日々更新しています.その日のこと,勉強計画と報告.
月.日.曜日.番号(何日目か)
11月
11.27.1日目
初めに隠さずに言うべきことがある.俺は大学の三年生として過ごしていて,1年後には試験が終わっているというのに,今日は全くと言っていいほど勉強していないのだ.明確に頑張ったといえる最後の記憶は,4年前のコロナ禍のわずかな期間のことである.ステッパーという健康器具をゼェハァと踏みこみながら毎朝英単語を2時間暗記していた.ではたった今は何をしているのかって?明日というか厳密にいえば今日というか,とにかくこの後すぐに迎える朝には人文科目の中間試験があるというのに,夜な夜なスマートフォンゲームの『開拓サバイバル島』を再ダウンロードして,愛猫ペッタロウや森野クマックスがせっせと働いているのを,口の端からヨダレを垂らしながらぽけぇっと見ているのだ.奥深くに眠っていた記憶が徐々に掘り返されて,小学生だったころの思い出を不必要になぞる.しかし,このままでは受験生として失格だ.ふざけるな!舐めた態度を取りやがって,何が”T大受験生”だ? そう思いなおした時には既に窓の外がすっかり明るくなっていたので,早朝5時の電車に乗り込んで学校に向かった.電車は混んでいた.
文章 シラカワ
11.29.金.3日目
今日俺は遅刻をした.2限は10時40分からだが,11時30分ごろに教室の前に着き,気まずい空気が流れた.とはいえ隣席のA君も斜め前のB教授も教室中の人間も,毎度のように11時30分ごろに腰をかがめてうつむきながら入室してくる情けない男の存在を確かめているし,実のところ俺の心の中は終始至って穏やかであるから,気まずいというのは読者に対して常識を装うための形式的な表現に過ぎない.俺はまず教室に入る前にドアの手前でリュックサックをおろした.そしてハンカチで手を拭きながら扉を押し開け,席まで堂々と歩き,さも授業開始時間から出席していた男がそれは長いお手洗から復帰したかのように見せるために必死の演技を披露した.着席したあと1分間ほど時間をおいたらまたドアの前に逃げ帰る.間抜けな泥棒のようにリュックサックを低い位置で抱え,腰をかがめて忍び足で席に戻る. 同時に遅れを取り戻すべく目の前のpcに電源ボタンのスイッチを入れた.ところで,オフィスや学校で着席したとき,皆は荷物はどこに置くだろうか? 俺は抱えた荷物をすぐに煩わしく感じてきたのでどこに置くか迷った.それは時間にして0.1秒にも満たない瞬間での判断であった.通常は衛生の観点から椅子の背もたれに引っ掛けるところだが,極限状態で焦っていた俺は,テーブルより上にリュックサックを表出させて教授に現状を悟られまいと,あろうことか床においてしまった.すぐに俺はこの選択を後悔することになる.カバンの底面が,床を擦る. 教室の床というのはお金と同じで, 一見綺麗でも実は汚いものだ.電源を入れたはずのpcがそろそろ起動しても良い頃だが,相変わらず真っ暗なままである.いつもこうだ,俺のpcだけいつも一回でつかない,本当にこれは何故なんだ?いいか.ほかの人よりも作業工程が多くなるような気がして非常に腹が立つのだ!!この憎たらしいpc群によって溜まったストレスをぶちまけそうになったが,おっといけない,俺は裏局域と表局域を分けて演じることができる一般的な常識ある人間なのだ, そう言い聞かせた. 自分を落ち着かせることに成功した俺は,そろそろ頃合いだろうとカバンを本来あるべき場所に引っ掛けるために両腕で持ち上げて再度膝の上に載せた.----すると,カバンの底面からなにやら小さな白い大量の欠片が ,お気に入りかつ新品のユニクロズボンに, たった今付着したではないか. 俺は反射的に汚れを力強く振り払う.情けなく顔を歪めながら必死に回数を重ねて擦るごとに,残酷にもブラウンスウェットパンツの繊維に欠片はよく絡まって馴染んだ.そういえば,昨日この席に座っていた男がしきりに頭を勢いよく搔きむしっていたのを思い出した.風呂に入っていないかあるいは大変な乾燥肌なのだろうと気にもとめなかった事象が白い欠片の正体と結びついた.PCの画面は思い出したかのように突然明るくなったので,課題を進めることにしよう.もともと無表情だった俺の顔から穏やかな笑顔を表現するために必要な構成要素が全て消え去るのにそう時間はかからなかった.
文章 シラカワ
12月
12.9.月.13日目
日記というのは毎日記すから日記なのだろうが、既に10日分サボっていて,これがおれのリアルだ.この間にあったことを話したい.簡潔に言えば,卒研配属希望を提出し忘れた.
大学では4年生になると研究室に配属されて、そこで卒業論文を書かなければならない.おれは5つの理由からとある量子情報の研究室に入りたいと思っていた.1つ目は興味のある分野であること,2つ目は教授の授業が明快なこと,3つ目はメンバーが少ないこと,4つ目はドクターが複数人いること,5つ目は理論研究であることである.1つ目と3つ目は理由として妥当であるとして,なぜメンバーが少ないことがメリットなのか?それは教授からの指導が手厚くなるからだ.研究室の人数が多ければ多いほどに1人あたりに割くことができる時間が少なくなってしまう,なんて当たり前の話だ.ドクターが複数人いるということは相当な指導力を示す客観的な証拠であろうと簡単に予想できる.なぜ理論研究が良いのか?大雑把なくくり方をするならば、それは紙とペンだけで研究できるからである(完全にそれだけではないと教授は仰っていたが).なぜ紙とペンが良いのといえばペンで紙に書くのが心地良いからというだけで,また道具や機械を使った実験はしたくないからだ.オープンキャンパスではその研究室を訪問し教授の授業では最前列で受講することで,教授に名前を覚えてもらいながら彼のひととなりを知ることができた.それらを経たうえで気持ちが固まった.10月に研究室説明会が開かれて,教員と学生の面談開始から学年全員の配属決定までの流れが発表された.読んでみると希望先を提出するのは11月末ではないか.1か月もあるのか.おれはそのときすでに希望先が決まっていたので,今すぐにでも配属希望を提出したかった.おれが良ければ他人はどうでも良いというのは本音だ.他の人間に悩む時間が与えられて,希望先に人が集まるのがなにより面白くなかったんだな.「誰もおれの行きたい研究室を希望するんじゃねぇ。」そう心の中で自分以外のすべての人間に毒づいていた.そしてお望みどおりに1か月が経つと,何もかもをすっかり忘れていて,おれはある金曜日の授業中に手遅れであることに気付いた.稲妻みたいな速さで席から直立に立ち上がって,すぐに何とかしてくれないかと教務課に泣きついたらそのたぐいはどこそこ課に聞いてくれよと,その課は誰々に聞いてくれよと,その誰々はもう締め切ってるんだと言った.校内を犬のようにあちこち走り回って,収穫ゼロ.実に情けないエピソードだが,提出物は時間厳守なのだから当然である.
朝起きてやりたいこと,やる順番に書く.
30分.(高い城の男)でディクテーションとシャドーイング
30分.Anki 英単語
30分.(量子情報入門)いま勉強したい参考書
30分.noteの記事ネタ
30~120分.課題(かなり時間取る)
最低でも計3時間かかる.バイトの時の早起きを含めると4時に起きる習慣が良い.健康リスクの可能性あり.9時に寝ることが必要.
12.10.火.14日目
12:38起床。23:00就寝。10時間勉強するつもりであったが、勉強は1秒もしなかった。未提出の課題や今週の締切のことは忘れて、今は美味しい朝食とアイスコーヒーが食べたい。
今日の日記
12.11.水.15日目
4:48起床。Ankiで英単語を覚え、audibleでディクテーションを行った。勉強時間は40分。
昼の食堂で味噌汁を膝元にぶちまけた。昨日の夕方にせこせことシミ抜きしていたユニクロのズボンにである。定食は味噌汁1杯がついて、それはセルフサービスだから好きな量を注ぐことができる。欲をかいて満杯によそった結果の大惨事だな。もちろん服は大事にしているから、暇な時があれば手洗いだ。服や本を汚すと、1日の残りはその事で頭がいっぱいになってしまう。俺の悪い癖だ。
ヘッダ画像はWikipediaより引用.