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キャリア迷子のハローワーク

皆さんこんにちは。
ヤモリを飼い始めたらその餌のゴキブリを大量に飼うことになり
嫁がヤモリ。私がゴキブリの面倒を見ることになった今日この頃いかがお過ごしでしょうか。

私は一体何をしているのでしょう。


さて。
12月に会社を辞めてからはや3ヶ月。
ベンチャー企業で祝日も休まず。深夜残業は定常で、土日もそこそこ働いていた身分でしたが、
今では朝眠り昼に目覚めご飯を食べ、また眠って夜起きるそんな生活。

体重はあっという間に10キロ増えました。

人間ここまで自堕落になれるものなのかともはや感動すら覚える日々です。

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そんな生活に切り替えた昨今。様々な就活メディアや転職メディアで、あなたに合った職は?だとか、キャリアを創るだとか、
様々な広告が出回っている中で、改めて気付かされたのです。


別に無理してそこまで働きたくはねぇなぁ。


という真実に。


とはいえ転職先を見つけてしまったが故に4月から働き始めないといけない私。


こんな根性で働けるのだろうか。

そして、まだバリバリ働いていた時に面接をしてくれた新会社の上司達はそのギャップに驚かないだろうかと今から笑いが止まりません。


というわけで今回は、人間無理して働くものでもないけど、働かないと行けないらしいので、今の仕事が辛くなったらいつでも撤退出来るように転職について予め考えておこうのコーナーとしてお送り致します。


僕自身新卒で20人弱のベンチャーに入社して、休日だと言われた日が本当に休日なのか当日の昼くらいになるまで確定しない生活を送っていた頃から、常に頭の端っこにあった課題でした。


おかげさまでというかなんというか、今回結婚して東京から静岡に引越すことになった際も、転職活動はおかげさまでこのコロナ禍でも1ヶ月以内にある程度条件を上げて終わらせることが出来ました。

一時期人事に異動になって採用責任者を担当させていただき、採用市場について調べる機会を得られたのも個人的にはラッキーだったのかもしれません。

その辺の知識も踏まえつつ、転職について情報をまとめていけたらなと思っています。


手を抜くためにはまず情報収集から

さて、転職すべきかせざるべきか、情報が無いことには考えることすら出来ません。

出来る限り楽して仕事をするためにはまず情報収集です。

一番楽している人は手を抜いている人ではありません。

どうしたら手を抜けるかを真剣に考えている人です。


というわけで一旦転職市場について簡単に整理していきましょう。

まず、今が転職しやすい時期なのかどうかについての情報は比較的簡単に手に入ります。

最初に調べるべきなのは「有効求人倍率」という数字です。

簡単に言うと、企業が募集している人数を、転職活動をしている人数で割った数字です。

企業が募集している人数が多ければ多いほど数字が大きくなり、人数が同じであれば「1」になります。


では、コロナ禍と言われる今日ですが有効求人倍率はどうなっているんでしょうか。

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採用市場が急速に萎んだと言われているバブル期を終えた後、しばらく上がったり下がったり。

やはりリーマンショックの時に大きく下がっていますが、その後アベノミクスの力かバブル期以上の求人が出るようになりました。

右肩上がりで有効求人倍率が上がっていた所をコロナでガツン!一気に下がりました。

このあたりを見ると、一昨年辺りであれば人不足の企業が多かった事から、転職はとてもしやすかったという事がわかるかと思います。


転職したかったけれどその時転職しなかった方は残念!!!


でもちょっと待ってください。

このグラフを見てわかると思いますが、有効求人倍率が1を上回っている時期はそれほど多くはありません。

そんな中、コロナ禍で一気に求人が減ったといえど、有効求人倍率は1.18。

まだ募集人数のほうが多い状況です。


この辺もあって僕の転職活動も、そこまでの逆風感は感じなかったのかもしれませんね。


とはいえ見る人の立場によってこの辺りは、もっと景気が悪いぞ。とか、別に悪くないぞ。とか、様々な景色の見え方があるかと思います。

この辺に関しては、もう少し業種を絞って調べてみましょう。


こちらのサイトがわかりやすくまとめてくれているので見てみましょう。

建築土木がずば抜けて人不足ですが、掘削、機械整備、電気工事系もかなり人不足みたいです。

そしてご存知介護福祉と。


ホワイトカラーの仕事をしている人は、無意識にこの辺りの仕事を頭から省いてしまう人も多くいるかと思います。

そもそも自分が今までやってこなかったことを選択肢に入れるのはとても難しいことですからね。


ただ、職を選ぶ時に考えるべき事として、

その仕事の収益性、募集人員、希少性、なりたい人の数で、大抵給与条件等が決まる。

という点があります。
例えば例を挙げるとブライダル業界。

こちらでも触れられていますが、新卒でも倍率は500倍近いものになってしまうと言われていますが、正社員の平均年収が355万円と、世間の正社員の平均409万円より大幅に下回っています。

この辺の考えは比較的わかりやすいです。

自分が経営者だったら、給料を上げなくても人が集まるならわざわざ給料を上げる必要無くない?と思うのも当然ですよね。


しかし一方建設業はいかがでしょうか。


国税庁が平成30年9月に発表した調査結果によると、平均年収は493.9万円。


さて、ブライダルと建設業のどちらで働きたいですか?


業務内容ややりがいがもてはやされる近頃ですが、稼ぐために働く。というのは忘れてはいけない一番根幹の部分だと思います。


しかも、先程の有効求人倍率から考えて、人不足だから入社はしやすい。

しかも給料は高い。

こういう選択肢を自分の中に持つことが出来ていたでしょうか?


僕自身今回調べてみるまでこの辺には気づきませんでした。

やっぱりちゃんと調べてみるのは大切ですね。

改めて業種別有効求人倍率と求人を見比べて、自身の選択肢を広げてみましょう。


求人ってどうやって探すの?

さて、どの業種が良いとかわかっても、良い企業を見つけられなければ意味がありません。

リクナビとかマイナビとか、実際の求人を見ながらどういう仕事があるのかを調べていきましょう。


と、その前に、効率的に求人を調べるために、なぜ人事がその求人を出すのか。人事の立場に立って、各求人方法について調べてみましょう。

特に意識するべき点は、仕組みと費用です。


1.求人メディア

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求人メディアの費用は月額制が主流です。(厳密に言うと4週間単位)

一つの求人を出すだけで月10万円〜100万円以上の費用が毎月掛かる採用方法です。

求人には枠と言われる物があり、A.B.Cのようにランクが分けられています。

ランクが高いほど、求職者が検索をした時に上の方に表示がされやすくなり、企業情報もより多く画像を差し込めるようになったりします。


かなりスタンダードな採用手法なので、人が欲しくなったら一旦求人を出してみる企業も多いですが、人事の立場からすると採用できなくても費用がかかるので、社長や経営層から

「え???こんなにお金掛けたのに誰も採用してないの???どうすんの?????」

とか言われます。

あなたが人事ならどうしますか?

一回の募集で一人でも多くの人に応募してもらい、一人でも多くの人を採用したいと思うのではないでしょうか。


そのため人事的には積極的に採用をしたいと考えるため、転職活動をする側からすると、比較的面談通過率や内定率が高い手段と言えるのではないでしょうか。


ただ、後ほど触れますが”一人でも多くの人に応募してもらい”の部分が悲劇を呼びがちなので注意も必要です。


また、その延長線で取れるかどうかわからない、ピンポイントの採用。

例えば経理3年以上経験している人〜や、特定の業界で管理職をやっていた人。など、ある程度高く狭い層を狙うのは難しく、そのくせ月額費用がかかるため相性が悪いため比較的少ない傾向があります。

そのため、キャリアアップのための転職よりは、キャリアチェンジのための転職としての利用をするのが良いかもしれません。


2.人材紹介会社

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人材紹介会社。

エージェントとも言われることが多いですが、こちらは費用体系が大きく変わってきます。

企業側は求人を出すだけでは費用がかからず、採用が決まった時に成果報酬として費用が人材紹介会社に払われます。

相場的には転職が決まった方の年収の35%がエージェントに支払われます。

例えば年収400万円の方の転職が決まれば140万円

年収600万円の方の転職が決まれば210万円

結構な額が一人の採用費として支払われます。


ちなみに余談ですが、この相場は多少は相談可能で、もっと安い紹介料で人材を紹介しているエージェントさんも居ます。


さてさて、では改めて人事の立場から見るとどうなるでしょうか。

先程の求人メディアとは反対に、採用した時に費用がかかるので、社長から言われるのは


「この人雇うのに○○万円もかかったの???????」



基本的に社長うるせぇ

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うるさくても社長です。
なので我慢。

とはいえうるさいので誰を採用するかに関しては慎重になります。
逆に、成果報酬型なので、エージェントに対して求人を出すだけ出す。というのもやりやすいです。
なので、媒体経由よりもエージェント経由のほうが実は求人数は多いかもしれません。

また、この特性に紐付いて、うまく行ったら儲けものの精神で、経験者やハイポジション向けの、年収が少し高めの求人に関しては媒体よりも紹介会社の方が多い傾向があります。



社長「え?良い人が来たらじゃなくて、採用人数コミットでしょ??」

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また同時に、エージェント側の都合も頭に入れておくと良いでしょう。
エージェント側はビジネスモデルの特性上、出来る限り
「少ないコスト」と「少ない労力」で、「より早く」「より単価が高く」「内定率が高い」企業を紹介しようとします。

少ないコストに関しては求職者集めの手法のお話なので割愛しますが、少ない労力に関しては、サービスを利用する上で地味に重要です。

基本的にサービスは無料なので、エージェント側は面談を1回で済むなら1回で済ませたいです。
2回3回とするのは手間ですし、それだけ面倒を見た人が他者経由や媒体経由で内定を獲得したらタダ働きです。

ですが、求職者側から求められたら対応をするケースも多いです。
面談をわざわざしなくても、履歴書の添削や転職先の相談等は積極的に乗ってくれますし、求人の紹介に関しても対応してくれます。


同時に、複数の求職者を同時に対応している関係で、担当求職者が多く、全ての求職者を頭の中で把握できていない人も多くいます。

そのため、求職者側から積極的に声掛けをする事で存在アピールにもなりますので、対応してもらえる量が他の人よりも多くなります。

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「単価が高く」の部分に関しては企業側の都合のため求職者とは関係がありません。
ただ、ある程度以上の条件の方であれば、多少年収についての交渉を間に入ってしてくれる可能性があります。

「内定率が高い」に関しては求職者側は知りにくい情報のため、積極的に取りに行っても良いでしょう。企業側の情報をきちんと拾っているタイプのエージェントさんであれば、その企業の採用計画であったり過去の通りやすさだったりを知っている可能性があります。


ただ、求職者の相談に親身に乗っているようで、希望の業界や条件を無視して特定の企業を猛プッシュしてくるエージェントも居るので気をつけてください。

特にベンチャーを中心に取り扱っているエージェントさんに多い印象ですが、そこまで多くのエージェントさんの知り合いが居るわけでもないのでこの辺はエージェントさん教えて下さい!(他力本願)


さて、このエージェント選びですが、紹介会社毎に得意な領域が変わってきています。
ただそれ以上に、言っては悪いですが担当のエージェントさんに当たり外れがあります。


歴が浅い方やちゃんとこちらの要望を上手に汲み取れない方。様々な方がいらっしゃるので、複数の紹介会社に登録し、個人的に当たりだなと思った人と中心に関わっていくのをおすすめします。

「私紹介するの上手いよ!」っていうエージェントさんがいたら声をかけてください。たまに僕のところに相談に来るポンコツさんをお任せしたいです。


スカウトサービス

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サービスごとに特徴が大きく変わってきます。

複数登録することによる弊害は、メールが増える事以外にはあまりないので、迷ったら一旦登録してみるのもありかもしれません。


費用体型は月額固定費と成果報酬が混在しています。
例えばWantedlyやミイダスは月額費用ですが、Greenとかは成果報酬だった気がします。
また、有名なビズリーチは月額固定費プラス成果報酬になっています。

企業側の採用の意欲に関しては先程の費用体型と紐づくので、求職者側がそれを把握するのは少し困難です。


ただ、紹介会社経由との特性の違いをあえて挙げるとしたら、ほとんどのサービスは「スカウトメール」という物を求職者に送ることが出来るのですが、これらが1ヶ月に何通までと決まっている事が殆どです。

コピペで送ってくる企業も多いですが、その企業の採用ターゲットとなる条件で検索をされた結果送付対象が選ばれているので、もしスカウトが来たのであれば書類通過率や一次面談通過率は気持ち高めとなるかもしれません。


ただ、忙しすぎて雑に送っている企業も多々あるみたいなので、

「俺のところにスカウトが来た!」

みたいに調子に乗るのも止めておいたほうがいいです。

自分の年齢と地域だけが引っかかった可能性や、一度でも少しだけ営業職をかじったことがあるかどうか。とかで検索している人も居るので。


転職フェア

地方自治体やハローワークが主催となるものと、企業が主催となるものがあります。

企業主催の場合は費用体型はほとんど1開催数十万円というものです。(ちなみに新卒向けのイベントは成果報酬がほとんど)

開催規模や場所で費用感は多少変わってきます。
転職活動をする上でイメージを沸かせるのが結構難しかったりしますが、面談以外の場所で他の企業の人と喋ることが出来る場という意味では、就活初期には利用してみるのも良いかもしれません。

こちらも出展するだけで費用がかかるので、比較的採用にアグレッシブな企業が多いはずです。

ただ、コロナの影響で、こういう催事物は中止になってしまっている事が多いはずなので、選択肢には入れづらいかもしれません。
余談ですが、こういう場で座ってボーッと来場者を待っているだけの人事が居る会社はお金持ちだなぁと思ってしまいます。

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ハローワーク

費用としては一切無料。そのため求人広告のようにA.B.Cみたいな高い枠を買って上の方に表示させたり、画像を載せるみたいな事も出来ません。
また、近頃はネットでの転職活動が主流になっているため応募者もそれほど多くはありません。
そのため企業側も「とりあえず出しておくか」的な出し方が多い印象です。
出すための書類も地味に面倒くさいというのもあります。

ただ、そんなにお金を払わなくても人が充足する、離職率が低い中小企業が使っている可能性もあります。

また、メディア経由と比べて応募者が多くない。という事は、転職者側からは合格率という観点では優位に働くことが予想されます。

行くのちょっと面倒ですが、内定がなかなか取れないという方はきちんと選択肢に入れておくのも重要かと思います。


リファラル(紹介)

最近様々な企業で積極的に導入されているのがこちらのリファラル採用と呼ばれる採用です。
ものすごくわかりやすく言うとコネ採用です。

昔から言われるコネ採用だと経営者の近親というイメージが強いですが、最近では社員の知り合いレベルでの採用も積極的に行なっている企業が多いです。

企業側としては、求人媒体や紹介会社にかかる費用が削減でき、また実際に働いている社員からリアルな話を聞いているためミスマッチも下がり、紹介してくれた知り合いが働いているため離職率も下がる。という企業側からのメリットが多いのが特徴です。

求職者側としても、ミスマッチも低く、紹介経由であれば多少入社もしやすくなるため、可能であれば積極的に行なったほうが良い手法ではあるのですが、自身の繋がりが広くないと難しいというのも特徴です。

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SNS採用(自社メディア含む)

ツイッターやインスタグラムを中心に、SNSや自社メディアを中心に採用に力を入れている企業もあります。


ただ、企業側からするとこれめちゃくちゃ難しいです。


これはマーケットの問題なのですが、転職したいと思った時にSNSで探す人がそもそも少ないという事と、SNS経由で募集している企業を信用できるか?という、まだ文化的にもあまり定着していない事が背景にあげられます。

エンジニア界隈だと大分定着してきたみたいですけどね。


ただ、ツイッターをやってらっしゃる方だとよく分かると思いますが、それでも人事のアカウントはメチャクチャ多いです。

実名アカウントの中でもとりわけ人事が多い印象です(それか単純に僕の周りに多いだけですかね?)


では仕事を探す側の立場から考えるとどうでしょうか。

条件で検索が出来ないという意味では使いにくいです。

ただ、SNS経由での応募はライバルが少ないので目に止まりやすいのと、

単純にアカウントを運用している人事が喜ぶのと、

「ツイッター経由だから変な対応したら炎上する。。。」と人事の頭をよぎるので、

そういう意味ではメリットも多いかもしれません。

ただ、再三となりますが、そもそもツイッター上で求人を見つけるのが難しいです。タイムラインには流れてくるのですが、検索で見つけようとするとちょっと難しかったです。

おすすめの検索方法知っている方が居たら教えてくださーい


求人票の読み方を知っておく

さて、ここまで色々と採用手法について並べてみましたが、どの企業を選ぶのかについても考えなくてはいけません。


どの業界を狙ったほうが良いとかは、その人のこれまでのキャリアによって大きく変わってくるので今回は一旦割愛しますが、何よりも基礎知識として持っておいてほしいのが、求人票の読み方です。


特に求人メディアの読み方は本当に気をつけてください。

上で触れましたが、求人メディアは固定費用がかかります。


そのため、一人でも多くの人に応募してもらうための書き方をしている事が殆どです。


改めて頭に入れておいてください。

求人メディアに書かれている文章は、

「求人情報」ではなく「求人広告」です。


広告ということは、良く見えるように書いているということです。


書いてある内容が良い感じだからこの会社は良い会社だと思った。

こういう会社だと思って入社したら実態は違った。


というのは、残念ながら9割がた求職者が悪いと思ってください。

改めて言いますが、あれは広告です。


ただ、求人広告はそこそこ好き勝手な文章を書けますが、記述のルールもあるため、そのルールから逸脱した嘘を書くことは許されてはいません。


なので、まずルールを把握すること。

把握した上で、ルールに無い範囲であれば企業は比較的好きなことを書けるということを理解すること。をオススメします。


さて、まず求人メディアに記載されている内容はどのようなものがあるかを整理してみましょう。

・タイトル
・募集要項
・仕事内容
・対象
・勤務地
・勤務時間
・給与
・休日・休暇
・雇用形態
・待遇・福利厚生
・その他何か良い感じの事(会社の雰囲気とか誰かの一言とか)

こんな感じで構成されています。
それぞれの注意点を気にしながら改めて読んでみましょう。


タイトル・枠順

タイトルに関しては、業務内容や企業名がそのまま書いてあったりする場合もありますが、基本的にはその企業の求人詳細を見たいと思わせるのが目的となっています。


そのため、未経験歓迎や年間休日、業界シェアNo1等のキャッチーなフレーズが添えられていることが多いです。

文字数制限があるのと、求人詳細で中身を確認するのでそこまで神経質に見る必要は無いですが、枠順に関しては少し気をつけてみてください。

先程も触れましたが「より高いお金を払っている企業」が基本的には上の方に上がってきます。


逆に言うと、求人に月数十万円もお金をかけられない中小企業は必然検索順位の下の方に下がっていきます。
Google検索の場合は1ページ目に調べたい情報が集まっている可能性が高いですが、求人媒体においてはお金を払っている企業が目に付きやすいだけで、自分にあっている企業が上に上がってきているわけではない事を理解しておきましょう。


なので、検索表示の下の方に1.2.3.4.5…30のように、検索合致数が多く表示されている場合はあえて真ん中や後ろの方も見てみるのをオススメします。


募集要項・仕事内容

この辺はメディアによって多少違いがありますが、募集要項欄は、後で触れる会社情報をかいつまんで、いい感じに見せようとする広告的な要素が強いです。

ただ、冷静になっていただきたいのですが、魅力付けをする。ということは、企業のありのままが書かれているのではなく、よく思えるであろう事を選抜して、よく思えるように書いてあるということを忘れないでください。


嘘じゃなければ。というのがミソで、大手企業との取引がある(過去あったけど最近ほとんど無い)とか、年収3000万円も目指せる(目指すことは出来る)とか、良い印象を与える事を目指した文章が書かれます。

実際の求人広告を例とすれば一番説明がしやすいのですが、この文脈で例としてあげると角が立ちまくりなので、僕がちょっと適当に一つ作ってみます。


今回は事業拡大のため新たにHRコンサルティング職を募集致します。こちらのポジションでは、各取引先の企業の経営課題を明確化し、それらを解決出来るような人材採用のお手伝いを行ないます。
正解がないお仕事なので、決まりきった方法にとらわれず、アイデア力を活かして成果を導き出す必要がありますが、同時にやりがいにも繋がります。取引相手となるのは経営者が多く、レベルの高い方と接することでビジネスセンスを磨く機会も豊富にあり、更なるキャリアアップも目指すことが出来ます。また、こちらの業務はチームで行うため、経験豊富な先輩のサポートの元で安心して業務を学ぶことが出来るので、業界未経験の方でも活躍しやすい環境となっています。


はい、せっかくだったので求人広告を売る代理店のテレアポの仕事を想定して文章を書いてみました。
入社後は一日8時間ひたすら電話を掛けて人足りていませんか?と聞きまくるお仕事です。

広告文面の作成については、チームで行うので先輩がやります。なのでしばらくひたすらテレアポしてください。

といった感じです。
文章だけを鵜呑みにしていたら入社後マジかよ。ってなりますね。

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この記事書くために他の求人確認していないので、もし実際に出ている求人と被りがあったらなんかごめんなさい。その求人の中身が実際にテレアポかどうかはわかりませんので予めご了承ください。


さて、以上を踏まえて注意事項。

・横文字は具体的で生々しい表現を避けるために使われる事があるため注意
・本当にその業務が「未経験」で出来そうな業務なのか要確認
・その会社のメイン事業が何かをHP等でも必ず確認を行うこと
・面談時にも必ず入社3ヶ月以内に行う具体的な業務を確認。ステップアップがあるとしたらいつ度のタイミングで行われるのか具体的に確認を行うこと

仕事内容の書き方に関してはもうセンスが物を言うので、これを抑えておけば完璧みたいのは無いです。とりあえず最近のトレンドとしては、営業職をマーケティングやコンサルタントと言いがちなので、この2つのワードに関しては基本真に受けないでください。


また、上の方で記載した”自分が経営者だったら、給料を上げなくても人が集まるならわざわざ給料を上げる必要無くない?”の精神も忘れないでください。

内容を見て面白そうと思える仕事で、未経験でもできる仕事ならすぐに人が集まります。

そして、もし離職率が低いならその求人はすぐに募集終了となるはずです。


ちなみに友人の転職を手伝っている時に持って来た求人で、フィットネスクラブのインストラクターのポジションをマーケティングポジションとして募集しているのも見たことがあります。広義の意味で言えば、会員獲得がメイン業務なのでマーケティングである。と言う事も可能だということなのでしょうが、求職者を誤認させているという意味で納得感があるか言われると疑問が残りますね。


対象・勤務地

それほど多く言うことはないですが、例えば第二新卒OK等の文言が入っている場合は比較的若い年齢層をメインターゲットにしていて、35歳以上の方に関しては急激に書類で落とされる可能性が上がるので気をつけてください。


というかどの企業の求人も基本的に35歳以上で未経験の場合書類通過率が急激に下がるので、現在の業界業種にずっといる予定なのかは常に念頭においたほうが良いです。

勤務地や出張に関しては基本的にはそのまま書かれている事が多いと思います。特に転勤がない企業は転勤無しをメリットとして記載している事が多いです。ただ、念の為全国転勤が嫌な方等は面接で事前確認をきちんとするようにもしてくださいね。


勤務時間・給与・休日休暇

この3つはかなり重要で、かつ面談時に聞くのが気まずいランキングでも上位ホルダーかと思います。

この部分について特に注意なのは残業と休日です。

「○時間分の固定残業代含む」という文言が入っている場合に、残業代が実質出ない企業も多くあるようです。

労働法上、例えば30時間分の固定残業がある場合、30時間を越える残業分に関しては残業代の支給が必要となるのですが、こういう企業にはサービス精神が旺盛な社員さんが多いので。

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固定残業が40時間とか設定されている企業だったらほぼ無いと思って良いのではないかなと思います。
求人票を眺めていて、固定残業20時間という企業があったのでおや?と思いましたが、月給が20万円だったので、残業代を除いた給与が最低賃金を下回りそうなだけじゃないか。とか思ったり思わなかったり。


いや、やっぱり普通に皆ちゃんと法律に則って残業代払ってくれると思いますよ。だって法律ですからね。


ちなみに残業の証拠を持って労基に駆け込めば基本的には残業代勝ち取れますが、そこまでのバイタリティある人あんまり居ないと思うので一旦割愛します。ちなみに僕は面倒なので嫌です。


その他注意点、下記の確認をしておきましょう。


・月給23万円〜35万円と記載がある場合は基本的には入社後の給与は23万円
・社員の給与例は、現在過去合わせて一番良かった例を記載する事が多く、平均ではない。(場合によっては実際には存在しない社員の給与を書く事もある)
・年俸制の企業でそもそも賞与がない企業もあるので、月収だけで判断せず、年収で判断。
・賞与は必ず払われるわけでもなく、額も変動するため年収を想定する場合は注意。(また、初年度は試用期間とのからみで支給されない事も多いです)
・週休2日は月に1回でも2日間休みがある週があれば記載可能。月5日休みも理論上可能。
・完全週休2日制は毎週2日休みがあるというだけで、土日休みと祝日休みという意味を含まない。

一旦こんな感じですかね。
休日に関しては特に個人的には学校で教えてくれよと思うレベルでした。
ただ、求人媒体は基本的には嘘を書いてはいけないので読み方を知っておけばトラップは躱しやすいです。

ただ、給与条件に関しては時々面談後下げてくるところがあるので要注意です。


雇用形態・福利厚生

雇用形態に関しては有期雇用(契約社員)なのか無期雇用(正社員)なのかが一番の争点かと思います。


有期雇用で募集を掛けている場合、なぜあえて無期雇用ではなく有期雇用で取ろうとしているのか。というのを企業側の目線で考える必要があります。

基本的には採用リスクで、採用したけど活躍しない人だったら出来れば解雇したい。というのが一番大きいかと思いますが、実際に期間限定の社員として採用したい場合や、無期の場合と業務範囲や勤務地に区分けがされている場合もあります。例えば地域限定社員は有期雇用である。等。

昇給や出世に関わる可能性があるので契約社員での提示の場合は面接時にこの辺りをしっかりと確認した方が良いです。この点に関して質問されてウザがる企業は基本的にはネガティブな意味で有期雇用にしている可能性が高いです。制度や慣例上無期雇用になれる可能性が高い企業の場合はむしろ有期雇用だけど大丈夫だと積極的に説明(言い訳)しようとする事が多いからです。

ただ、雇用形態はあくまで雇用形態でしかないため、その他諸条件が合うかどうかのほうが重要です。条件が合わない企業で無期雇用だとしても、また転職する事になるのであれば関係が無いですからね。

福利厚生に関しては、どの企業も基本的な社会保険等に関しては入れるハズなので、好みの問題で良いかと思います。ただ、よく見る例としては、家賃補助に関しては条件が厳しい企業が意外と多かったりするので気を付けてください。
家賃補助(条件あり)
と記載されているが、会社から2駅以内で勤続5年以上の社員のみ対象。
という場合も時々あります。

結局の所、社員に対して人件費を給与として還元するのか、福利厚生費として還元するかの違いでしかないので、家賃補助がある企業を選ぶのではなく、家賃補助がある企業は年収に補助金額を組み込んだらいくらになるのか、という観点で見た方が無難です。

最後に

今回触れたのは、特定の企業の判断の仕方ではなく、全体の市場において、こういう傾向がありますよ。という内容です。

企業っていうのはそう簡単に中身を見通すことが出来ないものなので、今回の内容で完璧かと言うと全然そんなことはないです。


ただ、今回の内容が頭に入った状態で転職活動をするかどうかで、見えてくる景色も全然変わってくるかと思います。

また、転職活動をしなかったとしても、こういう事が頭に入っているかどうかで自分の選択肢に転職を用意できるかどうかも変わってくると思います。


これは僕個人の考えですが、選択肢は多いに越したことは無いです。

僕は今回遠距離恋愛をしていた彼女と結婚を機に、東京を離れて転職活動をする決意をしました。

コロナ禍でかつ地方だったこともあり求人が少なく、スタート時はちょっと焦りました。ただ過去の経験から、この記事で触れた採用市場事についてわかっていたのもあり、退職前の実務を深夜まで毎日ガチガチにやりながらも、転職活動を始めて1ヶ月以内に希望する企業の内定を取ることが出来ました。


ただ、世の中の人皆が簡単に転職先を決められるというわけでもないと思いますので、今回はこういう切り口から記事を書いてみました。

他にも纏めたい情報はありますが、すでに1万文字超えてしまっているので一旦今回はここまでにしたいと思います。


質問相談は緩やかに募集しています。もし何かあればコメントかツイッター経由でどうぞ。

もし需要があるようだったら別記事も追加していきたいと思います。


転職者サイドだけではなく、人材業界の方、人事界隈の方からのアドバイスご指摘非難攻撃お待ちしています。ゆるやかに聞き流しながら文章訂正できそうなら訂正します。

https://twitter.com/saitoo_3


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