傘を撃つフィクション(と少しだけ今後のこと)について

アルバムができました

こんばんは。白波海音です。
アルバム「傘を撃つフィクション」がリリースになりました。おめでとう。ありがとう。

Fiction that shoots an umbrella by Umine Shiranami

いつもの投稿と同じようにセルフライナーノーツでもしていこうと思うので、熱心なオタクの皆様はお時間あるときにどうぞ。

補足

音楽に合わせて歌詞が流れるタイプの登録をしてあるので、よければ歌詞も読みつつじっくり腰を据えて聞いてもらえると嬉しいです。もちろん作業しながらとか移動しながらみたいに聞き流してもらっても嬉しいです。
曲順は結構悩んだけど、好きに聞いてもらって大丈夫な選曲にしてあります。「今バンドセットでライブするならこの選曲と曲順かな～」という観点です。

1.wave

このアルバムの目次のような立ち位置の曲。全体をカバーするようなセクション構成と言葉選びになっています。平成のバンド感を強めに出したいなと思って、他の曲と比べると録音がちょっとルーズに。

2.デクリエイト

ミックスとかで聞き直していくうちにだんだん好きになってきた。作った当時はちょっと拗ねてたけど、当時の心情とか自分の持っていた空気感のようなものを落とし込めていて普通にいいじゃんと思った。構成や音のチョイスもシンプルでやりたいことが一番はっきりわかる曲かも。

3.気化熱

唯一全パート再録の曲。あの変拍子バンドでやるとなるとみんな大変だろうから、たぶん本当にバンドセットが実現したとしてもやらないと思う。バンドやってた時の名残でベースめっちゃ歪んでるね。

4.ワールズエンド

気化熱からの接続を滑らかにするためにBメロ以降のシンセを抜いてギターのタッピングを右に振った。より全体的にバンドっぽくまとまった。アルバムの中では温度感が一番好き。ネガティブな状況をポップにまとめていて非常に良い。「傷付け合うほど愛した」はBaseBallBearの夜空1/2から引用しています(誰が気付くんだ)

5.キャスターホワイト

これはベーシストゆえだと思うんだけどベースが主役の曲って作ったことなかったなと思って書き下ろした。Aメロとサビのグリッサンドマシマシのフレーズがめちゃ好き。ミックスもだいぶベースを優遇した感じにしてある。派手にすりゃいいというもんではないというベースの奥深さにはいつも心惹かれてしまうんだけど、そういうところにアプローチできていたら嬉しいし、この文章を読んでベースに興味を持ってくれる人が増えたらさらに嬉しい。
あとは間奏でDuckerを使ってみた。Future Bass要素を0.1%くらいいれた。

6.ライク ライヒェルト

この曲はかなり音楽的な強度(意味の分からない単語)が高いですね。2番への入り方が好きすぎる。動画を依頼するなりなんなりでもっとしっかり作り込んで、いろんな人が聞いてくれるような物にしたらよかったと一番後悔してる。後悔先に立たずなんだけどね。

7.回顧録

この曲もギターを撮り直そうと思ったんだけど、コード進行が訳わからなくて耳コピできず断念した。あと普通にCメロリズムむずすぎ。ギター3トラックくらいにしか分かれてなかったけど、作った当時どうなってたんや…。

8.いえない

Bメロの歌詞お気に入りでめちゃくちゃドヤ顔なんだけど、なんかあんまり聞いてくれた人には刺さってないっぽくて寂しい。こういうのよくある。
ゴマヒチ祭の曲聞き生放送でヒルヒさんが触れてくれてたけど、ピアノがかなりいい感じにできて、左右のギターもうまく絡んでいけた。でもこういうのもみんなあんまり刺さらないんだろうな。
これは伝わらないポイントでいいんだけど、曲が進むにつれて左のバッキングはピッキングが強くなっていきます。ピアノに合わせてたら感情が入ってしまった。

9.凪ぐ

2年経った今でも歌詞、音、フレーズ、構成その他全ての面で最強です。ギターソロを録りなおそうと思ったんだけど、20テイクくらいとっても元のテイクよりいいと思えるテイクが録れなくてやめた。ミックスもほぼやり直してなくて、この曲書いた時がボカロPとしてのピークだったのかもしれない。(悲しいけど)
2Aのベース、8分音符でルート弾いてるだけなのにめちゃくちゃかっこいいから聞いてほしい。あと2サビとラスサビで裏メロ弾いてる右のギターが普通に秀逸です。よく思い付いた。ちょっとギター弾こうかなって時に良く弾いてる。

10.手記

無色透名祭の曲だし、いちいいずさんのチャリティーコンピに入れちゃったから直前までいれるつもりなかったんだけど、直前に「手記が一番好きです」という人がいて、急遽入れた。ほんとは長めの新曲か海の音で眠るを入れようと思ったんだけど、両方フィクションじゃなくてコンセプトとずれちゃうなと思っていたので両方外してこの曲にした。
曲の入りがかなりテンション落ち着くので、結果としてはアルバムにメリハリがでて良かった。

11.銃口

小夜ちゃん結構しっかり歌い方にニュアンスがでていいなと改めて思った。ただキャラクターの認知度がどうしても低くて、新曲です！というノリで出したときのリアクションが可不やミクと比べるとどうしても…俺が育ててやるからな、という強い気持ちがある。

12.開花

このアルバムでこの曲だけは本心をそのまま書き連ねた様な曲になった。投稿したときにイラストをお願いした春永さんには曲の意図からなにからすべてを伝えたんだけど、春永さん以外は知らない。ただ本当に、すべての言葉に嘘偽りがなく、一番本心に近い。音作りやフレーズもかなり好き。この曲の間奏好きな人多い気がする。僕は2Aの方が好き。ポエトリーのところのキックとハイハットだけでギターのアルペジオに食らいつくビートを作ってるところもかっこよくて好き。

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というわけで「傘を撃つフィクション」のこと、よろしくお願いします。
今のところ物理で出す予定はありません、製作費が工面できたら作ろうかなと考えています。そのために依頼の受付をちゃんと始めようかなと思っているので、そのあたりはまたアナウンスをすると思います。生活を工夫すれば工面できるんだけど、音楽をやるための費用は音楽から生まれた方が健全だなと最近思って。

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