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高血圧の診療の一部公開!!
高血圧の治療では食事や運動の工夫が重要です。
高血圧の患者さんと取り組む内容を外来で話すのですが、
指導するために一部リストを作ってみました。
せっかくなので公開します!
食事に関する指導リスト(20項目)
塩分の摂取を減らす: 一日6g未満に抑える。
加工食品を避ける: 塩分が多く含まれているため。
野菜を多く摂る: 1日350g以上を目安に。
果物を適度に摂る: 1日200g程度。
カリウムを多く含む食品を摂る: バナナ、ほうれん草、アボカドなど。
食物繊維を意識する: 玄米や全粒粉を取り入れる。
魚を積極的に食べる: 特に青魚にはオメガ-3脂肪酸が豊富。
脂肪の少ないタンパク質を選ぶ: 鶏の胸肉や大豆製品。
乳製品を低脂肪のものにする: カルシウム摂取も重要。
アルコールを控える: 1日1杯までにするか、完全に避ける。
水分を適切に摂取する: 脱水状態は血圧を悪化させることがある。
スパイスを利用する: 塩の代わりにハーブやスパイスで味を付ける。
調理法を見直す: 揚げ物よりも焼く、蒸す、茹でるなどの方法を優先。
減塩調味料を使う: 減塩醤油や無塩バターを活用。
おやつやスナックの量を減らす: 塩分とカロリーが多い。
外食時は塩分を控えるメニューを選ぶ: 例えば、スープを避ける。
油の選び方に注意する: オリーブオイルやキャノーラ油を使う。
甘い飲み物を避ける: 血糖値の上昇も血圧に影響する。
適度な量を守る: 過食を避け、腹八分目を心がける。
DASH食を参考にする: 高血圧管理に推奨される食事法。
運動に関する指導リスト(20項目)
毎日のウォーキング: 1日30分以上を目標にする。
有酸素運動を行う: 週に150分の中等度の運動が推奨される。
軽いジョギング: 血圧を下げるために有効。
水泳: 低負荷で全身運動ができる。
サイクリング: 無理なく長く続けられる有酸素運動。
階段の利用を促す: 日常的にエレベーターを避ける。
軽い筋力トレーニング: スクワットや腕立て伏せを取り入れる。
ストレッチ: 柔軟性を高め、血行を促進する。
ヨガ: ストレスを減少させ、血圧を安定させる効果がある。
太極拳: リラックス効果があり、血圧のコントロールに有効。
ウォーキング中に呼吸法を意識する: 深呼吸を取り入れる。
庭仕事や家事も運動と考える: こまめに体を動かす。
無理のないペースで運動を続ける: 一気に頑張りすぎない。
エレベーターや車を使わず歩く習慣をつける。
ペースを守って運動する: 無理な運動は逆にストレスになることがある。
運動後のクールダウンを行う: 徐々に心拍数を落ち着ける。
週3〜5日の運動を目指す。
座りっぱなしを避ける: 30分ごとに立って体を動かす。
自宅での軽い体操を習慣にする: 朝や仕事の合間に行う。
楽しんで続けられる運動を見つける: 継続が最も重要。
このように、食事と運動の両面から高血圧をコントロールすることで、患者さんの生活習慣改善に役立つ具体的なアプローチが可能です。
*DASH食の解説
DASH食とは、「Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を抑えるための食事法)」の略で、アメリカの国立衛生研究所(NIH)が推奨する高血圧管理のための食事療法です。この食事法は、高血圧の予防および改善に役立つことが科学的に証明されています。
DASH食の特徴
DASH食は、以下の食品をバランス良く摂取し、血圧をコントロールすることを目指しています。
野菜と果物を豊富に摂る
1日4〜5皿分の野菜と果物を推奨。
カリウムやマグネシウムが豊富で、血圧を下げる効果があります。
全粒穀物を選ぶ
玄米、全粒粉パン、オートミールなど、食物繊維が豊富な全粒穀物を摂取。
白米や精製された小麦製品よりも栄養価が高く、血糖値の急激な上昇を防ぎます。
低脂肪乳製品を摂る
牛乳やヨーグルトは低脂肪または無脂肪のものを選ぶ。
カルシウムやビタミンDが豊富で、血圧の調整に寄与します。
魚、鶏肉、豆類を中心としたタンパク質
脂肪分の少ない魚や鶏肉、大豆製品(豆腐、納豆)を推奨。
豆類は食物繊維やタンパク質を多く含み、動脈硬化予防にも役立ちます。
ナッツや種子類を適度に摂取
アーモンド、ひまわりの種など、ナッツや種子類には良質な脂肪や食物繊維が含まれます。
飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を減らす
赤身の肉やバター、揚げ物などを控え、植物性の油(オリーブオイル、キャノーラ油)を使用。
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は心血管疾患のリスクを高めるため、控えることが重要です。
塩分の制限
一日の塩分摂取量を6g以下に抑える。
加工食品や外食を控え、料理には減塩調味料を使うようにする。
糖分やお菓子を控える
血圧を上げる原因となる可能性があるため、砂糖や甘い飲み物、スナック菓子は控えます。
DASH食の効果
DASH食は、特に次の点で効果が期待されています。
血圧の低下: 特に塩分を制限したDASH食は、収縮期血圧を数mmHg単位で下げる効果があるとされています。
心血管疾患のリスク軽減: 心臓病や脳卒中のリスクを減らす。
体重管理: 低カロリーで栄養価の高い食品を多く含むため、体重の維持や減量に役立ちます。
実際に取り入れる方法
野菜や果物を意識的に多く摂る。
毎日の食事で塩分の摂取量を減らす。
魚や豆類を中心に、良質なタンパク質をバランスよく摂取する。
このDASH食は、無理なく継続できる食事法で、高血圧管理や健康的な生活の基礎として非常に有効です。