らんまんの聖地、佐川町の不思議な滝 ~私と白蛇のお使い~
記事を読んでくださりありがとうございます☺️
前回は60年以上ぶりに、白水の滝という、それは美しい滝に行ってきたお話をしました。この名滝は、今や地元の人の多くにも忘れ去られてしまっていますが、少しでも「ここにこんなに綺麗な滝がある」ことに気づいてもらえればと思い発信しています。良ければ、こちらの紹介の記事もご覧ください✨
今回は、もっと白水の滝の魅力を知ってもらうために、私の滝での一番の思い出、小さな大冒険のお話をさせてください。
私と白蛇のお使い
小学4年生の頃の話です。私が学校から帰ると父にお使いを頼まれました。
それは、白水の滝のお堂辺りにいる太夫さんに、届け物をしてほしいというものでした。白水の滝へは、家から列車に乗っていくつか駅を行き、そこから歩いて、虚空蔵山という山の中腹まで行かなけければ行けません。(駅から滝までは、大人の足でも50分ほどの距離です。)私は言われるがままに出発し、電車に揺られて行ったのでした。
しかし、山の麓に着いた頃にはすでに日は暮れており、上がり口は見えないほど、すっかり暗くなっていました。私は途方に暮れました。父といつも登る山の入り口が分からないのです。そのまま帰る事も考えつかず、
「トンボさんでもチョウチョさんでもいいから私を案内して…」
と呟きました。
すると右の方でガサガサと何かが動き、白い蛇がスーと現れました。それから、その蛇は下の方へ降りていくので、私もついていくと、そこには白水の滝から流れて来る小川がありました。
「あんたが案内してくれる?」
と声をかけると、白蛇さんは水の上を上流に向かって泳ぎ出したのです。私はぜんぜん恐くなくて、むしろ良かった!という嬉しさで、その後をついて上がりました。
しばらく歩いていると遠くに方に、お堂の薄暗い光が見えました。それで、あ!お堂やと嬉しくなり、
「へビさん、ありがとう!」
と言うと、役目を果たしたかのように、スーと山に帰って行きました。お堂では太夫さんがお祈りをしていたので「こんばんは!」と私が声をかけると太夫さんは驚いて、
「こんな暗い中、どうやって来たんだ!お父さんは何を考えてるんだ…こんな小さな娘を…早く上がりなさい!」
とうろたえて叫ぶように言うので、白いへビが案内してくれた事を話しました。そうすると
「そのへビは、白水の滝のお使いだよ」
と優しくいいました。それから御経を唱えつつ太く長いお数珠を私の身体に当てながら、「あんたは、大きくなったら優しい旦那さんにきっと出会うよ」と言いました。私は「ウン」と言いました。
「今晩は泊まるように。お父さんに電話をしておくよ」
と太夫さんはいい、それから白水の滝の住人の大きいガマガエルの話など、いろんな話をしてくれました。実はその直後、お堂の上がり口にある大きな石の上に、そのガマガエルがいたのです。私のすぐ横に…。最初はあまり大きいので置き物かと思いましたが、近づくと、目がギョロと動き、私はビックリして飛び退いたことを覚えています。
今や、あの太夫さんもいなくなり、白水の滝の様子もすっかり変わりました。ですが今でも私にとっては、大切な思い出の霊験あらたかな滝です。
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