はじめてのときメモGS3感想〜不二山嵐編〜
私のプレイ記録:GS4どっぷり→GS1→GS2→GS3初プレイ←イマココ
推し:玲太、零一、真嶋太郎(手遅れ)
以下、プレイレポ&感想
1年目
「お前は初手からルカいくと戻ってこれなそうだからやめろ」「不二山嵐はいいぞ」とフォロワーさんたちからアドバイスを頂き、GS3一周目は不二山嵐からいくことにしました
予備知識は「柔道着んときが一番いい子」「遅れるのは男の方だろ」な子しかないです
極力攻略は見ずに「運動キャラやから運動してれば出会えるやろ」とパラ上げしていたら、校門前でいきなりマネージャーにスカウトされて出会いました
第一印象は「ストレート」
なんていうか、曖昧な表現やひねりの効いた言い方をするGS男子はたくさんいるんですけど、
不二山嵐は全ての言葉がド直球だなって感じました
学力も関係してるのかもしれませんが、余計な装飾をつけずに「お前は向いてる。マネージャーになってくれ」と自分の感情と用向きをめちゃくちゃ簡潔に伝えてくれますよね
あと、名前がめちゃくちゃいいです、不二山嵐
好きなGS名前ランキングは和馬・貴文・格がトップ3なんですけど、不二山嵐はフルネームセットですごく良い。ついフルネームで呼びたくなるので本記事では基本フルネームでいきたいと思います
とりあえず柔道部コマンドを叩くと、始まった私のマネージャーライフ
部室すらないし部どころか同好会だし、他のGS作品では見たことのなかった「部を作り上げていく」物語が思ったより濃厚そうでわくわく。とても新鮮です
ラッキーアイテム狩りに外出すると、襟の立った不二山嵐が登場しました
「赤点取ると親に連絡行くらしいから勉強してた」「もし連絡がいって学校のこと調べられるとマズイ」と語る襟立ち嵐に
『ほぉ……そうきたか……』と思わずゲンドウポーズ
イケメンに思い過去や暗い事情を背負わせるのがときメモGSだと、GS4作目の私はもう学んでいます
不二山嵐はどうも両親と確執があるようです(ニチャア
このへんでプールのバイトが解放されたので応募
人命救助スチルが出たのですが、一番印象的だったのはスチル以上にその後の会話
「いくら泳ぎが得意で体力あっても、巻き込まれることもある。相手も必死だから」
不二山嵐は頭脳派ではないけれど、常に色んな可能性を考えながら慢心せずに冷静な行動を心がけている……そういうところ……好(ハオ)……ですね……
運動キャラだからって熱血単細胞に描かれていないのがとても良いです。どんな時でも真剣なんですよね、この子は
最高の夏にしたいのでここらで海水浴デートいきま〜〜〜す!!
玲太と違って30回ロードしなくても一発で来てくれるから助かりすぎま〜〜〜す!
パーカーとか羽織らずにシンプル上裸の水着姿で笑顔になっちゃった。泳ぐ気しかないやん
「どや?お前の好きなactive水着やぞ?」とドヤりながらこちらも水着姿を見せつけたのですが、反応がとても良かった(ボキャ貧)ので紹介します
「ヘンじゃねー、すげぇ似合う……あんまりマジマジとみちゃ悪いよな。そういうカッコは……」
これを赤面せず真剣なトーンで言うんですよ不二山嵐は!!!!
照れよりも「じっと見たら悪い」が勝ってるんです!!!
ここらあたりでわかりはじめたんですけど、不二山嵐って「男」とか「女」で区切って話すことが多くて、それって彼なりの気遣いの表れだと思うんです
男だらけの世界で柔道一直線に走ってきたせいか、自分が女心を理解していないという自覚をぼんやりと抱いていて、
そのせいでヒロインに嫌な思いをさせないように「お前は女だからこうだよな」「こうしたほうがいいよな」と彼なりに注意を払って接してくれているんです
これは親密度が上がるにつれてだんだんと減っていくんですが、普通状態のこの「手探り感」がとてもいじらしくて私は好きです
『ふ、ふーん……悪くないじゃん、不二山嵐……(即オチ)』となりながらデートにパラ上げにと忙しくする私
だんだんとマネージャーが板についてきて、練習場所を確保できるようになったり備品を置けるようになったり、徐々に柔道部ができあがり始めます
この何もなかった状態から二人で一つのものを作り上げるっていう工程があるの、歴史あるGSシリーズの中でも不二山嵐ルートだけじゃないですか!?
青春組と言われているだけあって、マジで青春アニメみたいでめちゃくちゃじんときましたしワクワクしました
2年目
2年目となると正式に部になって、大迫先生が顧問になって練習場所もできて、部員はまだ一人ですがちゃんとした形になっていきます
このワクワク感も軟派だと思っていた新名が柔道部に入るイベントも、乙女ゲームということを忘れて純粋に楽しんでしまいました
シンプルにシナリオが上手いです
ていうかここまで入力してて、今更になってGS4に柔道部が残っているということがじわじわ効いてきました……
不二山嵐やバンビが卒業した後も、彼の努力と熱意の結晶は脈々と受け継がれているんですね……
ちなみに4月の私の誕生日になると、ギリギリで友好に入った不二山嵐が「どくろクマのストラップ」をくれました
硬派なスポーツ男子が同じ部活の女子にあげる誕プレとしては、最も無難でリアリティあるチョイスかもしれません
「女子はなんかキャラクターものが好きだよな」って発想で選んでくれたんだろうな、と思うと愛さずにはいられない
どっきゅんずっきゅん恋に落ちる感覚ではないけれど、ゆっくりじっくり愛着が生まれていくタイプの男の子だな〜と感じながらデートに引っ張り回していると、
二年目の夏には好き状態になりました
(友好までが長くて友好から好きが短いの、フォロワーさんに聞くと「仕様」だそう)
いきなり自宅デートに誘われてチンパンジーみたいな悲鳴を上げてしまいました
「行く行く行く行く本多行ゥ!」すると、連れてこられた不二山家。伝統的な日本家屋で和室界隈オタクの血が騒ぎました
ただ、伝説の鈴鹿の実家のように貧しい感じや生々しい生活感はなく、普通に小綺麗で格式あるタイプの日本家屋でしたし、部屋は洋室でした
ここで部屋オタクによる、本編に全く関係ない部屋語りをさせてもらうと、まずベッド下にデスクとたんすという極限までスペースを広く取ろうとする家具の配置
おそらく画面外に空いたスペースでストレッチや筋トレをするためだと思われます。ここの描写が本当に細かい
あと、洋服箪笥がホムセンで売ってそうなプラスチックの衣装ケースなところもポイント高いです。服はクローゼットに入れていて、これがその他の小物入れである可能性もなくはないですが、彼が衣服に無頓着であまり物を持たずに暮らしていることを暗に描写しているようで大変興奮いたしました
部屋デートで印象に残ったのは、部屋以上に選択肢
「男の子っぽい部屋だね!」を選択するとバチ好が出ました
不二山嵐はずっと自分自身に「男たれ」と使命を課して、その信念に従って誠実に生き、そのことに誇りも持っているのかもしれませんね
夏休み直前、信じられないくらい胸元を開けた夏服の不二山嵐と校内で出会い、イベントが発生
親に柔道を続けていることは内緒にしているため、大学でも続けたいなら親を説得するか隠し通すかしかない。けれど親が進める進路には、またしても柔道部がない。そういった事情を打ち明けてくれます
この時点でまだ柔道を反対されている理由は明かされていないのですが、これまでの運動キャラの中ではかなり珍しい環境にいるな、と素直に驚きました
4の颯砂くんはアスリート一家なので家族の応援のもと思い切り陸上に打ち込んでましたし、
1の鈴鹿は特に語られていませんが経済的に豊かではなさそうなのにバスケをのびのびやらせてくれる両親っぽい様子でした
というか「運動キャラ」と呼ばれるほど才能豊かな彼らなので、その才能に期待を寄せられたり応援されたりするのが普通です
でもそうではない不二山家……GS特有の「闇」を嗅ぎとった私はジョーカーみたいな笑い声を上げて歓喜しました
ふん……おもしれーな……不二山嵐
それはそれとしてデートに引っ張り回します
二度目の花火大会に行く頃には好き状態になって、なんとかとき修に間に合いました
このとき修イベ……端的に言うと………キュン……ですね……
なんというか、ご飯のおかわりをよそってもらって「夫婦みたいだな」って思うこの一連の流れは、彼が本当に必要としているものを表しているように見えました
「いちゃいちゃできる可愛い恋人」じゃなくて「信頼できる人生のパートナー」を探しているんですね、不二山嵐は
そしてそれを「うちの親みてーだ」と言うのも、彼が両親を尊敬していることの表れのように思えます
不二山嵐は親に言えない事情を抱えていても、本編を通して一度も親を悪く言わないんですよね
年中薄着マンの不二山嵐が冬服を着るようになった頃には、練習試合&スカウトの話が
転校する必要があれど、突きつけられたのはかなりの好条件
それを不二山嵐は「仲間と柔道部を作りあげたいから」と断ります
このへんでもう「こんなんジャンプ漫画やん………」とうるうるするBBAわし
関係ないですが、表情豊かでなく直接的な表現を多用する少し愚直な不二山嵐が、
スカウトマンのように年上かつ目上の人にはちゃんとした口調で接しているあたり、
やはり柔道によって精神を鍛えられてきたんだなあって感じがしますね
年は明けて初詣の帰り。不二山嵐はバンビにお願いをします
「支えてくんねーか? 俺の——柔道部。ついでに、俺のことも」
俺のこと、と言いかけて柔道部と言い直しました。自分は二の次、あくまで「ついで」です
それでも、たった一人で柔道部を立ち上げて一年間(バンビ以外の)誰の支えもなしに活動してきた不二山嵐が「支えてくんねーか」と頼むようになったこと。私はとても重要な変化だと思いました
一人でも大丈夫なように振る舞ってきた不二山嵐が、本当に求めていたのはこうして信頼できて頼れる人だったんですね
3年目
そんな彼と一緒に3年生に進級した春、珍しく喫茶店に呼ばれます
開口一番「……なあ、親孝行ってなんなんだ?」でドキッとしました
「親の言うとおりに生きるのがそうなのか、好きな道に進んで苦労してでも成長すんのがそうなのか。わかんねー、ぜんぜん」
親孝行したい気持ちはあるし、親に嘘は吐きたくないけれど、だからといって言うとおりにして好きなことを諦めることもできない。そんなジレンマを吐き出してくれます
そして後日、走り込みの途中で「親に打ち明ける」と決意を語ってくれたのですが……そのADVがすごかった
不二山嵐は幼い頃体が弱くて、父親に勧められた柔道のおかげで強くなれたというのです
そして高校受験を前に「柔道をやめて次のステップ」へ移ることを勧められた
……おそらく、不二山嵐が少し無理をしてまで名門はば学に入ったのも、柔道をやめて勉強に専念してほしい両親の願いだったのでしょう
けれど、それが初めての反抗のきっかけになったと……
両親は息子の告白を聞いて「わかった」とあっさり認めてくれましたが、不二山嵐は「なんで?俺、親不孝したのに」と答えます
この程度の隠し事で「親不孝」と称すあたり、彼がどれだけ両親を尊敬していて敬ってきたかすごく伝わってきますよね
実はご両親は息子が柔道を続けていたことを知っていました
ここで思ったのが、彼らは息子にただ「体は鍛えられたんだしこれからは勉強に専念してみたら?」と言った程度で、
別に「絶対やめろ」と言ったわけでも「一流大学以外認めん」と言ったわけでもなく、ただ「まあ人並み程度の学歴は手に入れられるようがんばんなさいよ」くらいの認識だったのではないかということです
でも、親に反抗したことのない不二山嵐は柔道を続けたいことを言い出せず、こういうすれちがいが起きたんですよね
お父さんのすすめのおかげで丈夫な体を手に入れられたんですし、本当にお父さんを感謝して尊敬しているのでしょう
なんていうか、家族の絆が強い故に起きた出来事だなという感じで……不二山嵐がいかに「家族」「親孝行」というワードを大事に生きているかよくわかるエピソードでした
そんな不二山嵐を「前時代的」とか「昭和の価値観」とか言って片付けてしまうのはとても簡単なことですが、私は彼のこういう「一本筋が通った考え」と「他人をリスペクトする心」が大好きです
本編に戻ってさくさく学園生活を進めていくと、柔道部の「アツい」日常が次々描かれて涙腺が壊れます
合宿とか夕焼けの砂浜とか、マジで全部がエモい……エモいしか言えない自分の語彙力が憎いくらいにはエモい………
彼らが「青春組」と呼ばれる所以がよくわかります。柔道部のこの空気感ずっと吸ってたい
硬派と軟派の凸凹コンビがひたすらまっすぐ突き進んでいくストーリー、普通に柔道漫画として通じそうなくらいいいお話です
二人の横顔を描いた夕焼けのスチルも「見ている方向は同じだ」ということを暗示しているようでとても良かったです
あと、合宿最高〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!
夜のプールに飛び込むスチルとか、良すぎてえづくくらい泣きました
悲しいわけでも切ないわけでもないのに、青春組のストーリーってなんだかずっと泣きそうになりながら見ちゃうんですよね
目の前の景色があまりにもキラキラしてて、終わってほしくないと思ってしまうからこそ涙が込み上げてきます
夏の終わりの引退間際、一本をとった新名に部長を任せて引退するイベントももう良すぎて「最高最高最高〜〜〜!!!」しか言えないクソオタク未来の悪魔になってしまいました
乙女ゲームなのに、ときめき以外のストーリー『も』面白すぎる……
特に不二山嵐のルートは、プレイヤーが彼の内面についてじっくり触れて好きになれるよう、
安易な胸キュンを排して「彼」と「彼と過ごした三年間」「彼と過ごしたはばたき学園柔道部」を好きになれるように作られているような気がします
それこそ本当の学園生活、本当の恋愛みたいに
それはそれとして文化祭でローズクイーンをとり散らかしていきま〜〜〜〜〜す!!!
「俺だけの花でいてほしかった気もするけど」
大変貴重な不二山嵐の独占欲発露に口角が天元突破グレンラガンです
そしてクリスマスイベも回収
贈り物をくれるとか綺麗な景色をみせてくれるとかではなく、ただバンビの肩にもたれかかるというスチルにぐっときました
何事にも全力投球で疲れとかしんどさとかを人に見せない不二山嵐が、そっとバンビの肩を借りるんですよ
やっぱり不二山嵐ルートのテーマって「信頼」なんですね。だから友好までが長かった。少し無骨な彼の初めての恋は、信頼から生まれる恋だから
お前といて、いつも自分が喜ばせてもらってる。だから「次はお前が喜ぶことしてぇな」「俺ばっかじゃ不公平だ」と語る不二山嵐
次の日のデートでは「結局、お前のそういう顔見てまた俺の方が喜んでる」とこぼします
彼の理想とする「互いに助け合うパートナー」「支えてくれる存在」というのは、もうとっくに手に入っていたようですね
そしてやってきた運命の卒業式
GS4は「扉、開くかな……」でしたがGS3は「お願い、開いて……」なんですね
心から恋していないと出てこない言葉で、ヒロインもまた恋の成就を願っていることがわかっていい台詞だと思いました
安定の白背景に浮かび上がる不二山嵐。真正面からこちらを見つめるスタイルが実に男らしいです
「俺の隣は、おまえ以外の女じゃ無理だ……違うな」
「おまえの隣にいるのは、俺でありたい。これから先、ずっと」
「だから、来い。俺と一緒に」
漢・不二山嵐はだらだら長い思い出話や自分語りなどは一切しません
告白の言葉はマジでほぼこれだけです。二人同時に沈黙すらします
美奈子が「私も好き」と言っても、不二山嵐は表情筋ひとつ動かさず、たった一言「俺から離れるな」とだけ言い残し、告白シーン終了
GSシリーズ4作目ですが、今まで攻略してきた中で最もあっさりした告白シーンでした
告白というよりも「確認」のようなやりとりで、それが逆に新鮮でしたね
信頼から始まる恋だからこそ、不二山嵐もバンビも、言葉にせずとも互いに想いあっていると半ば確信していたのでしょう
実に不二山嵐らしい
普通なら不満が出てもおかしくないEDかもしれませんが
「ここまで不二山嵐と学園生活を送ってきたあなたなら、彼が言葉以上に目で語ることもわかってるでしょう?」とでも言いたげな、
実に挑戦的な結末です。プレイヤーを信頼していないとできないことだと想います
実際、不二山嵐はずっと目を逸らさずにまっすぐ私たちを見つめてくれるんです
言葉以上に瞳で語っているということですね
実に爽快感のあるEDで、未来に希望が持てる良い結末でした
総評
おもしろエピソードとか安易なギャップとか属性とかなしに、
その強い精神一本で惹きつけてくれるめちゃくちゃ「いい漢」に出会うことができました
彼は彼なりに悩んだり落ち込んだりすることはあるんですけど、でも決して立ち止まったりはしないんです
自分のやりたいことのために何ができるか、何が最善かを常に考えて歩みを止めない
本当、じっくりシナリオを読み込んでゲームをやりこんだだけ味わい深くなる不思議な魅力を持つ漢でした
おかげで脳が回復されてしまったので、n周目の真嶋太郎ルートをやって脳を壊してからまた挑戦したいと思います
ありがとうございました
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