへへ♡」とクレヨンしんちゃんみたいな声が出ました。
休日はこうしていちゃついているのに、平日は部活仲間として何食わぬ顔で柔道一直線な高校生活。
別に悪いことはしていないのに高低差がすごくてなぜか背徳感で背筋がぞくぞくしました。
核心に触れたのは「恋愛について」を聞いたデートの帰り道。
新名は恋愛を「マジメにするもんじゃねぇな」と思っていたことを語ってくれます。
「自分のことより相手のことばっかになるとか怖ぇじゃん」
「でもまあ……そんなん、ムダな心配だったけど。基本、楽しいってわかったし」
ナンパして、友達と遊んで、それなりに楽しく暮らしてきた平坦な毎日が、誰かの色に染まってしまう。
彼はずっと、そんな未知への恐怖を抱きながら、決して本気ではないナンパを繰り返して「恋愛ごっこ」を続けていたのです。
そんな新名が、次のデートの寄り道では更なる核心へと一歩踏み込みます。
「……なんかさ、疲れちゃった。てか、手応えみたいなのがなくて不安っていうか……」
「だからもう、エンディング迎えちゃってもいいんじゃね? って思ってみたり……」
これ、めちゃくちゃメタい発言でひっくり返りました。
大接近モードでいちゃこらこいて、恋人ごっこのようなやり取りを繰り返している二人を見つめる我々プレイヤーは、
自然と「もう付き合ってるじゃん」「もう付き合えよ」と思うようになります。
それを体現するかのような「エンディング迎えちゃってもいいんじゃね?」———
初めての恋への戸惑いともどかしさが溢れ出したようなこの台詞に、胸が苦しくなりました。
結局、新名のこの決死の告白はバンビの「ほにょ〜?(比喩)」なおとぼけにより未遂に終わりましたが、バンビも心の奥底ではどきりとしていたのでしょうか。
新名の「……や、騙されねぇし!」の反応を見るに、意図的なおとぼけだったのかもしれません。
「……嫌いって言えたら楽になれんのに〜……」
新名の初めての「本気の」恋、なかなかお気楽にはいかなさそうです。
夏、合宿、柔道部。
そんなこんなで時は流れて、3年目の夏。柔道部の夏合宿です。
正直、不二山嵐ルートで見たしな〜でも何回見てもいいな〜とお気楽に見ていると、
なんと前回とは全く別のイベントが発生してたまげました。
どうやら好感度が高い方のイベントが発生するようです。
夜、花火をしようと提案する新名。派手な花火の灯りを眺めながら、ポツリとつぶやきます。
「ずっとこのままだったらなー」
「そうすれば夏休みもおわんないし、アンタもずっとはば学にいてオレ幸せ」
新名が一つ年下である限り、どうしたって3人でいられる時間は短いです。
はじめは二人の先輩を追いかけるばかりだった新名が「ずっとこのまま」でいることを願うということは、
ようやく3人が並んだことを表すと同時に、その関係の儚さと短さを示しているように思えました。
新名の願いは当然叶うことはなく、夏休みは明けて私と不二山嵐の引退の日がやってきます。
二人は真剣勝負を交わし、その結果、新名が次期部長になることが明かされました。
このシーン、何度も見ていたのですが、新名を攻略しながら見るのは初めてで、不覚にもちょっと泣きそうになってしまいました。
恋愛を怖いと言って、恋に真剣じゃないくせにナンパを繰り返して、日々を無為に過ごしていた新名。
熱血を嫌いだと言って、アルバイトにも真剣じゃなくて、そのくせ真剣になれるものを探し求めて、移り変わる流行りを追いかけていた新名。
そんな新名がようやく「熱くなれるモノ」に出会って、青春をかけて打ち込んで、その「熱血」を認められて、次世代にその熱を引き継ぐ大役を任される。
少年漫画さながらのこの展開は、涙なしには読めません。
恋のときめきだけじゃない、青春そのものを描いているときメモGS、恐るべし。
新名が「熱さ」を見せるのは、何も部活だけではありません。
もちろん、恋においてもその真剣さを発揮し始めます。
食べられてあげない赤ずきん
ついにやってきた3年目の文化祭。私バンビはどうにかこうにかローズクイーンに選ばれました。
ライバルが増えることを嘆きながらも、
「オレ、焦りすぎ。アンタは全然変わってないのにな?」
とパラメーターに隠された私の本質を見てくれる新名メロ平〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
どうにかなっちまいそうだよ……(海老反り)
そして楽しみにしていた学園演劇の演目はなんと——「赤ずきん」
新名は狼役、私たちバンビは赤ずきん役。
あ、あ、あ、ああああ赤ずきん!?あの有名な赤ずきん!?
どうせまた古典文学とか戯曲とかが元ネタだろ、いいさブックオフで探して読み込んでやるぜと身構えていたのに、誰もが知っているあの赤ずきん!?
と、はじめは動揺した私ですが、よくよく考えてみればグリム童話の「赤ずきん」は新名にぴったりの演目かつ役柄かもしれません。
一人の無垢な女の子に声をかけて(言うなれば)ナンパをし、甘言で唆し、最終的には喰らってしまう……
生やさしい年下のナンパ男だと思っていたら、痛い目を見るよ。
他の男に誘われてもほいほい騙されてついていっちゃだめだよ。
そんな「男として」の警告を、新名が物語全体を通して訴えてきているようで、まだ演目がわかった段階なのにキャッキャキャッキャと猿のように大騒ぎする私。
はしゃいでいると、演劇本編で体ごとひっくり返されてしまいました。
演出を無視して強引に押し倒し、赤ずきんを食おうとする新名に
「そう簡単には食べられてあげないんだから!」と返すバンビに、
年上女子から年下男子への「待て」が込められていて、なんだかにやにや。
問題はその後です。終演後の舞台袖で、漁師の出番がなくなってしまったことを責めるバンビと、怒られる新名。
「てか、なんだよあのオオカミの台詞。目も耳も腕もアンタのためって……どんだけ赤ずきんラブだよ」
「……なんっかオオカミとオレと思考が妙に被ってるし」
ここで体も脳みそもひっくり返されてしまった私です。突然の死。
こ、こ、ここで「恋愛について」の会話デッキ回収してくる〜〜〜〜〜!??!?!?!?!??
恋愛について問われたとき「自分のことより相手のことばっかになるとか怖ぇじゃん」とこぼしていた新名が、
芝居とはいえ目も耳も腕もアンタのためにあると口にし、それを「オレと思考が被ってる」と評す…………
もう「年下だからって」と背伸びをして、格好つけて趣味すら隠していた新名じゃないんです。
目も耳も腕も捧げてしまったってかまわないと思える相手に出会って、
もう何も取り繕うことはなくなり、完全に『降参』してしまったんです。
赤ずきんを喰らうのに失敗してしまうという結末は、新名の隠された欲望と、今後の二人の力関係を表すように思えました。
決意とクリスマス
そんなこんなで文化祭は終わり、学園生活も残すところわずかとなりました。
高校最後のクリスマスイブ。新名はバンビを連れてパーティを抜けだします。
きらきら光る天之橋邸のクリスマスツリーを見つめながら、語らい合う二人。
つい、新名の本音がこぼれ落ちました。
「ここ、見つけるまでさ。アンタをどうやって、どこに誘おうかすっげ悩んだ」
「高級レストラン予約してー、とか、目隠しでタクシーに乗せて流行のスポット、とか」
「でもそれって、オレが満足したいだけじゃね?って気がついちゃった。ついさっき」
たった一学年の年の差に悩み、苦しみ、翻弄され続けてきた新名です。
そうした「大人っぽい」演出でどうにかその差を埋めようとしてきたのでしょう。
「差を埋めたい」という焦りは、何も年の差に限った話ではありませんでした。
「アンタの周りにいるヤツらとの差をとにかく埋めることばっか考えてて、順番が逆になってた」
「アンタが喜ぶことが一番のはずだったのに」
「なあ、もしかしてオレ、ずっとそうだった? だとしたら……ゴメン」
そうではなかったと言えば、半分嘘で半分本当になります。
確かに焦燥感からくる見栄や虚勢は節々に表れていましたが、
私たちバンビは、ひいてはプレイヤーは、そんな新名の未完成さすらも愛おしく思える三年間を過ごしてきました。
こうして自らの過ちや、『真面目な』『本当の』恋の形を学び、大きく成長してきた新名を間近で見守ることができた日々は本当に楽しく幸せで、
そんな積もりに積もった感情が一斉に溢れ出した、クリスマスの夜でした。
もちろん翌日もデートに行きます。なんていうか、もう余計な言葉なんていらないほど最高のデートだったので画像だけご査収ください。
新名の激オモロ年賀状も無事回収し、初詣へ。
その帰り道、新名は結局埋まることのなかった年の差や、止まることのなかった時の流れを振り返った後、別れ際にぽつりとこぼします。
「なあ、また来年も……」
言いかけてやめた言葉はきっと、言うまでもないでしょう。
新名のルートのもう一つの主題は、きっと「時間」です。
どれだけ走っても追いつけない年の差、止まることのない時間、たった2年しかない、二人が高校生である時間——
それらの狭間でもがき、葛藤し続けてきた新名は、1年先のことを約束することを躊躇ったのでしょう。
私の個人的な推測ですが、おそらく新名が卒業式に告白することを決めてくれたのはこの瞬間だったのだと思います。
ドラマチックに出会えた二人だからこそ、学校が別になって名前のない関係になった後、その『ドラマチック』がいつまでも続くとは限らないからです。
流れる時は止められない。だから、たった一つの年の差によってはばたき学園に置いていかれる前に、この曖昧な関係にけりをつける。
そんな覚悟だったのだと、攻略した今だからこそ思います。
エンディング
教会に駆けつけた新名は、出会ってからの2年を振り返るでも偶然出会えた運命を語るでもなく、唐突に「アンタのことが好き」と告白してくれました。
これが本当にびっくりで、印象的で、なんだか胸にずしんとくる告白でした。
前置きなしでの「アンタのことが好き」……
積もりに積もったありったけの思いが、決壊するかのように唇から漏れ出しました。
「アンタが卒業してからもしばらくはイイ感じの友達ポジション確保して、時期見て言おうかなとか、
伝説がどうこうって、そういうのに乗っかって告白すんのはどうなんだよとか、
とにかく、いろんな理由こじつけて逃げようとしてたからさ。さっきまで」
……さっきの私の個人的推測は忘れてください。全然違いました。
でも、こうして決意してはやめて、向き合おうとしては逃げてを繰り返した末に、来てくれたのだと私は信じています。
「怖ぇじゃん。アンタとの関係が変わっちゃうの」
「けれど、それやっちゃったら、成長してねぇってことになるじゃん?」
「適当になんかやって、それで楽しい時間が過ごせればそれでいいって考えてた、中身がなくて、うすっぺらだったあの頃から……少しも」
成長したいと願っていることがもう、新名の成長の証です。
バイトをサボって、遊び感覚でナンパを繰り返していたあの頃とは何もかもが違う、一回りもふた回りも大きくなった男の子がそこにいました。
「もう一回言う。オレ、アンタが好きだ。すっげぇ好き」
「来年も再来年も……この先ずっと、アンタと一緒にいたい」
あのとき言いかけて言えなかった台詞を……ここで…………!!!!!!
もぉまぢ無理。。。。。語彙死んだ。。。。こっから先なんも言えん。。。。
この先の台詞ぜんぶ良すぎて私がぐだぐだ語るのも野暮なので、未プレイの方はぜひご自身でご確認ください!!
私バンビはキスで返事をして、二人は二度目のキスを交わし、それを誓いのキスとしました。
かくして、オオカミは目も耳も腕も全てを赤ずきんに捧げ、ずっとそばにいることとなったのです。
総評
誤解を恐れず正直に言うと、ぶっちゃけ舐めてました、新名ルート。
「あー軟派だけど実は真面目っていうギャップタイプね。おっけ了解」みたいなくっそ舐めたテンションで挑んでいました。
そんな私に、GS3の製作陣はとんでもなくピュアで真っ直ぐで可愛い年の差の恋を見せてくれて、もう脚を向けて寝られません。
本当にありがとうございました。今私はおでこを地面にめりこませています。
運命のように出会い、偶然芽生えた恋を、運命の恋へとゆっくり育てていく。
そんな素敵な物語を、未プレイの方は要チェキ!私のように舐めてる方は要反省!以上です!