次郎が教えてくれたことシリーズ②次郎のお金の使いかた?!
オモシからメールが来る。
「次郎にありがとう、と言ってください。今日、頭のMRI撮りました。日曜日、お金くれたから。」
オモシは、もう20年来の友人で、アメブロにケニア人オモシと、日本人の私との付き合いを書いた。「ハランベーって何?~ケニアと私と南北問題?!<その1>から<その22完>まである」(※長いので、時間のある時に読んでもらえたら嬉しい)
オモシのメールにある日曜日というのが、12/15のことで、私と次郎は、急遽大阪に行くことになって、大阪に住むオモシに連絡を取ったのだ。
次郎はオモシが大大大好きだ。
以前、私が「オモシと結婚したい」と言ったら、大反対!!
「ボクのオモシを取るな!」と言ったくらいだ。
普通は、大好きなママが他の人に取られるのは嫌だと、反対するんもんじゃない?
私も次郎もオモシが大好き過ぎて、オモシを取り合っているという、変な三角関係だ。
日曜日は5時起きだったし、お昼くらいには次郎がすっかり機嫌を悪くして、私に当たるだろうな?と思っていた。私も5時起きで次郎を連れて大阪まで来ていて、愚図られるのは、体力が持たない。オモシ登場で一気に次郎の機嫌を取ろうという作戦だった。
時は師走、場所は大阪梅田、予想を上回る人出に、トイレひとつ行くのにも苦労し、お昼ご飯を食べるのも遅くなってしまった。
「あ、そっか、ボーナス出たんだろうねみんな~。オモシ、ボーナス出た?」(もちろん出てないと思ったけど)
「出ません」
「次郎ボーナス出た?」
「ブブー、ママ」(は?)
「もちろん、私もボーナスないよ。」
と、3人で肩を落として人込みを歩いた。なんとか、座ることろを求めて、早かったけど、帰りの高速バスの待合室で椅子を見つけて座った。
疲れ果てて、私は椅子でうつらうつらした。うつらうつらする度に次郎が「ママ!」と起こす。2,3回起こされたあと、静かになった。私はそのまま眠りに落ちた。
しばらくして、「ママ」と起こされると、目の前に次郎とオモシが立っている。ああ、寝かしてくれたんだ。「ありがとう」と起きる。オモシが「散歩に行ってました。」と言う。
次郎が電卓の数字を見せる。
「ん?何?」
オモシが言う「次郎がお金くれました。いい?」
私は答える「きっと、ボーナスだよ」
次郎が答える「だんだん、バチ」(電車とか、バスとか交通費も入ってる)
オモシのメールに書いてあったのは、私が寝てる間に次郎がオモシに渡したお金のことだ。
実は、次郎は、オモシに会う前に、私に『オモシ来てくれるから、お金渡そう。』と言っていたのだ。
ちょっと、変な話に聞こえるかもしれないけれど、私がオモシをイベントの助っ人などに来てもらう時には、仕事を休んできてもらった場合、日当と、交通費を渡している。仕事の依頼をしている感覚だ。
そのことを、次郎はどう感じるのか?と以前心配して(なにしろ、お金がないお金がないと四六時中、私は言っているから)話したことがあるのだ。
「オモシは、前は、暑い日も寒い日も、船の荷を運ぶ外仕事してて、今は、寒い寒い冷凍食品の倉庫で冷凍食品運んでるんだよ。みんなが嫌がる仕事して、給料は安いし、くれないことだってあるから可愛そう。だから、お母さんのイベントの手伝いしてくれた時は、ちゃんとお金を払いたいと思っているんだよ。」って。
次郎は、その話をすっと理解してくれた。
実は、私は、私の子どもたちには、お金のことでは、本当に苦労させてきたから、引け目を感じていたのだ。ケニアの人を助ける前に、自分たち子どもにお金を残しておこうと思わなかったの?と責められてもしかたない。
そんな思いでいるのに、次郎まで、私がしてきたように、有り金全部渡す勢いなのが可笑しくて、ほっと安心したのだ。もちろん懐は寒いけど。
そんなわけで、めでたく、ボーナスをもらったことのないオモシに、ボーナスを渡せてよかった、と思っていたところに来たメールだった。
本当によかった。
オモシは、もう自分のことで心配をかけちゃダメだと思っているのだろう。余程のことがないと、私に困っているとは言わない。
だから、次郎が私に換わって、オモシのこと心配してくれるのは、とっても嬉しい。
次郎の優しさが、私の心を温めてくれる。
あ、もちろん、後で私は、次郎から請求はされるけど。
でも、オモシにとっても、次郎の気持ちと一緒にもらったお金は、温かかったと思う。
寒がりで、始終風邪を引いているオモシが、どうか、元気で年を越せますように!
MIRの結果は、金曜日に出るという。
さあ、私たちも、元気に、年を越そう!
次郎は、大事なものの順番がわかっている。
お金を使う優先順位も。
PS. だれか、次郎に経済を回させてくれないだろうか?本当に必要なところに、お金を回すことの出来るヤツなのだ!