建築基準法 42条1項
接道義務と都市の秘密
都市を歩くとき、無数の建物が立ち並んでいるのを目にします。ビジネス街、商業エリア、住宅地。それぞれの建物は、何かしらの道路に面して建てられている。では、その背後にはどんな意味があるのだろうか?
答えは、建築基準法の第42条1項「接道義務」に隠されている。
この法律は、新しい建物を建てたり、既存の建物を増築する際に、敷地が公道に適切に接していることを求めている。これには、いくつかの理由がある。
安全確保: 火災や地震などの緊急事態が発生した際に、住人や使用者が速やかに避難できるよう、適切な道路アクセスが必要。
生活利便性: 日常の生活の中で、建物へのアクセスや建物からの出入りがスムーズに行えることは、住みやすさや利用しやすさに直結する。
美観の確保: 建物が道路から適切な距離をとることで、都市の風景が美しく整ったものになる。
では、都市の中で見かける変わった形の建物や、狭い敷地に建つ建物はどうなるのだろう? それは、接道義務を満たすための創意工夫の結果であることが多い。例えば、細長い敷地に建つ建物は、狭い公道に十分な面積で接するための解決策としてそのような形になった可能性があったりする。
このように、都市の風景の1つ1つには、法律や規定が背後に存在している。それを知ることで、街の風景が一層魅力的に感じられるかもしれない。
今後都市を歩く際、建物の配置や形に目を向けてみると、接道義務という「都市の秘密」を発見できるかもしれません。
もう少し『建築基準法42条1項 接道義務』について知りたい方は、解説した動画を公開していますので、ご視聴ください。