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ニッポン鍋図鑑/『長浜 千茂登の近江牛すき焼き』
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ニッポン帰国中の琵琶湖旅行で食べたすき焼きです。近江牛でございます。筆舌に尽くしがたいウマさでした。どこがどうウマいとか、書きようがありません。
飲んだのは北近江の地酒『七本鎗 上撰』。ワタシは特に日本酒に詳しいワケではありませんが美味しゅうございました。
場所は長浜の旧市街にある料亭旅館の千茂登/ちもと。料亭と名の付く店に入ったのはサラリーマン時代に接待で行って以来。
通されたのは日本庭園に面したもともとは客室であったろう和室でした。畳にテーブルと椅子っていうのが若干違和感ありました。
ニッポンで泊まるならこういう和風旅館がいいな、と最近思います。Webで予約できる所もあるから外人客も多いでしょう。いまどき一見さんお断りなんてことは言ってられない。けどブンカが混じり合うと衝突が起きます。
最終的にテーブルの上が溢れんばかりとなりましたが、まずは刺身が出てきて熱燗飲みながらしみじみと食べます。何の刺身かは聞いたけど忘れちゃった。
次いで野菜と肉と卵が運ばれてきて一気にすき焼きモードに入りました。
肉はロースとモモのミックス。さしの多いのがロースです。って絵じゃわからない。野菜は白菜、エノキダケ、長葱、玉葱、牛蒡、人参。それに白滝と焼き豆腐。
卵も割られ準備万端整いました。どれも厳選された地元の素材です。
最初に店の人がまずは肉だけで食べてくださいと言って焼いてくれました。薄めの割下に醤油と砂糖を少しだけ加え軽く煮て、とろけるような柔らかさで喉を通過していきました。思わず感涙。
すき焼きは関東と関西で違うとか言いますが、ワタシは大人になるまですき焼きは豚肉だと思っていたので牛肉のすき焼きはどんなモノでも新鮮なキモチで食べられます。もちろん豚すき焼きは今でもウマいと思います。食べ物は値段じゃないんだ。
店の人が野菜を一通り鉄鍋に並べてくれてあとはジブン達で勝手に進めます。こういうニッポン的な食べ方は非常に合理的かつシチュエーション的にも好ましい。韓国焼肉なんかはずーっと店の人が付いて焼いてハサミで切ってくれたりするけど有難いような煩わしいような。
ウマいものは黙って食うのが我が家の流儀なのでぐいぐいと食べ進んでいきます。肉がかなりの量で腹いっぱいになりました。
〆はうどんを入れてこれがホントのうどんすき。沢庵もウマい。
デザートはキウイとリンゴと大粒のブドウ。こういう組み合わせも老舗ならではの練りに練ったものなんでしょう。堪能しました。
この店は鴨鍋とすき焼きとウナギの三大メニューがウリ。鴨鍋って食べたことないけどウマそうっ。ウナギはランチにいいカモしれません。どっちにしても頻繁に来れる店じゃありません。
今回はピンポイントでここに決めました。奇跡のような巡り会わせです。
ほかにもニッポンで食べたい鍋はありました。ちゃんことか牡蠣鍋とか、、また次の機会に。
それまではベトナム鍋を究めるまで食べ続けます。