自由は難しい
自由は難しい。
中学時代、学校代表の1人として、市の水泳大会に出場した際、
「自由形」で選抜されたので、クロールではなく、大好きなバタフライを泳いだ。
ビリだった。
ひとり綺麗な水飛沫をあげながら、ゴールをした。
しばらく学年の誰からも口を聞かれなくなった。
自由は難しい。
国語の授業で初めて俳句というものが登場した時、
「自由に俳句を詠んでみましょう」と言われたので、
よくやったテルテルボーズ首をつり
という句を詠んだところ、
スクールカウンセラーを紹介された。
自由は難しい。
修学旅行で京都を訪れた際、
「ここからは自由行動です!」と言われたので、
とある寺の近くの藪で、
「見てみて、スモーカー大佐!」
と口の両端から1本ずつラッキーストライクと呼ばれる紙を吸引していたところを先生に見つかり、
即時帰宅・一週間の「出席停止」を命ぜられた。
自由は難しい。
夏休みの自由研究にて、
担任の妙な口癖や生徒への失言、放課後の交通違反などについて、
7,000字程度のレポートにまとめたところ、
通信簿の全ての科目の『関心・意欲・態度』欄に1を付けられ続けた。
自由は難しい。
とある企業の一次面接で、
「自由な服装でお越しください」と言われたので、
マリリン・マンソンが便所で上半身裸でズボンを下げて雑誌を読んでいる写真が印字されたティーシャーツを着用していったところ、
会場への入室前に不合格を告げられた。
自由は難しい。
『詩は歴史性に対して垂直に立つ』
という言があるけれども、
そもそも時間というものが連続体であるというのはマヤカシで、
一瞬一瞬はいびつな大粒の光子として降り注いでいるわけで、
ポピーはそのギラメキの雨の死角に屹立したビートとして、
刹那刹那を能動的にキメているから、
常に現実に対してのらのらとしてしまうの。
それで、「太陽が眩しかったから」、
彼を撃ち殺してしまったの。
なーんちゃって、マンチカン♪