【R18小説】薔薇のために①
小説説明
このお話は
白井の漫画「新・究極のM」の登場人物、古寺大樹が主人公です
(各電子書店様にて配信中)
[ご注意!]この小説は今回では完結していません、まだ続きます
基本的には、漫画を読んでいただいた読者様への感謝のために書いた小説です
漫画を読んでいなくても大丈夫な内容ですが、読んでいただけるとよりお楽しみいただけると思います(^人^)
なお、性的表現が含まれておりますのでご注意下さい
【登場人物】
古寺 大樹(ふるでら たいき)
姉の暴行事件をきっかけに引きこもりになっていたが、大企業の社長の孫娘、りらに拾われて才能を開花させる
現在は会社のセキュリティー部門を一手に任されていて、その界隈では有名人
人妻、千原千代に強い想いを抱き続けている
千原 千代(ちはら ちよ)
モンスター級のエリート、千原極の18歳の幼妻
小さくて子供のような容姿だが、不思議な魅力で男たちを惹きつける
夫の支配下にあり、モラハラを受けているように見えるが…
千代と会えなくなって半年
大樹は寂しさを紛らわすように免許を取って、車を乗り回すようになった
免許を手にした日、東京タワーの近くを歩いている時にショーウィンドウで光る青いスポーツカーを見て即決した
特にこだわりはなかったが、深い海のような青が美しいと思ったのだ
フェラーリのストラダーレ
ディーラーは、都会の海沿いをイメージした国内に1台しかない特注品だと説明する
車体はまるで晴れた日の海面のようにキラキラ光って美しい
値段は耳半分に聞いたので覚えていない
りらの紹介で取得していたブラックカードで数字を見ずに支払いした
「思ったより車体が低いね」
大樹からディーラーにしゃべったのはこれっきり
ディーラーはその一千倍は話しかけてきたのだが
初心者向けではない車だが、意外に大樹は車の運転が上手かった
プロを凌駕するゲーマーとしての腕が影響しているのかもしれない
道路や駐車場事情の悪い東京都心のドライブでも、まだどこにもぶつけていない
丸の内の取引先との打ち合わせの帰り、銀座の地下駐車場から出て、グン、と地上に上がる
すぐ横の交差点の赤信号に捕まった
高級車ばかりの中でも大樹の新車は一際目立っている
コンコン
信号待ちで停車していると見知らぬ女が窓を叩いてきた
港区にゴマンといそうな、髪が奇妙なまでにツルツルで顔面が人工的に美しい、乳房だけが不自然にデカイ痩せ過ぎた女
大樹が窓を開けると女は
「乗ってもいい?」
と微笑んだ
(この私を断るわけないわよね?)という顔で
大樹は無言でドアを開ける
この車を乗り回すようになってから、あからさまに金目当ての女が寄ってくるようになった
大樹は適当に一晩の性欲を解消させるために彼女たちを乗せる
女は「よくパンツが見えないな」と感心するような短いスカートで助手席に乗り込んだ
一応、何が入っているのかよく分からない小さなバッグで股の隙間を隠してはいるが
女は大樹の顔を初めてよく見る
思った以上に若く、イケメンだったことに喜び瞳が輝いた
「ヤダ、顔、カッコいいじゃん。しかもその若さでよくストラダーレに乗れるね…
悪いことしてるんじゃない?親が大金持ち?」
都合よく信号が青に変わったので、大樹は返事をすることなく車を発進させた
空が薄暗くなると派手に色付く東京タワーを横目で見ながら海に向かう
いつも利用するホテルがあるからだ
格式があり、大樹の立ち位置を理解しているスタッフがいて気に入っている
女にはセックスをする前に最上階で飯を食わせ、終わった後は多めのタクシー代を握らせて帰らせる
後腐れがないのがいい
いつもの手順だ
しかし海が見えてきた時、女が「公園お散歩したーい」と言い出した
確かに、気温も天気も心地よい夕方だ
大樹は心底面倒臭いと思いながらも、最近の運動不足のことも考えて少し散歩に付き合うことにした
一旦車をホテルに置くためにの道路に向かう途中、
大樹は見覚えのある後ろ姿を見た
というか、大樹の目の中に飛び込んできた
「千代さん!千代さん!」
横の女が驚くほどの声を大樹は上げていた
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