GS4から沼った女によるはじめてのGS2〜若王子貴文編〜
私のプレイ記録:GS4どっぷり→GS1→GS2初プレイ←イマココ
推し:玲太、零一、ハヅケイ、真嶋太郎(手遅れ)
攻略順:佐伯→太郎♡→氷上→真咲先輩→古森くん→ハリー→若王子先生←イマココ
前置き
私はGS2購入前、キャラクター一覧で若王子先生のビジュだけを見て「頼む!!校舎裏でタバコ吸っててくれーー!!」というエアプ妄想を膨らませ、たびたび話題にしていました
このたび、若王子先生が本当に校舎裏でタバコを吸っているのかを確かめるためにプレイしていきます
以下、プレイ記録&メモ
1年目
手っ取り早く金が欲しいというカスみたいな理由でいつも通り珊瑚礁でバイトを始める
部活は迷った挙句帰宅部にしました とき修のためパラ上げを最優先にすることに
そんなこんなで何度目かもわからない入学式
若王子先生はいつも通り教室にやってきて、自己紹介をしたり質問を受けたりします
恋人の有無について聞かれた時の「ある女性から頻繁に誘われて出かけていました。その人から電話が来なくなって、この春でかれこれ3年になります」という作り話が、クリアした今となっては意味深に聞こえますが、これについてはまあのちほど
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入学式の後、しばらくは特にイベントもなく平穏な日々が続きましたが、そんな折に突然怒った事故チューイベント
ころびそうになったあかりを受け止めようとしてToLOVEる⭐︎キッスしてしまうというGS2おきまりのイベントなのですが、先生は大人だけあって反応が違います
冗談で流して本人が気にしないよう気遣ってくれるのがとてもいいですね
二人きりでいて気まずくならないよう、席を外させてくれるさりげない優しさも好きです
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この時点で「校舎裏で気だるげに喫煙とか解釈違いにも程がある……」と過去の自分を殴りたい気持ちでいっぱいでした
この人のことを深く知りたい。そんな一心で課外授業に行きまくり、勉強もしまくります
初めてのテストでかなりの上位に食い込むと「この調子で教頭先生にギャフンと言わせましょう」としたり顔するのが可愛い
そんなヤンクミと猿渡教頭みたいな関係性だったのか、この二人……
その後、ラッキーアイテムを乱獲するために外出すると、初めてのイベントが発生
ウェイター姿の佐伯と先生のツーショットに目ん玉飛び出しました
どうやら、買い出しの途中でプライベートの先生に見つかってしまって、喫茶店勤めがバレたようです
ばつが悪そうにしながらも「どうしても辞めません」と決意をあらわにする佐伯に、
「そう…うん、いいよ。もちろん、夜働くのがいいとは思わないけど」
「とりあえず、君が危険な問題に関わってるんじゃないってわかったから、今日はそれでいい」
「だけど、先生に話したいことがあったら、何でも話していいんだ」
「先生にできるのは、一緒に困ることぐらいだろうけど。でも、ひとりで困るよりずっといい」
……私が若王子先生を好きになったのは、この瞬間かもしれません
『何でもできて品行方正な優等生佐伯くん』の裏にある影や事情を、ほんの数ヶ月で先生は察して、心配してくれていたのです
古森くんルートの時も思ったんですけど、先生としてあまりにも素晴らしすぎる人物ですよね、若王子先生
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そして、言葉選びもすごく素敵なんです。相手の心をあたたかくほぐすような、優しく説き伏せるこのやり方、本当に生徒のことを大事に思っていないとできないことだと思います
その上、目撃していたあかりにも気がついて「彼はおかしなことをする子じゃない」「だから、今見たことは二人の秘密」と声をかける完璧っぷり
生徒ひとりひとりをきちんと見て、信頼できるところはまかせて、危なげなところはそっと手を差し伸べる最高の先生です
この時点で「何やこの人すっきいいいいい!!!!」って感じだったんですが、でもそれは「先生として」好きという感情でした
あまりにもいい先生すぎて「ずっと私の先生でいてほしい」という気持ちの方が勝ってしまい「この人に恋ができるだろうか」と一抹の不安がよぎります
でも、そんな不安を吹き飛ばしてくれるくらい連発する若王子先生イベント
とにかく、可愛いの一言に尽きる!!!!!!!!!
事故チュー後はじめて下校に誘った時の反応も、友好後に手作りチョコを渡した時の反応も、もう全部可愛すぎる!!!!
締めるところはきちんと締めて先生らしい指導をするのに、普段はふわふわ掴みどころがなくて時々子供みたいにはしゃぐ
ギャップえぐすぎて心臓が痛いくらいときめきました
GSシリーズを3作プレイしてきて、玲太に零一に太郎にとシャープな顔面の男たちばかり愛してきたのに、
ここにきてアイドルみたいに髪がふわふわで声もふわふわでお目目もとろんと可愛いゆるふわ成人男性に落ちてしまうなんて、予想外すぎる……
というか、ときめきメモリアルを始めて一番の「ときめき」かもしれません
今まで私は推したちをあくまでキャラクターとして推し、物語を楽しみ、どこか俯瞰的にプレイしていたつもりなのですが、
若王子先生に関しては初めて主人公に憑依してズッキュンドッキュンしました 最も恋に近い感情を抱いてしまっています
好きすぎて苦しくて「やめろ……私の前に現れるな……」と思っていたほどですが、
課外授業に誘われれば「行く行く行く行く本多行ゥ!!」と手を挙げてしまうし、おさわりせずにはいられません
頭髪タッチしたら「無造作ヘアです。流行です」とドヤ顔するの可愛いね♡早く私のこと好きって言えオラッッッッッ!!!(◯ん◯ん亭構文)
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2年目
そんな私の感情をさらに乱すかのように、2年目も担任になる若王子先生
いつもはスキップしていた恒例の会話も愛しくて仕方ありません
この顔で教室間違えるの可愛すぎるだろ心臓に悪い 国が保護しろ
早く……早くデートしたい……とき修が見たい……と目を血走らせながらパラ上げと課外授業に勤しんでいた2年目
修学旅行の直前、初デートに誘われて狂喜乱舞。動揺しすぎてスクショ連写してました
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初デート、空中庭園。マジでヒロインになりきって「デート、なに着ていこう…♡」とうっきうきで服を選んだアラサーの私を、みなさんは笑いますか?
先生は相変わらず中学生みたいなチェックシャツを着てきましたが、前世では印象悪くしちゃったそれも、今世では可愛く見えます
お触りしまくってお触りボイスに「お“っ“ほ“♡♡♡」と声が漏れました。たまらん
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初デート、elegant服を着て行ったらストレートに褒めてくれました
けれどその後に「先生のセンスは信用しない方がいい」と一歩引かれたのに驚きました
服を褒める時にこうやって自虐的なことを言ってシメるGS男子を、私は他に知らなかったからです
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自己肯定感が低いタイプとは思っていなかったので、ここがすごく引っかかりました
柔和で優しくてひょうきんで、いつもみんなの笑顔の中心にいる彼が、時折見せるこうした「翳り」がプレイヤーの心を鷲掴みにしているんでしょうね……
頭の中を若王子先生でいっぱいにし、他の男たちを適当にあしらいながら私とあかりは修学旅行へ
自由行動を一緒に回ろうと誘ってくれた先生ですが、なにぶん女生徒に大人気のため、二人きりの時間はすぐに引き裂かれてしまいます
他の女生徒に「一緒に来て」と誘われた先生を気遣って「行ってきてください。私、平気ですから」と言うあかりが切ない
この時点で先生だけでなくヒロインも恋に落ちていることが明確に描写されています
教師と生徒という道ならぬ恋に足を踏み入れてしまったことを自覚しているばかりに、他の生徒の前で「私と一緒に回る約束でしょ」とは言えないのも、
先生と一緒に回れないだけで「修学旅行なんて来なければよかったかも」と思ってしまうのも、めちゃくちゃリアルに『年上に恋する10代の少女』を描いていてぞくぞくしました
友達と回るなり他の男と回るなり、普通なら修学旅行なんてどうとでも楽しめるはずなのに、好きな人といられないだけで何もかもつまらなくなる。
このいじらしさも子供らしいすね方も、歳の差恋愛の解像度をぐっと上げていて良いですよね
ヒロインのモノローグひとつにも無駄がない、GS2の変態シナリオ力……
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あかりが胸中で「寂しい」と呟いた瞬間、先回りしていた先生が現れます
他の生徒たちを撒いて来たという先生。あんなにも生徒思いで誰にでもわけへだてなく『先生をしている』若王子先生が、ヒロインとの約束を守るために「良くない」とわかりつつ抜け出してくれたのです
先生の中で、あかりがただの生徒ではなくなりつつあるのがわかる名シーンですね
ここで箸休めに、次の日も先生と一緒に回る約束をしているとはつゆ知らず、枕投げでラッキースケベをこいて浮かれている佐伯をお楽しみください↓
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お土産屋さんに行く二人。屈託のない笑顔で「先生は、おみやげを買う相手がいないから」と語る先生に、思わず目を見開いてしまいました
いや……確かに『家族のにおいのしない人』とは思っていましたが、まさかこうはっきり断言されるとは思ってなくて……
おそろいのストラップを買って「……これを見れば、日本で君たちと過ごした日々をいつでも思い出せます」
修学旅行の最終日には「先生が君の歳だった頃は、修学旅行なんて考えられなかったから……」
「この5日間、高校生になった気分で本当に楽しかった」
……ちょ、ちょっと待て。
いっぺんに畳み掛けられて混乱しました
とき修って、普通の男子ならいちゃこらし倒して「帰ってからデートするの楽しみだな♡」なんて思いながら地元に帰るものなのに、
なんで貴文はこんなに不穏なことばっかり言うん!?
私の頭の中の節子が質問責めにしますが、私にもわからへんのや、節子。
ここ、めちゃくちゃプレイヤーの情緒を揺さぶって来ますよね……
ぐっと距離を縮めてときめいたかと思えば、波のようにさっと引いて距離を置こうとする
先生のルートはずっとこの調子で、片時も安心できないのが面白くもあり恐ろしくもあります
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しかも、修学旅行から帰って来た直後、以前のように化学室の片付けを手伝っていると二人きりであることに気がついて「そんなに恐がらなくてもいい」なんて言うんですよ
事故チューがあかりにとって怖い体験だったとでも言うかのように……あかりが先生のことを好きじゃないとでも言うかのように
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どんどん増していくプレイヤーの不安を更に煽るかのように発生した、秋のデート前のスチル
逃走中のハンターみたいな黒服男に「ドクター」と呼ばれた若王子先生は、これまで見たことのないほど険しい顔つきで男を睨み返しています
どうやら、男は天才的な頭脳をもつ若王子先生を連れ戻しに来ていて、先生はそれに反抗して「もう戻らない」と言っているようです
男が去ると、何事もなかったかのようにデートを始める先生が少し怖くもあります
ずっと一緒にいて何度もデートを重ねているのに、一向に掴みどころが見えない若王子先生
煙のようにふらりと消えてしまいそうで、ずっと胸の辺りがぞわぞわします
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それでもデートは繰り返されて行って、話題は「趣味」に。趣味は先生だと、若王子先生は答えます
「君たち学生と話すのは、本当に楽しい。みんな率直で未完成で……」
「学ぶことが多い。発見の連続です。君たちと接することで、僕は失われた時間を取り戻してるんだ」
めっっっっっちゃ“闇”を匂わせてくるやん………匂わせどころか直嗅ぎです
失われた時間、というのは青春時代のことなのでしょう。修学旅行なんて考えられなかった、先生の若かりし頃。
まだ詳細は明かされていませんが、ここらでなんとなく察してしまって胸が締め付けられます
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それはそれとして元旦デート
晴れ着を褒められたり手を繋いだりはっきり「デート」と言ってもらえたりして
「お“っ“っ“っ“っ“♡♡♡若“王“子“貴“文“♡♡♡♡お“っ“っ“っ“っ“♡♡♡♡♡」と無事限界化
2年目の冬ともなると、先生も『教師と生徒』ではなく『ひと組の男女』として過ごしていることをはっきり示してくるようになります
そんな彼が初詣帰りの別れ際、ふと『先生』の顔つきになって一言
「君も今年は3年生です。将来のことを考える、大事な時期だ」
「時間を大切に。過ぎていく時間は、後では取り戻せないから」
青春時代を失ったと語った先生の言葉が重く響きます
いつもは飄々としてよくおどけるのに、こんなときだけ真剣な顔をするのがずるい……好き……
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2年生も終わりに近づいた春休みには、お花見デートに誘われました
先生は桜に飲まれるように姿を消し、プレイヤーの不安はピークに
すぐに見つかるのですが、ヒロインの動揺の仕方が普通ではありません
「先生が、どこかに行っちゃうような気がして……」
若王子先生が「どこかに行ってしまいそう」「消えてしまいそう」と思っているのがプレイヤーだけではないことがこのシーンでわかります
「どこにも行かない」ではなく「ここにいます」と言い、はっきりとは否定せずただ微笑むだけのスチルが切ない
この『どこかへ行ってしまいそう』な予感は遊覧船デートのときめき会話で決定的になります
「海の上から見る街は、いつもと違って見えますね」
「あの街に住んでいるんだ、っていう実感があまり湧いてこない」
「やっぱり僕は、ここに馴染んでないのかな」
「まぁ、ここでダメなら他のところに行けばいいし」
これを聞いたヒロインはやはり「なんだか急にどこかに行ってしまいそう……」とこぼします
どこにいても「自分の居場所」という実感が湧かない、愛着がもてない。そんな渇いた心の一部が垣間見えてぞっとするシーンです
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3年目
そんな不穏な発言などなかったかのように、若王子先生はいつもの日常に戻っていきます
平日は『先生』をして、週末はデートをして、失った青春を取り戻すかのようにはしゃいでみせて……どれだけ時間を共にしても、先生の心の奥底は見えてきません
「どこかへ消えてしまいそう」という不安を抱えたまま、思い出ばかりが増えて、日に日に恋心が膨らんでいくという、鬼のようなストーリー仕様です
どうかどこにも行かないで……半泣きでそう思っている間に時は流れて学園演劇へ
演目は「幸福な王子」……ヒロインがツバメ役だと知った瞬間、椅子から転げ落ちそうになりました
幸福な王子は献身の物語です。どこか世界を俯瞰的に見ていて、住んでいる街に愛着を持てない若王子先生がその名の通り人々に献身を尽くす王子役という展開はとてもシニカルです
しかも、先生に「どこにも行かないで」と言っていたヒロインは、王子に「南へ渡りなさい」と言われながらも王子のそばにいることを望み「どこにも行かなかった」結果、命を落とすツバメ役……
民に献身を尽くす王子へ献身を捧げたツバメに「無償の愛」を見て、先生が再び人を信じることを決意し、ラストの「どこへも行かない」エンディングに繋がった……というのは、さすがに深読みでしょうか
たとえ傷つく結果になっても、ツバメと同じくどこにも行かずそばにいることを決意してくれる……そんな物語になるといいな、と思いながらひたすらデートを重ねる日々
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そしてやってきた、運命のクリスマス
眠れないあかりをつかまえて、若王子先生は自分の過去をようやく話してくれました
子供の頃から数年前までずっとアメリカの研究所で働いていたこと、クリスマスらしいクリスマスを知らなかったこと……彼の言っていた「失われた青春」の正体が、ここで明らかになります
そんな辛く冷たい過去を「それが不幸せなことなんて、考えもしなかった」と語る先生に、
あかりは「でも、今は違いますよね?」とどこか確信を得たように尋ねます
「今夜はこうして大騒ぎをして、大好きな生徒たちの寝息を確かめて歩いてる」
「それに、ときどき寝付きの悪い子がいて、話し相手になってくれたりもする」
「こんなに幸せなことはない。僕は今、幸せを噛みしめてる」
今いる場所にどこか無頓着そうで、つかみどころのなかった先生が初めて口にした『幸せ』
けれど、すぐに「これ以上贅沢を覚えると、あとが大変そうだ」と呟いて、また一歩引いてみせる先生
まるで、この幸せがいつか手のひらからすり抜けていくとでも言いたげな様子でした
「来年は君の手がかじかんだりしませんように」
「来年も君のほっぺの上に幸せが訪れますように」
……こんなにも素敵な愛の言葉を口にするくせに、来年は隣にいない、君の幸せに僕は必要ないとでも言うかのようなその口ぶりが、愛しくて憎らしくて泣きました
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それは私だけでなくあかりも同じだったようで、次の日のスキーで再び若王子先生とはぐれてしまい、不安に駆られるあかり
何度も名前を呼んで、ようやく見つけた安堵から「わたし、先生ともう二度と会えなくなるような気がして……」と吐露します
ヒロインの台詞にCVはありませんが、テキストだけで泣いているのがわかりました
そんなあかりに若王子先生は「僕はここにいる。どこにも行かない」と、初めてはっきりと口にしてくれました
「もう君を不安にさせたくない。だから……」
その先の言葉は濁されてしまいましたが、ずっと不安でかき乱されるばかりだった私たちデイジーの心にようやく光がさした瞬間でした
この後はもう迷わず卒業式まで駆け抜けます
先生とのエンディングを目指して、爆弾処理をしたりデートをすっぽかしたり佐伯の「頼むよ耐えられないんだ!」を「ごめん……私も耐えられない……」って思いながらスキップしたり、とにかく全てを先生のために捧げました
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エンディング
卒業式当日、若王子先生は灯台に来てくれました
いつものデートの誘い文句のように「見つけました」と微笑んでくれた瞬間に涙腺決壊
「見つかっちゃ……った……」と鼻水を垂らすきったねえBBAめんまの私は、泣きながら先生の独白を聞くはめになりました
13歳の頃からその頭脳を酷使される日々だったこと、人間に失望して研究所を抜け出したこと、知らない土地を転々として定住する場所をもたなかったこと……
それは、これ以上人間に失望したら、心が壊れてしまうと思ったから。全ては自分の心を守るためだったのです
この言葉を聞いて過去の台詞の数々を振り返ると、本当にぞっとすることばかりです
どこかへ消えてしまいそうだと感じさざるを得ない独り言や、今の居場所にまるで執着がないように聞こえる発言、自分を卑下するような言い回しも、
全ては「この羽ヶ崎に根を宿してしまわないため」
「誰かに期待したり期待させたりしないため」だったんですね
もう傷つかないために人を信じないよう、愛着をもたないよう心を殺してきた若王子先生は、
ずっと「いついなくなってもいい」「傷つく前にまたいなくなってしまえばいい」と思っていて、
それを自らに言い聞かせるように失踪を匂わせる独り言を繰り返していたのです
でも、頭脳明晰な彼の計算は初めて狂ってしまった
あかりに出会って、愛を知って、幸福な王子に寄り添ったツバメのように、傷ついたっていいからそばにいたいと思うようになってしまった
だからスキー合宿のあの発言に繋がったんですよね。あのとき先生は、告白を決意してくれたのだと思います
あかりに出会ってから四季の美しさを知ったこと、そして「自分が人である以上は人を愛し、思わずにはいられないということ」を知ったと教えてくれる若王子先生
この台詞で、前前世で結ばれた古森くんルートにぐっと深みが増したのがすごいです
古森くんルートで若王子先生が言っていた台詞をみなさん思い出してください
『先生もね、最近わかったんだ。今見ている夕焼けや海の色、僕が素敵だと思える全てが僕へのプレゼントだって』
『そういうプレゼントをもらうたびに、僕は世界から歓迎されてるってわかる』
……自分で入力しててまた泣きました
一度は人を信じられなくなって、もう誰も愛したくないと、古森くんのように世界そのものを拒んだ若王子先生が
生徒たちに出会って、あかりに出会って、教師という職業に出会って変わったんです。
世界を歓迎し、自分もまた世界に歓迎されてると思えるようになったんです
こんな素晴らしいお話がありますか!?
古森くんにあんなにも真摯に向き合っていたのは、先生だからというのももちろんあるけれど、
自分も同じく人に絶望し世界から取り残されてしまったことがあったからなんですね……
だから古森くんが自分の世界を愛せるようにと、背中を押した。自分もまたそうやって立ち直ってきたから……うっ(ここで一度息絶える)
あかりへの感謝を述べて、若王子先生はようやくはっきりと宣言してくれました
「僕はここにいるよ。もうどこにも逃げたりしない。かけがえのない人を見つけたから」
自分からも他人からも逃げ続けるばかりだった若王子先生の、心からのこの言葉でもう胸がいっぱいです
告白の言葉が何も飾らない「愛してる」なのもとても良い
人を愛することを思い出させてくれたあかりへの想いは「好きだ」じゃなくて「愛してる」しかないもんね……
こうして二度目のキスを交わして二人はエンディングを迎えました
お互い初心者同士、ゆっくり愛を育んでいくんだろうなと考えるだけで涙が止まりません
気持ち悪いくらい泣きました
総評
今までにないくらいの『熱情』を抱かせてくれた攻略キャラに出会い、全く新しい形の恋をすることができまいた
GS三作目にしてまさかここまで新鮮な気持ちでプレイできるなんて……私はまだまだGSを楽しみ尽くせるなと確信できたルートでした
先生キャラだからって単純に「頼り甲斐のある大人」「余裕のある年上」として描くのではなく、
どこか不完全でほうっておけなくて目が離せない……そういった斬新な角度から年上キャラを描くGS2のセンスに脱帽です
ここまでプレイしてきて徐々にわかりはじめたのですが、GS2のキャラクターたちは「ヒロインが男の子たちの人生を変えていく」「成長させる」ことをテーマに作り出されたように思えます
初代は個性豊かな同級生たちに囲まれ、共に時間を過ごしながらじっくり彼らとその関係を深めていくリアルで等身大の「初恋」
4は人間的に成熟した才能豊かな男の子たちに追いつくため、ヒロインが必死にその背中を追いかけて成長し、そのひたむきさに彼らも感化されていく「相互作用」——
これらの描写が個人的には印象的だったのですが、GS2は殊更にヒロインが中心となって男の子たちの成長や変化を手助けするシナリオになっているような気がします
太郎や古森くんに尽くして彼らを助け出す「献身」や、佐伯や若王子先生のように、出会って恋に落ちることで暗い過去や鬱屈した悩みを晴らしていく「救済」等、
単純なパラメーターだけでは推し量れない、ヒロインの持つ純真な心というのがとても重要になっているような気がして、私はそんなGS2が大好きです(もちろん他のナンバリングも大好きです)
蛇足の考察
エンディングで明かされた若王子先生の過去を聞いて、見方が変わってくるのが前述した入学式の日の彼の挨拶です
女生徒に恋人の有無を聞かれて「誘われてよく出掛けるようになっていた女性と急に連絡がつかなくなって3年経ちます。そういうのはどうでしょう?」というシーン
まず第一に思うのが「冗談のための作り話であっても、相手から勝手に期待をかけられて勝手に捨てられるという筋書きに、彼の人間不信的な一面が垣間見えて切ない」という感想
自ら能動的に恋をするということも、誰かと結ばれて幸せになるということも思いつかないというところに、一抹の寂しさを感じさせます
他に考えられるのは「この話が本当である」という説
見目麗しい彼が女性にモテないはずもなく、同僚やその他知り合った女性にモーションをかけられ(死語)流されるままに相手していたら、その虚無な心を見透かされて見限られてしまった。そしてより人間不信が加速した……という筋書き、私はなくはないと思っています
第一彼は「そういうのはどうでしょう?」と言っただけで、嘘ですとか冗談ですとか、そんなことは一言も言っていませんからね
もう一つ考えられるとすれば「暗喩である」という説
秋のデートスチルに登場した、研究所の関係者だと思われる謎の男が「あなたを探してかれこれ3年」とはっきり言っています
つまり、しつこく迫ってきていた彼らを振り払い、ここ3年間は便りがなく平穏な日々が続いているという身の上話を恋愛に置き換えて話した可能性もなくはないのです
まあ、このイベントは2年目でも3年目でも出るらしいので、それだと計算が合わなくなりますが……なくはないです
みなさんはどう思いますか?
乱文、長文を読んでくださりありがとうございました