ロシア、AIツール「Meliorator 」で偽情報を拡散、国際共同捜査で露見
7月9日、ロシアの影響力工作に関する書簡が、アメリカ・オランダ・カナダによる共同で発表された。
ロシアの国家支援メディアであるRT(旧称Russia Today)は、「Meliorator」というAIソフトウェアを使用し、偽のSNSアカウントを多数作成し、特定の国に対する虚偽情報を拡散しているという。
「Meliorator」を利用し、ロシア政府の影響力を強化するための悪質な影響力工作が行われている。米国、ポーランド、ドイツ、オランダ、スペイン、ウクライナ、イスラエルなどが対象。このツールは、偽のソーシャルメディアアカウントを大量に作成し、人間らしい振る舞いをさせることで、情報操作を行うことができる。ソフトウェアの機能はX(旧Twitter)のみでなく、他のソーシャルメディアプラットフォームへの拡張も計画されていると指摘されている。
ロシアによるこの活動は、アメリカ連邦捜査局(FBI)、アメリカサイバー国家任務部隊(CNMF)、オランダ総合情報保安局(AIVD)、オランダ軍事情報・保安局(MIVD)、オランダ国家警察(DNP)、カナダサイバーセキュリティセンター(CCCS)が連携し妨害した。今回の情報も、上記機関が共同で公表したものである。
米司法省(DOJ)によれば、ロシアが作戦に利用した2つのドメインを押収し、968のソーシャルメディアアカウントを特定したという。
ロシアが利用した「Meliorator」は、AIによる画像生成やテキスト生成などの機能を備えている。例えば、アメリカの市民や有識者になりすまし、ウクライナにおけるロシアの行動を正当化する文章や動画を生成し、SNS上に投稿している。
「Office of Public Affairs | Justice Department Leads Efforts Among Federal, International, and Private Sector Partners to Disrupt Covert Russian Government-Operated Social Media Bot Farm | United States Department of Justice」<https://www.justice.gov/opa/pr/justice-department-leads-efforts-among-federal-international-and-private-sector-partners>
「Office of Public Affairs | Justice Department Leads Efforts Among Federal, International, and Private Sector Partners to Disrupt Covert Russian Government-Operated Social Media Bot Farm | United States Department of Justice」<https://www.justice.gov/opa/pr/justice-department-leads-efforts-among-federal-international-and-private-sector-partners>