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名古屋在住の白川町マニア発!町の楽しみ方〜ヘボご飯【昆虫食】〜

こんにちは。鈴木です。
私は白川町が大好きです。 
名古屋に住みながら、休日はたいてい白川町で過ごしています。
こちらでは白川町の好きなところを発信しています。
詳しくは自己紹介記事をご覧ください。

「ヘボご飯は、ハチの幼虫が入ってるよ。ハチの巣を専門の人に持ってくと、幼虫を取ってくれるからそれを煮るの。正直私は苦手。でも昔から好きな人はすごく好きだよ。」

10/12秋の味覚フェスタがあり、道の駅美濃白川でヘボご飯が売られていた。
パンショップイマイの女将さんが作って売ってみえた。
ヘボご飯は白川町のソウルフード。
包装の隙間から覗くと小豆大の幼虫が見えた。 

白川町民の方々に聞いてみると、ヘボご飯は白川町の「おもしろグッズ」らしい。

◆ヘボご飯は江戸時代から山間地域で食べられている貴重なタンパク源だ


ヘボを食べる文化は、恵那を中心に、信州から奥三河にかけての山間地域で盛んだ。
江戸時代に書かれた「想山著聞奇集」(三好想山・1850年)の中に、美濃国や信濃国では、蜂の子を醤油で味付け、ご飯に混ぜた「へぼ飯」を食している、という記述があり、昔から食されていた。
【農林水産省のHP:へぼ飯 岐阜県参照】


◆お祝いやイベントがあるときにふるまわれる


ワークドットの新井さんが引っ越してきた時には、ヘボご飯を近隣住民の方から頂いたらしい。
白川町ならではの挨拶であり、洗礼のようだ。
秋のイベントでもヘボご飯はよく売られているらしい。

◆食べてみると、幼虫はシジミの佃煮、成虫寄りの幼虫は小エビの佃煮みたいな味だった

ご飯に混ざる明るい茶色が幼虫
黒っぽいのが成虫寄りの幼虫


恐る恐る初昆虫食。
ヘボにピントを合わせず食べてみる。

幼虫と、成虫寄りの幼虫で食感が違った。
幼虫はもちもち。成虫はカリっとしている。
どちらもめちゃくちゃ旨みが詰まっていた。
シジミ、小エビの佃煮を凌ぐ旨み。
味付けは醤油と砂糖、生姜の効いた甘辛い佃煮。
途中から食べ終わるのが名残惜しいほどで、最後の方はちびちび味わってあっという間に完食した。

◆西濃の山奥生まれの祖母もヘボが大好きだった


私の祖母は、福井と岐阜の県境にある、山奥の集落生まれだ。その祖母も、子供の頃にヘボを囲炉裏で炒って食べていたそうだ。
祖母が食べていたのはスズメバチの幼虫で、私が食べたものより大きかったらしい。「ぷちっとしてめっっっちゃおいしかったよ!」と目を輝かせていた。 祖母の身長は、同年代の中でも高い方なのだが、ヘボをよく食べたからだと言っていた。


物の豊富になった現代において、ヘボは貴重なタンパク源という認識は薄れている。
それでも、江戸時代から現代まで作られ続け、「白川町のおもしろグッズ」として身近にあり続けている。  
おもしろグッズと言っても、ヘボを取る作業、ヘボの味付け作業一つ一つは山間地域で住む人たちの手間や知恵の賜物。

そういう豊かさを、白川町に行くとよく感じる。





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